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今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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ドイツ製後期のローライ35の巻

2024年12月17日 20時00分00秒 | ブログ

暮に来てスムーズに作業をしたいのですけど、また変なのが来ました。ローライ35 #3145XXXとドイツ製後期でしょうか? 外観は悪くはありませんがシャッターが不調です。

 

通常のメンテナンスを実施しても改善しません。スローガバナーがコントロールされていないようです。前板を分解して点検します。の部分は本来接しているはずですが変形をして離れています。これですとコントロールが出来ません。

取りあえずスローガバナーは超音波洗浄します。右の部品はリン青銅のような材質ですが、スチール製もあります。の部分の曲がりを修正しておきます。中央はシャッターバネ。

 

画像のように接するようにして正常になりました。接する部分にはモリブデングリスを塗布しておきます。(潤滑が無くなると摩耗が進んでシャッタースピードをコントロールできなくなります)

心霊写真のよう。シャッターを切ると羽根残りがあります。観察するとトグルレバーを留めるネジが緩められた形跡があります。トグルレバーには寸法違いで多くの種類があり、適正よりも小さなものが使われているのかも知れません。

シャッターを作動させているうちに摩耗をするのでしょうね。羽根残りの症状はこの方式の宿命かも知れません。で、工場で選択取付けされているトグルレバーより大きなものと交換することになるので、私の手持ちがどんどん小さくなってしまうのです。

通常は1段大きいもので良いのですが、今回は2段上のものが適正でした。

 

 

シボ革を貼りますが、ローライ35のシボ革は側面に回り込む終端部の厚みが薄くなっていて0.4mmしかありません。側面に曲がってすぐに終端ですので、剥離しやすいための設計でしょうね。それだけに乱暴な剥離をすると容易に切れてしまうので注意が必要です。

ローライ35系は無駄な空シャッターは切らない方が良いのかな? 知りませんけど。

 

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