人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

児玉清著「ひたすら面白い小説が読みたくて」を読む~何か面白そうな本はないか?とお探しの人にお薦めします

2017年07月29日 07時47分51秒 | 日記

29日(土).わが家に来てから今日で1032日目を迎え,稲田防衛相が辞任を表明した同じ日に,民進党の蓮舫代表が辞任を表明したというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      二人の共通点は  辞めるのが遅すぎたということ ぼくは何も役職ないから楽だよ

 

                                           

 

昨日,夕食に「さっぱりトマトのバンバンジー」「生野菜とアボカドのサラダ」「まぐろの山掛け」「冷奴」を作りました   「バンバンジー」は鶏ささみ肉を使いました.さっぱりして夏には良いですね

 

     

 

                                            

 

児玉清著「ひたすら面白い小説が読みたくて」(中公文庫)を読み終わりました   児玉清さんは1934年東京生まれ.学習院大学文学部ドイツ文学部科を卒業後,第13期ニューフェイスとして東宝映画に入社.数多くの映画・テレビドラマに出演する.芸能界きっての読書家として知られ,NHK BS放送「週刊ブックレビュー」の司会者も務めた.2011年5月死去

 

     

 

この本は,児玉清さんが書いた文庫解説を集めたものです   東西のミステリーから時代小説まで42作品を取り上げています.この本を読みながら一番感じたのは「NHK BSの週刊ブックレビューで,取り上げられた本について前のめりで熱弁をふるう児玉さんの姿が目に浮かぶようだ」ということでした

「週刊ブックレビュー」は1991年4月から2012年3月まで続いた書評番組ですが,児玉さんは1993年から2010年まで司会を務めました   観るに堪えないお笑い番組ばかりが跋扈するテレビ界の中で,唯一 私が毎週楽しみにしていた極上の番組でした

児玉さんの文章には大きな特徴があります.それは「あなただけに語りかけるような文章」です   この本に収められた文章は文庫本の「解説」なわけですが,どれを取っても,つい買ってみたくなるような語り口で書いているのです  

一例を挙げてみましょう.有川浩著「阪急電車」の解説は次のように始まります

「さあ,この電車に乗りましょう.楽しい出逢いに満ちた阪急電車に!それも今津線に! 面白い本が読みたくて,ねんがらねんじゅう本屋さんをウロウロしている僕にとって,有川浩さんぐらい有難い作家はいない.とにかくめっちゃ面白い本を書いてくれるからだ   しかも,ここが肝腎要なところだが,どの本もめっちゃ面白く,毎回その発想の妙と意表を衝くといった展開に驚き,新しい目を見開かされるばかりか,わかりやすい美しくも見事な独自の筆致でリズミカルにごく自然に物語の醍醐味を満喫させてくれる技の冴えにうっとりしてしまうのだ   となれば,そう,僕にとって有川さんは日々拝みたくなるようなエンターテインメントの神さまみたいなものだ

この文章を見たら,思わず「この本を読んでみたい」と思いませんか.かく言う私は買いました   児玉さんの書かれた通りの面白い本でした

「週刊ブックレビュー」が,週替わり司会者の書棚を紹介する回がありました.その時,児玉さんの「書庫」も紹介されたのですが,部屋一面の書棚に並んだ原書の数々に驚きました   番組の中でも,まだ翻訳されていない欧米の作品は原書を取り寄せて読んでいると話されていましたが,決して嘘ではありませんでした   児玉さんが夢中になって読んでいたのは,トム・クランシー(この本では「容赦なく」「合衆国崩壊」「レインボー・シックス」「大戦勃発」が紹介されている),ジョン・グリシャム(同「パートナー」「依頼人」「ペインテッド・ハウス」),そしてネルソン・デミル(同「王者のゲーム」)の3人でした   この3人の作品を紹介する文章は一段と熱が入っています   どの作品でも児玉さんは,小説の主人公に成りきって読んだことを告白しています

番組で紹介された作品で私が買い求めたものは数多くありますが,ジェフリー・ディーヴァー(「監禁」「ウォッチメイカー」),アダム・ファウアー(「数学的にありえない」)などは忘れられません

本屋さんに行って,「何か面白い本はないかな?」とクルージングしている人は,まずこの本を手に取って読んでから,買うべき本を絞り込んでは如何でしょうか.強くお薦めします

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