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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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初期型ローライ35の巻

2024年03月01日 09時00分00秒 | ブログ

初期型ドイツ製のローライ35 #43217XX はコレクターさんから購入されたとのこと。特に大きな不具合はなく、この状態で使用して頂くのには全く問題はないと思いました。しいて言えば、レンズのチリ/沈胴緩い/ヘリコイドグリス硬化/低速不調/巻き上げ重い/などが気になりました。初期型ですのでギヤ類はすべて金属製です。分解洗浄をして注油します。

返って大きな故障がない個体のメンテナンスの方が難しいです。作業の前後で違いを出さなくてはなりませんからね。初期型ですから圧板はセンター板で固定されているタイプ。の抑えネジは殆ど緩んでいます。

 

シャッターのO/Hと同時に沈胴チューブを分離してフェルトの調整をしておきます。

 

ボディーのブラック塗装は以後のリングル塗装ではなく、普通のつや消し塗装です。ASAダイヤルに角が無いタイプ。

 

前玉を分離します。このユニットは分解歴はありません。ヘリコイドは非常に重い状態でしたが、ローライ35はセットしたピントが知らない間に動きやすいので硬めの調整をしますが、この個体の場合はグリスが変質して硬化している感じです。清掃をして入れ替えます。

初期型のユニットとしては良好な方ですが、後玉に細かな傷がありました。

 

 

初期型はブレードリングの形状が以後のものとは異なります。パーツリストのは以後のタイプ。

 

調整シムは個体によって入っている厚みが異なりますが、この個体は5枚(0.95mm)も入っています。

 

ほぼ組み立てた状態、基板上に絶縁シートを貼っておきます。

 

 

フィルムレールを取り付けて終了。

 

 

このへこみが無ければ良かったですが、すでに修正を受けています。この状態では手を入れることは出来ません。

 

メーターの透明樹脂ガラスはテープで貼られています。純正は接着ですのでやり直しておきます。

 

樹脂窓はかなり曇っています。研磨をしてから接着します。

 

 

裏蓋の内側も普通のブラック塗装です。これですと圧板のバネによる擦り傷が目立ちますね。それでリンクル塗装に変更されたものかも知れません。巻き戻しダイヤルを分離して清掃をします。

 

無限調整をして化粧リングを接着します。

 

 

気になるところはすべて改善させました。果たしてオーナーさんは違いを感じていただけるでしょうか。

 

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