16日(日).昨日の日経朝刊「東京・首都圏経済欄」の「ぐるっと首都圏」コーナーで「新国立劇場」が取り上げられていました 日本で唯一の専用オペラハウスといわれる新国立劇場ですが,1997年に渋谷区初台の旧通産省東京工業試験所跡地に誕生してから今年秋でちょうど20年目を迎えるとのことです 記事は「充実した舞台設備や上演内容の向上により,世界の一流オペラハウスに次ぐレベルになったと評価する専門家は多い」と書いています 今でこそ そうかも知れませんが,20年前にこの建物が完成した時の評判は散々だったと記憶しています
大・中・小と3つある劇場のうち一番大きな「オペラ劇場」は約1800席ありますが,「これだけ広い敷地なら,先進諸国のオペラハウスのように もっと多くの収容人数が可能な劇場が出来たはずだ」とか,「建物に入ってからオペラ劇場に入るまで,建物内をぐるっと回らないとたどり着けない.何と無駄なスペースを取っているのか」といった批判が多く聴かれたように思います あの時の批判は今どうなっているのか? 今 世界的に誰もが認めざるを得ないのは,施設よりも専属の合唱団「新国立劇場合唱団」だろうと思います
ということで,わが家に来てから今日で1019日目を迎え,7月に入り 関東地方では連日厳しい暑さが続き,30度以上の「真夏日」が東京都心で過去5年間の平均日数の2倍に達したというニュースを見て感想を述べるモコタロです
幸いボクの部屋は1日中クーラーが入っているから快適な毎日を過ごしているよ
11月28日(火)午後7時から紀尾井ホールで開かれる「エリソ・ヴィルサラーゼ&アトリウム弦楽四重奏団」公演のチケットを取りました プログラムは①モーツアルト「ピアノ四重奏曲第1番K.478」,②ショスタコーヴィチ「ピアノ五重奏曲ト短調」,③シューベルト「弦楽四重奏曲第12番ハ短調”四重奏断章”」,④シューマン「ピアノ五重奏曲変ホ長調」です 一晩でこれほど豪華なプログラムのコンサートも珍しいのではないかと思います すでに「同ホール友の会」優先発売で1階センターブロックはすべて押さえられ,左ブロック後方を辛うじて押さえました
昨日,午後2時からすみだトリフォニーホールで新日本フィルの第576回トパーズ定期演奏会を,午後6時からミューザ川崎で東京交響楽団の第652回定期演奏会を聴きました 今日は新日本フィルのコンサートについて書きます.プログラムは①イベール「寄港地」,②サン=サーンス「ピアノ協奏曲第5番ヘ長調”エジプト風”」,③ショーソン「交響曲変ロ長調」です ②のピアノ独奏はパスカル・ロジェ,指揮は秋山和慶です
オケの面々が登場し配置に着きます.オケは左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスといういつもの編成です コンマスは西江王子.自席からは第2ヴァイオリン奏者・篠原英和氏,すぐ近くに松崎千鶴さんの姿がよく見えます 今回は今シーズン最後のトパーズ・シリーズ公演.今回で1階13列12番の指定席ともお別れです 次シーズンはアフタヌーン・シリーズに移り,席が変わります
1曲目はイベール「寄港地」です.この曲は,若手作曲家の登竜門「ローマ大賞」を受賞したイベールが1920~22年にローマ留学した際に,その留学の提出作品として1922年に作曲されました.第1曲「ローマ - パレルモ」,第2曲「チュニス - ネフタ」,第3曲「バレンシア」から成ります
東京交響楽団を40年間率いた実績を持つ秋山和慶氏が指揮台に上がり,第1曲が開始されます 冒頭フルートの独奏で第1主題が奏でられますが,首席の白尾彰の演奏が冴えわたります この曲で一番印象に残ったのは第2曲におけるオーボエ首席・金子亜未のエキゾチックな演奏です 第3楽章はスペインの港町を描いているだけあって,カスタネットなどのリズムが鮮やかな軽快な音楽が展開します
2曲目はサン=サーンス「ピアノ協奏曲第5番ヘ長調”エジプト風”」です サン=サーンスは世界各地を旅行したようで,このピアノ協奏曲の愛称となる「エジプト」も彼が好んだ国だったようです ただし,この愛称はサン=サーンスが付けたものではありません.第2楽章の主題がエキゾチックで いかにもエジプト風に聴こえるからです この曲は第1楽章「アレグロ・アニマート」,第2楽章「アンダンテ」,第3楽章「モルト・アレグロ」から成ります
パリ生まれ,パリ音楽院を首席卒業,1971年のロン=ティボー国際コンクール優勝のパスカル・ロジェが登場,ピアノに向かいます 秋山和慶の指揮で第1楽章が開始されますが,一番の聴きどころは第2楽章「アンダンテ」です.まさに,フランス人ピアニストが フランス人作曲家によるエジプト風のエキゾチックな曲を演奏するといった趣です
会場いっぱいの拍手に,ロジェはエリック・サティの「グノシュエンヌ第3番」をメランコリックに演奏し,再度拍手喝采を浴びました
なお,この曲を聴くにあたり,ジャンヌ=マリー・ダルレのピアノ独奏,ルイ・フレスティエ指揮フランス国立放送管弦楽団のCD(1955年録音)で予習しておきました
休憩後はショーソン「交響曲変ロ長調」です ショーソンと言えば 最近その価値を知りCDを買った「ヴァイオリン,ピアノと弦楽四重奏のためのコンセール」を思い浮かべます ショーソンは1879年にパリ音楽院のマスネの作曲科クラスに入り,フランクにも師事したのですが,その年に訪れたバイロイトでワーグナーに心酔しました したがって,彼の作品にはワーグナーの影響が表れています この曲は第1楽章「ラン~アレグロ・ヴィヴァーチェ」,第2楽章「トレ・ラン」,第3楽章「アニメ」から成りますが,第1楽章冒頭を聴いた限りでは,まさにワーグナーの影響をもろに受けていると感じます ただ,その後は,ワーグナーから離れ,むしろマスネなどフランス音楽の影響を受けているのではないかと思われる曲想が展開します
新日本フィルは秋山和慶氏の指揮のもと,弦楽セクション,管楽セクション,打楽器セクションを問わず,渾身の演奏を展開し色彩感豊かにショーソンの世界を描き出しました
この後,錦糸町 ⇒ 秋葉原 ⇒ 新橋経由で川崎まで移動し,午後6時からジョナサン・ノット指揮東京交響楽団によるマーラー「交響曲第2番」他を聴きました その様子は明日のブログでご報告します