「これ、これ。先ず、先生でしょうが」
母親のたしなめる言葉に、ペロリと舌を出しながら
「先生、早く食べてよ。由香里、食べられないよお」
と、彼の目の前に差し出した。
苦笑いをしながら彼は、「分かった、分かったよ」と、受け取った。
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何とか八時前に帰り着いた彼を、両親揃って玄関前で待ち受けていた。
「きっと、外で待ってるよ」という、由香里の予想通りだった。
過保護だとは思っていたが、父親までもが待ち受けているとは、彼の想像外だった。
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「タケシさん、キスして!」
毅然とした声だった。意を決しての、言葉だった。
由香里にしてみれば、約束手形のようなものだった。
今はまだ、彼に抱かれるだけの勇気はない。
しかし、"初体験は、彼で"という思いを強くした。 . . . 本文を読む