30日(日).わが家に来てから今日で1033日目を迎え,安倍首相が28日 首相官邸でジャーナリストの田原総一朗氏と約1時間会談し,田原氏が首相に「政治生命をかけた冒険をしないか」と首相に言ったが,首相は前向きな反応を示した というニュースを読んで感想を述べるモコタロです
「冒険」の具体的な内容は明かさなかった まさか”政治生命”保険を導入しろとか?
昨日,ミューザ川崎シンフォニーホールでNHK交響楽団の「プリンセス・オン・クラシックス」公演を聴きました これはフェスタサマーミューザの一環として開かれたコンサートです
プログラムは①ディズニー「ファンタズミック!」からメイン・テーマ,②チャイコフスキー「眠りの森の美女」からワルツ,③交響組曲「ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁」から」「序曲のマーチ」「王宮のトランペット」「愛の旋律」「戦火を交えて~不死身の敵に挑む」「結婚ワルツ」,④ディズニー「ファンティリュージョン!」,⑤同「アラジン」から「ア・ホール・ニュー・ワールド」,⑥ミュージカル「エリザベート」から「私だけに」,⑦J.ウィリアムズ「雅の鐘」,⑧ホルスト:組曲「惑星」から「木星」です
当初,3番目に「スーパーマリオブラザーズ」メドレーが演奏予定でしたが,取りやめになり,代わりにドラゴンクエストⅤに2曲が加えられ,上記の5曲となりました ⑤の二重唱は新妻聖子,津田英佑,⑥の独唱は新妻聖子です.管弦楽=NHK交響楽団,指揮=渡邉一正,司会=元フジテレビ・アナ,現在フリーアナウンサーの平井理央です
午後4時からの本番に先立って3時から同じホールで室内楽コンサートが開かれました 私にとってはこっちの方がメインです
最初は管楽五重奏による「セレクション フロム サウンド オブ ミュージック」です 演奏はフルート=中村淳二,オーボエ=池田昭子,ホルン=野見山和子,ファゴット=宇賀神広宣,クラリネット=松本健司という若手メンバーです
ミュージカル映画「サウンド オブ ミュージック」から「ドレミの歌」をはじめとするお馴染みの曲がメドレーで楽しく演奏されました
この映画は素晴らしいですね ミュージカルにもなったし(もともとミュージカル映画ですが),ジャズにも編曲(「マイ・フェイバリット・シングス」)されています
約30年前の春,私的な旅行でザルツブルクに行った時,ザルツカンマーグートをはじめ映画の舞台となったいくつかの場所を訪ねましたが,演奏を聴いていたらその時の思い出が蘇りました
2曲目は弦楽四重奏によるハイドンの「弦楽四重奏曲第74番”騎士”」です 「騎士」というニックネームは,第4楽章で演奏されるチェロの力強い演奏が,馬が駆け出すときの勇ましい様子を連想させるからだと言われています
演奏は,第1ヴァイオリン=高井敏弘,第2ヴァイオリン=横島礼理,ヴィオラ=中村洋乃理,チェロ=西山健一です
時間の関係で第1,2,4楽章が演奏されましたが,ハイドンらしい様式感のある明快な音楽でした
さて本番です.会場は文字通り満席です ステージを聴衆が取り囲むミューザ川崎の満席は壮観です
ステージを見渡すと,左サイドにピアノとハープ2台が置かれています
楽員が入場し配置に着きます.ステージ後方にはマイクが3本立てられています.収録して後で放送するのでしょうか? N響定期公演ではコンマスが入場しても拍手が起こらないのですが,このフェスタでは マロこと篠崎史紀氏が入場すると大きな拍手が起こりました 弦は左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスといういつものN響の編成です
指揮者の渡邊一正が登場し1曲目のディズニーの「ファンタズミック!」メイン・テーマの演奏に入ります 「ファンタズミック!」はアメリカのディズニーでは1992年にスタートしたミッキーマウスをはじめ様々なキャラクターが登場する人気のショーとのことで,そのオープニング曲がメイン・テーマです
フル・オーケストラの大音響が会場を満たします.聴き慣れない小学生はビックリしたかも
2曲目のチャイコフスキー「眠りの森の美女」は,「白鳥の湖」「くるみ割り人形」を加えたチャイコフスキーの「三大バレエ曲」の一つです その中から「ワルツ」が演奏されます
「ワルツ」と言えば「くるみ割り人形」の「花のワルツ」が有名ですが,このワルツも優雅で楽しい音楽で,チャイコフスキーが稀に見るメロディー・メーカーであることが良く分かります
とても優雅な演奏でした
3曲目の交響組曲「ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁」は,ゲーム音楽の改革者と言われる作曲家・すぎやまこういち氏による音楽です その「天空の花嫁」から「序曲のマーチ」「王宮のトランペット」「愛の旋律」「戦火を交えて~不死身の敵に挑む」「結婚ワルツ」が演奏されます
「序曲のマーチ」と「戦火を交えて~」では勇壮な音楽が展開します
「王宮~」ではトランペット・ソロのメランコリックな曲想が印象に残ります
「愛の旋律」では,フルートの独奏,そしてコンマスの独奏による美しい演奏が印象的でした
最後の「結婚ワルツ」はチャイコフスキーとヨハン・シュトラウスを足して2で割ったような華麗な音楽でした
これでプログラム前半は終了です
プログラム後半は,ディズニーの「ファンティリュージョン!」で開幕します 「ファンティリュージョン!」は東京ディズニーランドでは1995年~2001年に行われていた夜のパレードとのことです
N響はキラキラ光る音楽を奏でます
次にミュージカルで活躍中の新妻聖子と津田英佑のデュエットによりディズニーの「アラジン」から主題歌「ア・ホール・ニュー・ワールド」が歌われます この作品は青年アラジンとヒロインのジャスミン,そして魔法のランプに住むジーニーが活躍する物語です
新妻聖子はブルー系の華やかなドレスで歌いますが,二人はおそらくミュージカル公演でそうしているように,正面だけでなく,舞台の左右席やP席の方を向いて歌ったりしてサービス精神を発揮していました
新妻聖子だけがステージに残り,ミュージカル「エリザベート」から第1幕でのエリザベートの「私だけに」を歌います この作品はミュージカル界のヒット作で,19世紀に実在したオーストリア帝国の皇后エリザベートを主人公とした作品です
低音から高音まで魅力のある声で聴衆を魅了しました
ミュージカルですから当然なのですが,二人はマイクを使って歌いました 二人の歌を聴きながら思ったのは,マイクを使わず地声で4階,5階席まで届くように歌うクラシックの声楽家は本当に凄いんだな
という事です. 二人によって歌われた歌は,マイクがなければオーケストラの大音響で掻き消されていたでしょう
しかし,ここは,ミュージカルの一部を聴いているのだと割り切って聴く必要があります
次に演奏されるJ.ウィリアムズ「雅の鐘」は,1993年にボストン・ポップス管弦楽団が披露した金管楽器と打楽器による曲で,皇太子と雅子妃の結婚を祝って管弦楽用に編曲された作品です 冒頭部分は多少「和のテイスト」を感じさせる音楽でしたが,すぐに「スターウォーズ」ばりの大管弦楽曲に変わりました
最後の曲はホルストの組曲「惑星」から「木星」です この曲の中間部は「ジュピター」として平原綾香が歌ってポピュラーになりました
まさに宇宙的な広がりを感じる演奏でした
アンコールに,メンデルスゾーンの「夏の夜の夢」から「結婚行進曲」が華々しく演奏され,1時間40分のコンサートを締めくくりました
コンサートゴア―の一人として,N響には正統的クラシック音楽で勝負して欲しいと思うのですが,この日の聴衆を見渡すと親子らしき姿が少なからず見られたので,近い将来のクラシックの聴衆を開拓するという意味では「脱クラシック路線」もアリかな,と思ったりしました さらに言えば,この日の演奏はプレコンサート=クラシックの室内楽(30分)と本番=脱クラシック(休憩を除き80分)のセットでN響コンサートだったのかな,と思いました