昨日の関東地方は、まるで台風のような風雨でした。台風1号はまだ沖縄付近にあるのに・・しかし、私の子供の頃は台風と言えば9月に来るものと思っていましたけど、今頃の台風はフィリピン方面に向かうのが通例だったものが、1号からイキなり日本列島に向かうコースをたどるようです。地球の気象が変化しているのでしょうね。で、難儀な二眼レフの作業が続いていましてブログを更新するネタがありません。この20mmは過去に分解を受けていて、レンズにカビや拭き残しなどが見えます。
写りにフレアーが出ているとのことで、取り合えず清掃してみましょうかね。
後玉に菌糸状のカビがありますが、前回分解は出来なかったようです。
このレンズの問題は前玉です。前玉の裏側が清掃出来ない曇りが発生します。この個体も外輪に曇りがあるのとガラスが荒れている状態になっています。これが写りに影響しているのでしょう。ガラスというものは不思議な物質です。
二眼レフの作業が続いていますが、この個体はローライコードⅢですが、ホコリまみれでアルミのダイヤル類も完全に酸化しています。シャッター他、不具合を数え切れません。二眼レフの製品化は機能の修復だけではなく、工数の半分ぐらいは外観(内部も)の清掃です。このダイヤル類も磨き出して本革のシボ革はブラッシングをして汚れを落とします。
ローライコードⅢはシンプルで私の好きな機種ですが発売は1950年とのことで、さすがに古いですのでこんな程度も普通でしょうね。ビュー・テイク共レンズは曇っていますが、経験的に清掃で完全にクリアーにはなりません。
ビューレンズは前端のリングナットが緩んでくれれば基板から取り外さずレンズは全て前に抜けて来ますから清掃は容易ですが、この個体はリングナットのネジ部に溶剤を流しても緩まないので完全に分離して清掃をします。
裏蓋を清掃していると・・あら? 三脚ネジが突き抜けた形跡があり、光線漏れをしています。裏紙はありますが、フィルム面の直近ですから、遮光をしておきます。
外側から見たところ。ここは簡単に分解交換ができない部分ですので、まず亀裂を埋めて光線漏れを止めてからネジ径と同じ外径の球面状のアルミプレートを製作してねじ込み接着をしました。これで完全に光線漏れは防止しました。