人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

バッハ・コレギウム・ジャパン第104回定期演奏会を聴く~ルター派のミサ曲

2013年09月24日 07時00分20秒 | 日記

24日(火)。昨日の日経朝刊「文化欄」に都市鳥研究会幹事・金子凱彦さんの「今年も銀座にツバメが」というエッセイが載りました。長い間、銀座でツバメを観察してきた経験から得た意外な事実が紹介されています

「ツバメは人の気配がないところでは巣を作れない特殊な鳥なのだ 通常、野生動物にとって最大の天敵は人間。逆に言えば、ツバメは人間の懐に入り込むことで、カラスなど他の天敵から身を守っているのだ 『ツバメが巣を作る店は商売が繁盛する』と言われるが、そうではなくて、人の出入りの多い店に好んで巣を作るということである

そう言えば、ツバメって人の出入りする家の軒先によく巣を作っていたよな、とあらためて思い出しました。生存競争の激しい中、生きるための知恵なのでしょうね

ところでプロ野球界(セリーグ)では22日に読売ジャイアンツがリーグ優勝を飾り、ツバメ(ヤクルト・スワローズ)は最下位の6位に沈んでいます。ツバメ球団で唯一明るい話題はバレンティン選手が王貞治選手のホームラン記録(55本)を抜いて世界記録を更新中だということです 最下位チームで唯一人、5チームのピッチャーを相手に「ツバメ返し」で記録を切りまくっています 首位巨人を猛追していた我らがタイガースは遂に2位のままクライマックスシリーズに突入することが決まりました。「遅いぞ、武蔵」と言われても仕方ありません

 

  閑話休題  

 

昨日、初台の東京オペラシティコンサートホールでバッハ・コレギウム・ジャパン(B,C.J)の第104回定期演奏会を聴きました プログラムは、①J.S.バッハ「幻想曲とフーガト短調BWV.542」、②同「ミサ曲ト長調BWV.236」,③ドゥランテ「キリエⅠ」、バッハ「クリステ・エレイソン」、ドゥランテ「キリエⅡ」、④バッハ「サンクトゥス ト長調BWV.240」、⑤同「サンクトゥス ホ長調BWV.241」、⑥バッハ「ミサ曲ト短調BWV.235」です

 

          

 

開演前には、いつものように1,000円でプログラムを購入して、40ページにわたりびっしり書かれた曲目解説を必死に読みました。30分ではとても読み切れないので、20分の休憩時間に続きを読みますが、私はこれほど充実したプログラムを知りません

開演前まで開いていた舞台の天上の大きな三角窓が閉じられ、照明だけで会場の明るさを保ちます 私の会員席は1階センターブロックやや後方の右通路側なのですが、自席の左側席が5~6席空いています。新年度に入って定期会員が減っているのではないかと懸念します 

2階のパイプオルガン席に鈴木優人が登場し、バッハの「幻想曲とフーガ ト短調BWV.542」が厳かに始まります 恐らく、今から280年くらい前に作曲されたオルガン曲が会場を満たします。この時ばかりは、多くの人がにわかクリスチャンになって荘厳な響きに耳を傾けます

拍手の中、B.C.Jのオーケストラ・メンバーが、次いでコーラス陣が、最後に白髪の鈴木雅明が登場します

鈴木雅明の合図でミサ曲ト長調BWV.236が開始されます。B.C.J常連のソリスト、ソプラノ=ハナ・ブラシコヴァ、カウンター・テナー=ロビン・ブレイズ、テノール=ゲルト・テュルク、バス=ペーター・コーイはこの日も健在です バックを務めるオーボエの三宮正満も、コンマスの若松夏美も絶好調です

休憩時間が終わり、第2部の開始に当たって、鈴木雅明がマイクを持って登場、次の曲を解説しました

「次に演奏するのはドゥランテ(1684-1755年)という人が書いたキリエ2曲の間にバッハ(1685-1750年)が編曲したクリステ・エレイソンを挟んだ曲です。バッハが作曲したわけではないのですが、キリエはバッハが演奏した作品であることが分かっています

そして演奏に入りましたが、ドゥランテの「キリエⅠ」のメロディーを聴いていると、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲のメロディーを想い起しました

次のバッハ「サンクトゥス ト長調BWV.240」と「サンクトゥス ホ長調BWV.241」はバッハが作曲したのではないかも知れない曲とのことでしたが、実際に聴いてみるとバッハでなければ誰が作曲したのか?と言いたくなるほどバッハらしい曲でした

最後の「ミサ曲ト短調BWV.235」もソリスト、合唱ともに絶好調で、聴衆を魅了しました

ところで、この日のプログラムは「ルター派ミサ曲1」と銘打っています。マルティン・ルター(1483-1546年)は宗教改革によってローマ教会の伝統的な礼拝の形式を根本的に変えました まず、説教が礼拝の中心となり、教会の言語であるラテン語に代えて、民衆の言葉であるドイツ語を用いました。聖書朗読や会衆歌もドイツ語としました

バッハの頃まで、「キリエ」と「グローリア」の2つの部分から成る教会音楽を「ミサ曲」と呼んでいました。この日演奏された2つの「ミサ曲」もその形式によっています

会場の後方席を中心に空きが目立つのは寂しい限りですが、バッハの音楽だけを聴くために毎回1,000人以上の人々が集まるのですから、考えようによっては凄いことだと思います それでもなお、世界的にも評価の高いB.C.Jのコンサートに空きが出るのは納得できないし、もったいない話だと思います

 

          

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