19日(木)。昨日の日経夕刊「生活・ひと」欄に歌手ジュディ・オングのインタビュー記事が載っていました 今90歳の父、86歳の母を持つ彼女は「両親の笑顔のために今日という日を一生懸命に生きる、そして親が望むことを一生懸命にやることが親孝行だと思います」と語っています
いま、両親のない私にとっては身につまされる思いです
ところで、ジュディ・オングといえば、中学生の時に思い出があります。1年生の時の担任はTという英語の男性教師でしたが、なぜか芸能界で活躍しているジュディ・オングの知り合いで、「だれかジュディ・オングと英語で文通しない?希望者は申し出てくれれば仲立ちをしてあげるよ」と言っていました 手を挙げようかと思ったのですが、田舎の中学生が、芸能界で脚光を浴びる都会の彼女に、いったい英語で何を書けばいいのか見当もつかなかったので思いとどまりました
結局、だれも”志願”しなかったようで、先生は「ざ、ざんねん
」と下を向いていました。あの時、彼女と文通していたら今ごろどうなっていたろうか・・・・・と思って、一人ニヤニヤしている今日この頃です
閑話休題
17日の日経朝刊「文化欄」に音楽ジャーナリスト・林田直樹氏が「巨匠の響き 戦後ラジオに~クラシック音楽の貴重な録音218点を発掘・紹介」と題するエッセイを書いています 記事を要約すると、
「1950年代、1日に6本ものクラシック音楽番組を流す民放ラジオ局があった ラジオ東京(現TBS)である。専属オーケストラとして東京交響楽団を抱え、海外の一流音楽家も次々と招聘した。ピアノのケンプとバックハウス、ヴァイオリンのハイフェッツ、チェロのロストロポーヴィチ、指揮者のアルヴィド・ヤンソンス(マリスの父)、カザルス(チェロの巨匠)など
ユニークなものでは、ウィーン・フィルの元コンサート・マスター、ワルター・バリリが中学生時代の前橋汀子らにヴァイオリンを指導する模様がある バリリ氏は92歳の今も元気で、今回の発見を大変喜んでくれた。これらの録音から感じられるのは『伝えようという強い意志』だ。演奏会は、はるばる訪れた日本で音楽の素晴らしさを伝える気迫と、外国からの客人を歓迎する雰囲気に満ちている
TBSが運営するインターネット放送局OTTAVAの特別番組でオンデマンド配信しているほか「TBS VINTAGE CLASSICS」と題してCDも出し始め、最終的には数十枚に及びそうである」
ラジオ東京の新音源発見のニュースは、9月6日の当ブログで取り上げました そこで「商魂たくましい放送局だから、『往年の巨匠による来日公演ライブシリーズ』などと銘打ってCD化するのではないか」と書きましたが、タイトルこそ異なるものの、その通りになりました
記事に出てくる「東京交響楽団」は、現在ミューザ川崎に本拠地を置く東京交響楽団のことです 元々は1946年に「東宝交響楽団」として設立され、1951年に「東京交響楽団」と改称されました。その後、1964年にTBSとの専属契約を打ち切られて経営が破たんし、財団法人を解散、楽員の自主管理によりオーケストラを運営することで再出発しました
その後、1980年に財団法人として再び認可を受け、現在に至っています。1964年から2004年まで秋山和慶が音楽監督及び常任指揮者を務め、現在は桂冠指揮者を務めています
現在オーケストラ、オペラ等8つ定期会員になっていますが、そのうち3つが東京交響楽団です(サントリーシリーズ、オペラシティシリーズ、ミューザ川崎名曲全集)
この音源の価値は”ライブ録音”であるところです このうちケンプとバックハウスは共にベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第5番”皇帝”」を弾いているとのことですが、林田氏によると、ケンプの演奏の方は”唸り声を含む激しいもの”ということです。是非聴いてみたいと思います