今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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残念なマキノンMK-Ⅲkの巻

2014年07月07日 19時00分40秒 | インポート

Img_461249結果的に修理中止となってんですけどね。珍しいので簡単にUPしておきますね。このカメラ、フジカST-Fに似ていると思いましたら、マキナ光学が製造したマキノンMK-Ⅲというカメラみたいです。レンズ交換式ストロボ内蔵七眼レフ(すごいね)です。国内でも少量販売されたようですが、この個体は輸出されたもので、保護フィルムも貼られたままの、ほとんど使用されなかったと思われる個体です。カバー類はプラスチックで、チープな作りです。ストロボを手動で持ち上げると、回路の接点が離れた昇圧発光するようです。電池はグリップ内に単4が2本。しかし、機械式シャッターは作動するものの、露出計とストロボは発光しない。


Img_461544レンズはPKと入っていますね。PKマウントという意味でしょう。へぇ、ちゃんと一眼レフしていますね。シャッターは1/60以上で低速は省略されています。









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ほとんどフィルムは通していませんね。巻き戻し側にON/OFFスイッチとストロボの昇圧完了ランプがあります。









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こっちの画像の方が良くわかりますね。ストロボをポップアップすると換算表が貼られていますが、巻き戻しダイヤルが邪魔をして読みにくいですね。







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底部から。大きな昇圧コンデンサはここに入っていましたね。電気回路不動の原因は、電池室の接片を留める2本の樹脂ビスが長い時間の応力に負けて破断しています。絶縁の意味でしょうから普通の金属ビスは使えませんね。他のカメラでも、同様な目的で樹脂ビスが使われ、折れているのを経験したことがありますが、その時のビスよりネジ径がさらに細いので、これでは耐えられないでしょう。

Img_460033 レンズの方は、無限が来ずにヘリコイドが抜けてしまうとのお訴え。分解すると画像のストッパーピンが脱落したのがそもそもの原因です。









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そのままピンをセットしてねじ込んでも、ピンが干渉して入らない。そこで、滑り止めゴムリングを外して3本のイモネジを緩めようとした形跡があります。しかし、2本がねじロックを溶かさずに回したため、スリ割りが完全に無くなっています。画像は、無傷で残っていたイモネジを抜いたところ。





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破壊されたスリ割り。太いドライバーが使われたため、ねじ山も完全に破壊されていました。海外のヘボがやったのでしょうね。何もしなければ治ったものを・・。残念ですがオーナーさんのご意向により修理中止としました。カメラ本体は、そのうち部品が入手出来れば復活することも出来るでしょう。
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