今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

初期型のPEN-FTの巻

2022年11月04日 20時50分00秒 | ブログ

初期型のPEN-FT #1496XX (1967-7月製)は汚れた革ケースにレンズとシューアダプター付きで、どう見てもお家の形見のような出で立ちですが、オーナーさんからいわれはお聞きしていません。で、初期型を修理依頼するとは良い心がけです(笑)

ざっと点検すると、シャッターは切れるがフリクションが大きく露出計は不動(でしょうね)で、付属のレンズ38mmは回転ゴリ、絞り羽根油、レンズ曇りなどあり。しかし、最近PEN-FT系の修理ご依頼が多いです。どうしたのでしょう? 

いつものように分解清掃からの作業です。シャッターユニットは意外に初期型ですけど悪くはありません。摩耗もないです。初期のユニットはナット類が緩みやすいですが、点検のところ大丈夫でした。では、洗浄注油をして行きます。あっ、初期型なのでシャッターバネのテンションは低めです。

シャッター幕の軸受けに抵抗が大きい傾向があります。これは長期放置をした個体に起こりやすい軸受けの腐食が原因です。軽く回転するようにしてから組み込みます。

 

問題の露出計ユニット。初期型は調整抵抗は半固定抵抗が使われていました。何とか動かすことに成功しました。ただし、感度はかなり低下していて調整抵抗一杯です。ハーフミラーは新品と交換しました。

 

メカ部の組立ほぼ終了。セルフタイマーのリンケージの戻り不良を修正しておきました。リターンバネの形状が初期は弱いのです。

 

感度調整などをしてトップカバーを閉じます。

 

 

長期間シューアダプターを取り付けたままにしてあったので、トップカバーのメッキに腐食が出てしまいました。シューの取付面にも腐食が出ていて、接眼側を傷にしますから取付けない方が良いです。

 

38mmですけど、かなり荒れた状態です。

 

 

全て分解洗浄で組み立てます。絞りリングの作動面が激しく錆びています。(スチールボールも)

 

初期型特有の巻上げ軽くシャッターは快調となりました。レンズも大丈夫です。問題は、長期に動いていなかった個体に多い、リターンミラーの接着剥がれですがしばらく気を付けてください。シャッターを切った時に異音を感じたらシャッターを切るのは止めること。剥がれたミラーがスクリーンを傷つけます。

トミーのリペイント (sakura.ne.jp)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ETAクォーツユニットの交換の巻

2022年11月04日 19時10分00秒 | ブログ

ブランドはハミルトンの腕時計ですけど息子から電池交換の依頼を受けました。しかし、クォーツユニットが故障したことによる止まりでした。じつは数年前にも故障をして、メーカー修理(ユニット交換)では3.5万円?ほど掛かるとのことで、私かオークションでユニットの生きているジャンク時計を入手して交換しておいたのでした。このユニットは婦人用のスモールセコンドで、それを紳士用に流用しているので電池ライフも短く、故障も早いのかも知れませんね。すでに生産をされていないようで15石と使い捨てユニットでは(スイス製ETA 980-163)ないものの、ネットで1万円程度で入手しました。

2回目のユニット交換なので、そろそろ針の固定が緩くなってくる頃です。特にスモールセコンドの秒針はきびしいです。針に傷を付けないように慎重に分離します。

 

いつ生産されたユニットか分かりませんので石に注油をして針座を移植しておきます。

 

ケースの作りは良く立派ですが中身を見るとね・・巻き芯の長いこと。

 

 

裏蓋のパッキンサイズを計測して新しいパッキンと交換しておきます。

 

 

白いスペーサーを載せて裏蓋をネジ留めして完了です。今度はいつまで耐ってくれることか・・

 

 

トミーのリペイント (sakura.ne.jp)