人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

METライブビューイングでガーシュイン「ポーギーとべス」を観る ~ エリック・オーウェンズ、エンジェル・ブルー、ゴルダ・シュルツ、フレデリック・バレンタインにブラボー!

2020年04月04日 07時12分53秒 | 日記

4日(土)。東京交響楽団のホームページによると、3月28日に予定していた第678回定期演奏会(マタイ受難曲)を延期し、8月13日(木)にミューザ川崎で開催するとしていたが、関係各所と交渉の結果、同日午後7時からサントリーホールで開催することとなったとしています なお、ソリストはソプラノの森麻季さん以外の歌手は未定で、決まり次第ホームページ、SNS等で公開するとしています

ミューザ川崎シンフォニーホールのホームページによると、7月23日から8月10日まで開催予定の「フェスタサマーミューザ2020」のチケット発売日(一般発売4月27日、WEB先行発売4月21日、友の会先行発売4月15日)を約1か月をめどに延期するとしています

ということで、わが家に来てから今日で2013日目を迎え、菅義偉官房長官は3日の閣議後の記者会見で、布マスクの配布について二世帯住宅など一住所に複数世帯が入居する場合は追加配布すると語った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       アベノミクスだったら大盤振る舞いだけど  アベノマスクだから仕方ないのか?

     

         

 

昨日、夕食に「筑前煮」を作りました 鶏肉と野菜が材料なのでヘルシーで美味しいです

 

     

 

         

 

昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、ガーシュイン「ポーギーとべス」を観ました 前日、同映画館のホームページを見たら5日(土)と6日(日)は休館すると書かれていたので、急きょ昨日 観ることにしたのです 7階「シアター2」の会場は約30名ほどで、スカスカです

この公演は今年2月1日、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です キャストは、ポーギー=エリック・オーウェンズ、べス=エンジェル・ブルー、クララ=ゴルダ・シュルツ、セリナ=ラト二ア・ムーア、マリア=デニース・グレイヴス、スポーティング・ライフ=フレデリック・バレンタイン。管弦楽・合唱=メトロポリタン歌劇場管弦楽団・同合唱団、指揮=デイヴィッド・ロバートソン、演出=ジェイムズ・ロビンソンです

この作品はジョージ・ガーシュイン(1898‐1937)が1934年から翌35年にかけて作曲した全2幕のオペラですが、今回の公演はMETでは30年ぶりの上演で新演出によるものです

 

     

 

舞台は1920年頃のアフリカン・アメリカンの人たちが暮らす海岸沿いにある黒人たちの集落キャットフィッシュ・ロウ。土曜の夜、男たちはサイコロ賭博を楽しんでいた ポーギーは足が不自由で乞食だが礼儀が正しい。腕っ節自慢のクラウンが情婦べスを連れて登場する。クラウンは賭博のことでもめたロビンズを殺傷し逃走するが、べスは機会を逸し 匿ってもらえない   その時 前から彼女を想っていたポーギーの家のドアが開き彼女を招き入れ匿う。〔舞台が転換しロビンズの遺体が中央にある〕 白人の刑事と警官が来て明日 埋葬しろと居丈高に命令を下す    葬儀屋への支払いを伸ばしてもらい、皆は一安心する 1カ月後、弁護士がクラウンとべスの離縁証書を売りつけにきたり、遊び人のスポーティング・ライフがべスをニューヨークに行こうと誘ったり、と騒がしい 午後、隣近所の人たちがキティワ島へと遠足に出かけることになり、ベスも参加する。帰り道、少し遅れたべスの前に逃亡中のクラウンが現れる。べスは、今はポーギーと暮らしていると伝えるが、クラウンはそれを許さない(以上、第1幕)。

遠足から帰ってきてから、べスは病に伏せる ベスはポーギーに島でのことを告白する。翌日、ハリケーンの襲来で、漁師ジェイクの船が転覆する 妻のクララがジェイクを助けるため外に飛び出す。そこにクラウンが現れ、ハリケーンを怖がっている連中を馬鹿にしながら走り去る。嵐で命を落としたジェイクとクララの葬儀が開かれる。クラウンはナイフを持ってポーギーのことろにやってきてべスを連れ去ろうとする 乱闘の末、ポーギーはクラウンを殺してしまう 翌日、捜査が行われ、ポーギーが連行される。スポーティング・ライフはあらためてべスを麻薬でニューヨークに誘い、べスは誘惑に負け今度は一緒に出掛けて行く 1週間後、ポーギーが刑務所から戻ってくるとべスの姿はない しかし、彼女がニューヨークにいることを知ると、かの地に出向くことを歌い上げげる(以上、第2幕)

 

     

 

今回の出演歌手は刑事、警官、コーラスの一部(以上 白人)を除いてすべてがアフリカ系アメリカ人です     こういうオペラは他にないのではないかと思います

ポーギーを歌ったエリック・オーウェンズは1970年フィラデルフィア生まれのバスバリトンです    恵まれた体格を生かし人間味あふれる歌と演技で 足の不自由なポーギーになり切っていました 開演前のステージに表れたMETのピーター・ゲルブ総裁が「本日、彼は風邪を引いておりますが、皆さまの期待に応えるべく歌うことになりました」と語っていましたが、風邪とは思えない堂々たる歌唱で聴衆を魅了しました 最後に彼が舞台から立ち去るシーンでは顔中汗だらけでしたが、多分、風邪の熱のせいだと思います 新型コロナウイルスがアメリカで拡散する前の時期で良かったと思います

べスを歌ったエンジェル・ブルーは1984年生まれのソプラノですが、「ミス・ハリウッド」に選ばれた美貌の持ち主で、歌・演技とも申し分ありませんでした

クララを歌ったゴルダ・シュルツは1984年南アフリカ生まれのソプラノです METデビューは2017年「魔笛」のパミーナで、同年に新国立オペラ「ばらの騎士」のゾフィーを歌って日本デビューを果たしています その時のブログにも書きましたが、リリカルな歌声で魅力あふれる歌手です 今回のオペラの冒頭で「サマータイム」を歌い幕開けを告げたのが印象的です

セリナを歌ったラト二ア・ムーアは1979年ヒューストン生まれのドラマティック・ソプラノです 2013年に新国立劇場で「アイーダ」のタイトルロールを歌い 日本デビューを果たしています 表現力が優れた歌手です

マリアを歌ったデニース・グレイヴスは1964年ワシントン生まれのメゾ・ソプラノですが、深みのある声で存在感抜群です

スポーティング・ライフを歌ったフレデリック・バレンタインはヴァージニア州出身の若手テノールです 背が高くスマート、身のこなしも鮮やかで、蛇のようなねちっこい演技力が頭から離れません。歌唱力も十分です

黒人中心の合唱団は迫力のある歌唱でソリストを支え、優れた演技力を発揮しました

今回、とくに凄いと思ったのは黒人ダンサーたちの目の覚めるような鮮やかなパフォーマンスです 幕間のインタビューで振付師のC.A.ブラウンさん(この女性も黒人)が、歌手にも振付をつけたと語っていましたが、黒人特有の瞬発力のある身体能力を発揮したダンスは見応えがありました

カーテンコールでは熱狂の嵐が吹き荒れました ほとんどの出演者が黒人ということもあってか、聴衆に熱狂的な黒人が多かったのかも知れません 驚いたのは白人の歌手が3人揃って登場した時に、会場から 多くのブーイングが聞こえたことです それって、人種差別ですから

今回の公演は第1幕=102分、第2幕=70分で、途中の休憩・特典映像などを含めたトータルの上映時間は3時間39分です

なお、当日配布されたペラ1枚の上演タイムテーブルによると、「新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、メトロポリタン歌劇場は3月12日以降の今シーズンの全公演をキャンセルした。それに伴い、現地公演が行われない第9作『トスカ』及び第10作『マリア・ストゥアルダ』は過去に上演した作品を上映する」旨が書かれていました

新宿ピカデリーにおけるNETライブビューイングの今後の上映を整理すると次の通りです

①「ポーギーとべス」:4日(土)、5日(日)=上映なし。6日(月)~9日(木)=上映。

②「アグリッピ―ナ」:10日(金)~16日(木)=上映。

③「さまよえるオランダ人」:5月8日(金)~14日(木)=上映。ただし、当初3月14日収録公演の上映を予定していたのを3月10日収録公演分を上演。

④「トスカ」:2017‐2018シーズンの録画を上映(ヨンチェヴァ、グリゴーロ他出演)

⑤「マリア・ストゥアルダ」:2012-2013シーズンの録画を上映(ディドナード、ポレンザ―二他出演)

なお、④⑤については当日  一般3,200円、学生2,100円。ムビチケ3枚セットはそのまま利用可能とのことです 詳細は公式ホームページをご覧ください

 

     

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