2日(日).わが家に来てから今日で1005日目を迎え,今日 投開票が行われる東京都議会議員選挙の期日前投票が2013年の前回よりも増え,前回同期の1.44倍に達したというニュースを見て感想を述べるモコタロです
期日前を含めて投票率が高くなると 無党派層が動くので困る政党があるようだね
ご主人はこれから近所の小学校を占拠しに もとい選挙の投票に行くと言ってたよ
昨日,初台の新国立劇場小劇場で同劇場オペラ研修所試演会,ガッツァニーガ作曲 歌劇「ドン・ジョバン二」を聴きました 出演は研修所第18期生,19期生,20期生が中心です
ピアノは石野真穂,高田絢子,チェンバロは岩淵慶子,指揮は同研修所音楽主任講師の河原忠之,演出は同研修所講師の久恒秀典です
ジュゼッペ・ガッツァニーガ(1743.10.5~1818.2.1)はイタリアの作曲家で,このオペラ「ドン・ジョバンニ」はジョヴァンニ・ベルターティの台本により1787年2月に初演されました.モーツアルト(1756.1.27~1791.12.5)がダ・ポンテの台本で「ドン・ジョバンニ」を作曲(1787年10月初演)する際に参考にした(あるいはダ・ポンテが台本を作成する際にベルターティの台本を参考にした)と言われています したがって,ストーリーはモーツアルトの「ドン・ジョヴァンニ」とほとんど同じです
「ドンナ・アンナ(斎藤真歩)を誘惑しようとして失敗したドン・ジョヴァンニ(水野優)は,彼女の叫び声を聞きつけて追ってきた父親の騎士長(氷見健一郎)を殺害してしまう ドンナ・アンナと婚約者のオッターヴォ公爵(濱松孝行)は復讐を誓う.ドン・ジョヴァンニはその後も まったく改心せずドンナ・エルヴィーラ(宮地江奈),ドンナ・ヒメ―ナ(平野柚香),マトゥリーナ(一條翠葉)などを相手に女性遍歴を続けるが,自分の屋敷で食事中に騎士長の石像が現れ,奈落の底に引きずり込まれる
」
登場人物でモーツアルトとガッツァニーガとで異なるのは,モーツアルトでの「レポレッロ」がガッツァニーガでは「パスクワリエッロ」に,「マゼット」が「ピア―ジョ」に,「ツェルリーナ」が「マトゥリーナ」に名前が変わっていることと,モーツアルトのドン・ジョバンニはバリトンが歌うのに対し,ガッツァニーガではテノールが歌うところなどです
自席はD1列14番,右ブロック左通路側です.会場はほぼ満席です ステージ手前のオーケストラ・ピットにはピアノ2台,チェンバロ1台がスタンバイします
指揮の河原忠之が登場し演奏に入ります
モーツアルトの「ドン・ジョバンニ」と違い,序曲らしき音楽はありません.穏やかな音楽で始まり,パスクアリエッロ(レポレッロ)が出てきて「もういい加減,こんなご主人に仕えるのは嫌になった」と歌います その後はモーツアルトと同様のストーリーです
第1幕で面白く聴いたのはパスクアリエッロ(レポレッロ)の「カタログの歌」です モーツアルトのあまりにも有名な「カタログの歌」を知っている聴衆の一人として,もう一つの「カタログの歌」を楽しく聴きました
19期生のバリトン高橋正尚は歌唱力に優れ 演技力もあって素晴らしいと思いました
長い長いトイレットペーパーのようなカタログをドアからドアに延長していく演出も楽しめました
第1幕終盤でのドンナ・エルヴィーラとマトゥリーナによる「誹謗中傷歌合戦」も楽しく聴けました.まるでモーツアルト「フィガロの結婚」におけるスザンナとマルチェリーナの”譲り合いの二重唱”を聴いているようでした
ドンナ・エルヴィーラを歌った宮地江奈は研修所公演「コジ・ファン・トゥッテ」でフィオルディリージを歌った人ですが,歌唱力,演技力とも優れた美しいソプラノです
マトゥリーナを歌った一條翠葉は声量があり 出演者の中で一番声が通っていたと思います
ドン・ジョバンニを歌った水野優はほとんど出ずっぱりで頑張っていましたが,主役のドン・ジョバンニを歌うにはやや貫禄不足かなと思いました
まだ若いから仕方ないのですが
今回初めてガッツァニーガの「ドン・ジョヴァンニ」を聴いてあらためて感じたのは,モーツアルトの天才性です それぞれの登場人物の性格や心理状況を表すアリアや重唱における音楽は,モーツアルトがいかに天才であったかを示しています
ほぼ同じ時期に書いた同じ内容のオペラなのに,それに付けた音楽は天と地ほどの違いがあり,モーツアルトに比べたら,ガッツァニーガのオペラは単なる馬鹿騒ぎのようにさえ思えます
モーツアルトがコンスタンツェとお酒を飲んでおしゃべりしながら一晩で書いたと言われる7分程のデモーニッシュな「序曲」は,ガッツァニーガの全幕100分程のオペラを大きく凌駕しています
そういうことを分からせてくれただけでも,今回の公演は素晴らしい企画でした
本日,toraブログのトータル閲覧数が290万PVを超えました これもひとえに普段からご覧いただいている読者の皆さまのお陰と感謝申し上げます
これからも1日も休まず書き続けて参りますので,モコタロともどもよろしくお願いいたします