(五)
「ここでけの話ですがの、婿さん。
会社というもんは、儲かるもんですかいの?」
「バカタレが。
会社じゃから儲かるんじゃねえ!
婿さんじゃから儲けなさるんじゃ。」
「はは。まぁ、そういうことでしようか。」
「ふん、まともなやり方はしとらんわ。
そのうちに、手が後ろに……」
茂作の声を遮って
「お爺ちゃん!」
と、小夜子が茂作を叱った。
茂作の了見とは裏腹に、武蔵の評判はすこぶる良い。
それも当たり前のことで、大枚の寄付を村にしている。
しかもこの披露宴には、村民全員が招待されている。
足を運べぬ病人にたいしては、自宅に料理を運ばせた。
子供たちに対しても、チューインガムやらチョコレートやら、ついぞ見たことのない菓子類が配られた。
子供たちの目は爛々と輝き、あるものは口いっぱいに頬張り、
あるものはペロリペロリと舐め、あるものはしみじみと見つめている。
「また届けるから、大丈夫!」
武蔵の声に、大歓声が上がった。
「ここでけの話ですがの、婿さん。
会社というもんは、儲かるもんですかいの?」
「バカタレが。
会社じゃから儲かるんじゃねえ!
婿さんじゃから儲けなさるんじゃ。」
「はは。まぁ、そういうことでしようか。」
「ふん、まともなやり方はしとらんわ。
そのうちに、手が後ろに……」
茂作の声を遮って
「お爺ちゃん!」
と、小夜子が茂作を叱った。
茂作の了見とは裏腹に、武蔵の評判はすこぶる良い。
それも当たり前のことで、大枚の寄付を村にしている。
しかもこの披露宴には、村民全員が招待されている。
足を運べぬ病人にたいしては、自宅に料理を運ばせた。
子供たちに対しても、チューインガムやらチョコレートやら、ついぞ見たことのない菓子類が配られた。
子供たちの目は爛々と輝き、あるものは口いっぱいに頬張り、
あるものはペロリペロリと舐め、あるものはしみじみと見つめている。
「また届けるから、大丈夫!」
武蔵の声に、大歓声が上がった。
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