中古カメラ店様経由の修理が入って来ましたので簡単にUPしておきます。この個体はシュナイダーのクセナー40mmが付いている珍しい個体。一番の問題は巻き上げレバーがプラプラになっていて巻き上げが出来ない。考えられる故障は、例の樹脂歯車の損傷と、その下にあるクラッチ機構が正常に作動していない。今回は後者でした。←の爪がバネによって常に上に押し上げられていて爪が噛み合って巻き上げが出来る構造ですが、その爪が下に固着した状態です。原因は軸のメッキが痛んで摺動抵抗が大きくなっているため。軸の修正と爪をクリアランスの確保できるものに交換します。
珍しいレンズの割には結構ラフに使われていてホコリの付着が多い。レンズ外周の艶消し黒塗装と白の色入れが普通のテッサーとは心持印象が違うようですね。この個体は、レンズの無限位置のマーキングが合っていないので過去に前玉を分離されているようです。
グリスがごってり。クセナーは中玉がカニ目で分離出来ますが、カニ目が工具を掛けられた形跡があります。
後玉はコーティングの汚れと真鍮粉のような金色のチリが付着しています。
フィルムレールも分離されたようで、遮光用の紙片がありませんので追加して組みます。
レバーアテが欠落していますが、かなり凹んでいますね。修正をしてからレバーアテを熱カシメします。
なぜかフィルムカウンター窓のセル板が茶色に変色している個体があります。カウンター数字が見にくいので接着位置を変えます。
その他、ファインダー/シャッターなど全般的なメンテナンスをして外観清掃で完成です。