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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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新嘉坡のローライ35ブラックの巻

2024年12月08日 20時00分00秒 | ブログ

今日は開戦記念日(12/8)だったですね。映画「トラ・トラ・トラ」のDVDでも見直そうかな。海岸線に軍艦「長門」のオープンセットを作って、アメリカの練習機「テキサン」を零戦や九九艦爆に化けさせたり、今じゃ、CGでやるんだけど、偽物とはいえ実在の迫力が違いますね。もう、あのような映画は作れないでしょう。ハワイのアリゾナ記念館に行ったのは40年も前のことです。シンガポールにも行きましたよ。イギリスの東洋艦隊の基地がありました。プリンスオブウェールズとレパルスを海軍航空隊が撃沈したのは開戦から三日のことでした。

で次を急ぎます。シンガポール製のローライ35ブラック#6016XXXは一見疲労の少ない良い個体に見えましたが・・画像で絞りダイヤルと絞りが連動しませんね。フィルムカウンターも戻っていません。

その他シャッター低速切れず、巻き上げゴリツキ、ファインダー汚れ、沈胴スムーズでない、巻き戻しダイヤルゴリ、トップカバー凹み、など、結構不具合がありますね。

まぁ、通常の分解洗浄をして行きます。ファインダーはレンズを分離して清掃しました。地板を留める右上のネジ(ダイカスト側)がネジ〇カになっています。

 

絞りが同調しない原因はシャッターユニット側です。動きが渋く、リターンスプリングで復帰しません。

 

絞りユニットを分離して見ます。↗のバネに錆が出ている他は目立った不具合はないように見えます。

 

資料画像と比較しても絞り羽根の組み方に問題はありません。

 

 

では、裏側を見ます。作動ピンが錆びていますね。

 

 

絞り羽根6枚のうち3枚の作動ピンが腐食のため太って抜けません。作動も渋いです。保管の問題でしょうかね。油を付けるわけには行きませんのでアルコールを滴下してエージングをします。

スプロケット軸の遮光片が欠落していましたので製作してフィルムゲートを取り付けます。

 

本体にシャッターユニットを取り付けて前玉をヘリコイドグリス塗布でねじ込みます。

 

底部の巻き上げ系の清掃と注油をしておきます。

 

 

この頃は絞り/シャッターダイヤルの化粧ネジは梨地仕様ですね。黒プラのASAとフィルムインジケーターにキズが多いので研磨をしてあります。上下カバーはアルミ黒アルマイトに塗装です。

 

トップカバーのへこみの画像を撮るのを忘れていました。辺りですが修正をして目立たなくなっています。不具合は全て修正して良い個体になりました。

 

次もシンガポールですが、目立った不具合はありません。ヘリコイドグリスの劣化や低速の不安定など定番のメンテナンスです。

 

シャッターとレンズのオーバーホールをして完了。

 

 

ところでムック本の資料によるとドイツ製の最終号機は#331100となっていて、シンガポール製の初号機は#3312000となっていますが、この個体は#3252XXXでシンガポール製なんですね。

シンガポール製でもレンズ部が「Made by Rollei」ではなくドイツ製と同じようにNr.5491XXXと彫刻されています。ドイツ製の部品を使い、生産移管した直後の製造機で「ドイツ製になれなかった個体」ということなんでしょうね。

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