ローライフレックスのスタンダードは、ベビーローライの4X4を6X6に変更したモデルとのことで小型ですね。ものの本によると製造は1932年(昭和7年)となっていますが大東亜戦争開戦のはるか前、私の父がまだ兵隊検査を受ける前のカメラと言うことですから相当古いです。このモデルは1/500がありますので後期型になるのでしょうか? 長い間の使用によりボディーが痛んでいます。修理指示により作業をして行きます。まずストラップ取付け部の変形を修正していますが、裏側は緑青が大量に発生しています。
裏蓋はアルミの1枚物なので底部の変形(4脚のギッタンバッコン)や背面の変形などが目立ちますので修正をして行きます。
背面のへこみの修正をするため圧板を取り外します。アルミのペラペラな作りです。
つぎにファインダー部。さすがにミラーのメッキ腐食は進んでいて再使用は無理でした。水準器はスクリーンに接着ではなく針金により支持される構造です。
スタンダード用のミラーは1枚ストックがありましたので交換します。
水準器の〇部分は素通しの専用スクリーン。汚れがひどいですが割らないように丁寧に洗浄します。
通常の二眼レフと異なり、レンズとシャッターは前カバー側に付いていますので、カバーはダイカスト製でがっちりとした作りです。
前期型は最高速1/300となっていますが、このシャッターは1/500が付いています。各部に清掃注油や羽根の洗浄などをしておきます。
ビューレンズはハイドスコープ75mm。曇っていましたのでレンズを分解して清掃をしてあります。
撮影レンズはイエナ・テッサー75mm f3.5ですので1934年以降の個体のようです。こちらも曇りが多いので清掃しますが、↑部分で分解出来ます。
押しにくいセットボタンを押すとカウンターが1になり、以後はクランクによって進みます。
戦闘機の射撃用照準器のようですね。不具合部分は無く調子は良いと思います。