昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (十二) 上機嫌

2015-04-26 09:49:19 | 小説
やっとの思いで解放された彼は、「彼女に、よろしくねえ!」と言う声を背にして、由香里の元に戻った。 由香里は上機嫌だった。 「いやだあ、彼女だって。ククク、デートだって分かるんだね」 「そうだな。じゃ、出ようか」 彼としては、一刻も早くこの場を立ち去りたかった。 何かの拍子に貴子が現れるのではないのか、と気が気ではなかった。 万に一つもあり得ないことなのだが、とに角デパートから離れたかった。 「 . . . 本文を読む

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