(五)
「子、子爵さまぁ? そ、そんなお方のご令嬢が……」
「けはは…。引っかかりましたな、正坊も。
もうこっちゃの殿御は、みんな引っかかりはるわ。けはは……」
大きく口を開けて、屈託なく笑うひとみ。
呆気にとられる正三、といってまるで腹が立たない。
むしろ特有のアクセントとも相まって、正三も笑ってしまった。
「坊ちゃん、ご機嫌のようで。」
「何ですか、このやせっぽちは。」
「坊ちゃんは、色気たっぷりの女が好みだろうに。」
「いいんだ、いいんだ。
たまには、茶漬けもいいさ。」
「茶漬けって、正坊!
そんな言われ方したの、初めてやわ!
やっぱり、いけ好かんたこやわ!」
ぷーっと頬を膨らませて、正三を抓りにかかった。
「おっと、そうそうやられてたまるか。」
と、ひとみを抱き寄せた。
「子、子爵さまぁ? そ、そんなお方のご令嬢が……」
「けはは…。引っかかりましたな、正坊も。
もうこっちゃの殿御は、みんな引っかかりはるわ。けはは……」
大きく口を開けて、屈託なく笑うひとみ。
呆気にとられる正三、といってまるで腹が立たない。
むしろ特有のアクセントとも相まって、正三も笑ってしまった。
「坊ちゃん、ご機嫌のようで。」
「何ですか、このやせっぽちは。」
「坊ちゃんは、色気たっぷりの女が好みだろうに。」
「いいんだ、いいんだ。
たまには、茶漬けもいいさ。」
「茶漬けって、正坊!
そんな言われ方したの、初めてやわ!
やっぱり、いけ好かんたこやわ!」
ぷーっと頬を膨らませて、正三を抓りにかかった。
「おっと、そうそうやられてたまるか。」
と、ひとみを抱き寄せた。
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