とにもかくにもざっと回覧に目をとおして、廃品回収の日付を確認した。
再来週の土曜日となっている。
そういえば、廃品回収ではにがい思い出がある。
なにが原因だったかは覚えていないけれども、些細なことからだったと思う。
その場をとりしきっていた男と口論となり、廃品の回収をきょひされてしまった。
たの人の取りなしで、持ちかえる事態はさけられたけれども。
以来、持ちだすのをやめた。
おかげで大量の新聞やらチラシがたまってしまった。
ちり紙交換車のアナウンスが聞こえたおりには、なにをおいても外にとびだして探したものだ。
ここではトラブルを起こさぬように、言動には気をつけねばとおのれに言い聞かせている。
「回覧ははやく回してください」と、うるさく言われている。
たしかになにかの行事があったとして、その開催日時後にとどいたのではなんの意味もなさない。
現に、そのようなトラブルが過去にあったらしい。
なので、その足で次の部屋へと回した。
ドアをノックすべきか? と迷ったけれども、出てこられては面倒だと郵便受けにさしこんで引き上げた。
明るいとはいっても、まだ早朝の六時ぐらいだ。
それなのに向かいにたつ棟の窓で、白い洗濯物がかぜにゆれている。
どこの洗濯機なのか、ゴーゴーと音も聞こえてくる。
年寄りの早起き? と思ったが、この団地の中には、若夫婦や中年夫婦も住んでいるはずだ。
いくらなんでも早すぎるのでは? と思うが、触らぬ神に祟りなしだ。
わたしの居るこの五棟だけが、うば捨て山のようにひっそりと年寄り連が居住している。
いや待て。ひっそりと、だと? そんなことはない。
毎日まいにちどこかしらから、幼い子どもたちの歓声が聞こえてくるではないか。
年寄りといえども、いや昨今の年寄りは、とにかく元気なのだ。
わたしにしても毎日の家事には、CDの音楽をながしている。
そうか、このことも、あの「お洒落さん」に関係しているのかも。
ながす音楽では、むかし懐かしいエルヴィス・プレスリーや、六十年代のロックミュージック等が多い。
友人のひとりに「変な奴」と言われるのだけれども、どうにもビートルズが好きになれない。
あのミリタリールックなる、わたしにいわせればへんてこりんな服装はいただけない。
ただ最近になって、気になる楽曲をみつけた。
「ガール(?)」「ミシェル」そして、そしてタイトルの分からぬ「エビナハード」と聞こえる歌が、だ。
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