今年の冬は寒いですね。筑波サーキットで落っこちた時の腰痛がつらいです。カメラ店様経由での修理ご依頼でPEN-Fをやっていました。特筆することもないので簡単に。。巻上げが異常に重く38mmf2.8の軽量レンズを装着時でもシャッターが止まります。典型的なフリクション増大と思いますのでメンテナンスをして行きます。
いつものように分解洗浄を終えてモルト貼りからやって行きます。
シャッターユニットの洗浄をします。この個体はチャージギヤのベベルギヤが一般的な鋼板プレス製ではなく真鍮の切削物が使われています。シリアルは#2948XXで、この頃に一時的に採用されたようで、過去にも確認しています。
切削ギヤは歯の当り面が大きく、動力の伝達性は良好ですが、巻き上げフィーリングに抵抗感が感じられるような・・
この頃のプリズムは保管条件もありますが腐食が出ていませんね。
テンションは分解前と同じにしてありますがレンズを装着して快調にシャッターが切れています。
このローライコートⅤはレンズの右側(撮影レンズ)を当ててしまって前カバーが陥没しており、シャッターレバーが動かなくなったということで修理ご依頼があったそうです。
分解前に点検をしていると・・あら、撮影レンズの前玉がポロッと落ちて来ましたよ。この状態で撮影されていたとのことです。ここは裏から締め込む構造なので前端が回転して緩んだとは考えにくい・・
問題はシャッターレバーが動かないこと。画像のような構造になっているのですべて分解をして前カバーのへこみを修正します。
問題は、この個体のシボ革は本革で、それが材質が風化していて、何度も剥離接着を繰り返したため、今回、再剥離をするとボロボロになって再接着は出来ないということ。観察するとすでに細かな部分を別革で追加してあります。
革に強度が無く、きれいに剥離することは困難です。これは新品と貼り替えることにします。
修正後、各リングを清掃とグリス塗布で組み上げたところ。摺動はスムーズで良好です。
残ったレンズを取り外します。シャッターのメンテナンスをしておきます。
レンズを清掃して組み立てます。回り止めのスチールボールをセットして裏から締め込む方式です。
フード内は比較的きれいです。しかし、スクリーンなどは汚れているので洗浄して組みます。
新しいシボ革を貼る前に、古いシボ革と接着剤をきれいに落としておきます。このタイプはシボ革の穴が多く、自作は大変なのでアキアサヒ製を使います。
ピント確認をしてこれで完成と思いましたら裏蓋の4脚がギッタンバッコンになっているので修正をして完成です。