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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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PEN-Fと三光PENの巻

2024年12月25日 10時00分00秒 | ブログ

アッいう間にクリスマスですね。息子が通勤帰りに買って来たケーキ食べました。今年中にあと何台作業が出来るかな? カメラ店様からのPEN-Fです。外観はきれいな個体ですが付属の40mmが絞りが粘ってフリーズしてしまいます。

未分解機かなと思いましたが分解はされていますね。

 

 

経時的な劣化のみで部品の不具合はないと思いますので簡単に・・まずはすべて分解洗浄をして組み立てて行きます。

 

#2556XXと1966年1月製ですからユニットは変更後のものが使われています。プリズムに黒点腐食もありません。

 

問題もなく組み立て完成。

 

 

問題は40mm方です。絞り羽根に油がの回って不調になる個体は多いですが、この個体の場合は絞り機構の作動が重いのです。38mmとは設計が全く違っていて40mmは絞りの作動が渋い傾向にあり、完全に脱脂をすると作動不良となるものが多いので難しいです。ここで時間を取られました。

まぁ、いろいろな処置をして完成です。

 

 

次は久しぶりに三光PEN #1315XXが来ました。しばらく見ないうちにずいぶんと劣化していますね。絞りリングのメッキ剥げを何とかならないかとのご希望でしたが、ここは元々チープなメッキですし絞り指標とカシメられているので再メッキも出来ません。

トップカバー側面に打痕と駒数カニ目ネジがの孔が貫通していますので別の個体のものですね。

 

あら、巻き上げダイヤル軸に使われていました。ここは左ネジですがねじ込めたということは駒数ネジも左ネジで、初期(右ネジ)ではないということです。ここは純正ネジに交換してカニ目ネジは正規の位置に戻します。

 

ファインダーは何度も分解接着を受けています。まぁ、永い時間が経過していますので当然ですが・・打撃により駒数ガラスが剥離しています。

 

ファインダーの樹脂が以前よりもっと劣化が進んでいますね。もちろん保存状態にも寄りますが。成形型の形状が甘いのも三光の特徴。試作型をそのまま使用したのかな?

 

すべて分解洗浄をして組み立てて行きます。当然スプールの滑り機構は旧型。駒数ギヤはすでにウェーブワッシャーが入るタイプになっています。しかし、分解用の対角2孔はまだ空いていません。

コパルのこのシャッターがシンプルで一番故障しないのではないでしょうかね。ボロボロな外観の個体でもシャッターだけは動くという・・

 

カムを取り付けます。

 

 

リングナットを留めますが、歴代の分解キズが盛大についていますね。傷を付けることに何の躊躇もないのでしょうか? 

 

問題は対物レンズです。この頃は樹脂レンズが使われていますが、風化もあるのかなぁ? 表面が荒れて曇っています。何度もゴム系接着剤で接着されているので、それの溶剤が悪影響を与えている可能性もあります。研磨修正をします。この個体のレンズはアクリルなのかポリカーボネートなのか? ファインダー本体は軽く研磨をしてあります。

やはりレンズは拭き傷はありますが曇りはありません。初期のレンズは曇らないの仮説? 問題は絞りが固着して動かないことです。すべて分解すると油の固化と腐食ですね。ここまでのものは珍しい。

駒数ガラスを研磨接着をしてトップカバーを付けます。ファインダーがきれいになりましたね。

 

 

三光PENはこのストラップを付けなければいけませんので当方のストックを付けて記念撮影。

皆さんの御用納めはいつでしょう。年内は出来ましたら更新したいと思います。

 

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