20日(月)。世界一の新型コロナウイルス感染者数を誇る(?)アメリカが18日、感染者数70万6799人、死者3万7079人と記録を更新、一方 日本の感染者数は1万276人、死者222人となり、世界の死者は15万人を超えました コロナは収束する気配がありません
ということで、わが家に来てから今日で2028日目を迎え、新型コロナウイルスへの対応をめぐり、共和党のトランプ大統領が、自宅待機命令を出している民主党の複数の州知事に対し「解放せよ」と訴えている というニュースを見て感想を述べるモコタロです
解放してコロナが復活したら トランプが州知事に責任転嫁するのは目に見えてる
昨日の朝日朝刊 オピニオン面のフォーラム欄は「表現活動はいま」というテーマにより、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け 活動の場が失われている音楽、演劇、映画など文化や芸術に関わる表現者にインタビューをしています そのうちの一人、滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール芸術監督で指揮者の沼尻竜典氏は 概要次のように語っています
「3月、びわ湖ホール制作のオペラ『神々の黄昏』公演が新型コロナの影響で中止となった 4年を費やしたワーグナー4部作の集大成。ここでやめたらみんなで作り上げてきた全てがなかったことになる。館長やスタッフと協議し、無観客での上演と配信を決めた 上演後の記者会見で『文化・芸術は水道の蛇口ではない。いったん止めてしまうと、次にひねっても水が出ないことがある』と述べたら大きな反響があった。この言葉の裏には、蛇口の向こう側にいる人々や、普段は人目に触れない芸術の営みに、少しでも心を寄せてほしいという思いがあった 文化は社会や経済との循環の中で育てられる。低速回転でもいい、回り続けていないとダメだ。ひとたび日常が戻った時にすでに全てが失われていたら? そうならないための最低限の補償を、多くの文化の現場は国に求めている。今が公演を止めるべき時期だということは分かっている。ただ、文化・芸術の蛇口に手をかけている政治家の方々には、芸術の営みを止めることへの痛みを感じる想像力を持っていただきたいと思う」
沼尻氏にインタビューした朝日新聞編集委員の吉田純子さんは次のようにコメントを加えています
「新型コロナウイルスは、現政権に本質的に欠けているものを克明に可視化し続けている。プロセスを想像し、目に見えぬ世界を敬い、他者を思いやる、いわば『心の営み』だ 星野源さんの動画を『拝借』した安倍首相に多くの人が向けたのは、アートによる繊細な精神の連携を雑に扱われたことへの怒りだった 沼尻氏が『水道の蛇口』発言で訴えようとしたのは、蛇口の栓を握っている権力者たちの感性の鈍さだ。その時々の社会の根本的なありように、多様な視点で気付かせてくれるのが文化・芸術の力なのだ」
また、この欄では各国の文化・芸術への公的支援についても紹介しています
米国「全米芸術基金は非営利の芸術団体や各州の文化機関に対し、事業や雇用の継続などのため7500万ドル(約83億円)の支援
ドイツ「政府が小規模事業者や自営業者に500億ユーロ(約6兆円)を拠出し、フリーランスや従業員5人までの事業者には最大9千ユーロ(約105万円)を支給 さらにベルリン市ではアーティストらの生活費穴埋めなどのため、1人5千ユーロ(約60万円)を給付した(現在修了)。
フランス「第1段階として、緊急支援2200万ユーロ(約26億円)を拠出し、音楽業界に1千万ユーロ(約12億円)、舞台芸術と出版業界に各500万ユーロ(約6億円)、美術分野に200万ユーロ(約2億4千万円)。映画業界に向けては映画入場税の徴税猶予や、劇場や配給会社への助成金支払い前倒しを実施
英国「アーツカウンシルが1億6千万ポンド(約216億円)を用意し、文化芸術機関や個人のアーティストの支援に当てる
韓国「映画振興委員会では、映画祭やミニシアターなどに関わる助成金の使途を拡大し、人件費に使える割合を増やした
これに対し、日本における文化・芸術分野の支援策は、4月16日付の当ブログでご紹介した通り、内容的には「今そこにある危機」を認識していない的外れなものになっています
その意味で、吉田純子さんの「沼尻氏が『水道の蛇口』発言で訴えようとしたのは、蛇口の栓を握っている権力者たちの感性の鈍さだ」という指摘は、まったくその通りだと思います