(六)
顔を赤らめながら、小声で言う。
その恥じらいは、まさに乙女のそれだった。
こちらもつられて、どぎまぎしてくる。
相手は人形だというのに、正視できなくなった。
目をそむけたままで、洋服の入った袋を手渡した。
「ご主人様、着せてください。」
なんてことを! 赤児ならばいざ知らず、立派な大人の女性に服を着せるなど。
できない! と手を振ると、悲しげな声で懇願してくる。
「お願いです、ご主人さま。
自分では着られないのです。
それとも裸姿をご希望ですか。」
「ば、馬鹿な。人が来たら、どうするんだ。」
やむを得ず、ぎこちない所作で服を着せにかかった。
肩に手を置かせてパンツをはかせ、バンザイをさせてシャツを着せて…。
懐かしい思いがこみ上げてきた。
幼い息子や娘に、こうやって着替えさせたものだ…。
不覚にも涙してしまった。
顔を赤らめながら、小声で言う。
その恥じらいは、まさに乙女のそれだった。
こちらもつられて、どぎまぎしてくる。
相手は人形だというのに、正視できなくなった。
目をそむけたままで、洋服の入った袋を手渡した。
「ご主人様、着せてください。」
なんてことを! 赤児ならばいざ知らず、立派な大人の女性に服を着せるなど。
できない! と手を振ると、悲しげな声で懇願してくる。
「お願いです、ご主人さま。
自分では着られないのです。
それとも裸姿をご希望ですか。」
「ば、馬鹿な。人が来たら、どうするんだ。」
やむを得ず、ぎこちない所作で服を着せにかかった。
肩に手を置かせてパンツをはかせ、バンザイをさせてシャツを着せて…。
懐かしい思いがこみ上げてきた。
幼い息子や娘に、こうやって着替えさせたものだ…。
不覚にも涙してしまった。
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