18日(土)。昨日の日経朝刊の社説「ドタバタを演じている場合ではない」を読んでいて、「おやっ?」と思った記述がありました 新型コロナウイルス感染拡大を受けて政府が決定した、全国民一律に10万円給付するという施策に関連する社説ですが、次のように書かれていました
「迅速を優先し、一律支給をするのであれば、年末調整や確定申告などの際に 高所得者から取り戻す仕組みが不可欠だ」
この社説は日経の論説委員(or 編集委員)が書いたものと思われますが、どうも 取材先の政府関係者あるいは国税関係者などの中で(あるいは麻生副総理あたりで)、このようなことが検討されているのではないか、と思えてなりません 個人的には、一律支給よりも 本当に困っている人にできる限り早く支給することがベストだと思いますが、線引きが難しいうえ 不公平感が残り 支給のタイミングを逸する恐れがあります
その意味では、この社説にある「高所得者」というのも、年収いくら以上が「高所得者」になるのかという線引きが難しいと思います
せっかく早く困った人に支給できるように手を打ったのに、また遅れることになりかねません
安倍首相の言うことは副首相や公明党の主張によってコロコロ変わるので、今後どうなるのか予測もつきません
いずれにしても、いずれこの社説に書かれているような考え方が表面化するのではないか、と思うので注視していきたいと思います
ということで、わが家に来てから今日で2026日目を迎え、新型コロナウイルス感染拡大により学校などが休校や休園となり、外出の自粛を強いられていた子どもたちの生活実態を北海道大大学院農学研究部の愛甲哲也准教授が調査し、中間結果を公表したが、80%が「テレビやビデオ視聴」、62%が「インターネット動画視聴」、52%が「ゲーム機器の利用」の時間が増えたと回答した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
何を観るかが問題だけど なぜ「読書」が増えない? 図書館が閉まってるって!?
昨日、夕食に「チキンステーキ」を作りました 今や私の定番料理となりました
志村けん著「志村流」(王様文庫)を読み終わりました 志村けんは1950年2月20日東京都東村山市生まれ。ザ・ドリフターズの付き人を経て、1974年4月正式メンバーとなる。「8時だヨ!全員集合」で、東村山音頭や加藤茶との ひげダンス、カラスの歌などが大人気となり、国民的スターとなる
86年からは単独でも活動した。主なキャラクターに「バカ殿様」「変なおじさん」「ひとみばあさん」がある。2020年3月29日、新型コロナウイルスによる肺炎で死去
本書は、マガジンハウスから刊行された「志村流」を文庫化したものですが、文中の発言から推測すると志村けんが52歳の時、つまり今から18年前に書いた本です 「志村流」というタイトルからも分かる通り、この本はお笑い芸人・志村けん(本名:志村康徳)の生き方を著したものです
本書は次の4章から構成されています
第1章「人生:一生が24時間だとしたら」
第2章「お金:肝には金を使え」
第3章「ビジネス:常識なくして成功なし」
第4章「処世術:マネがマネーを生む」
第1章では、「志村けんは実は3人いる」と書きます 第1に本名の志村康徳=「素の志村」。第2にこの道35年の「芸人・志村けん」。第3に「変なおじさん」「バカ殿様」などを演じる「キャラ・志村」。この3人によって「志村コンツェルン」は成り立っているが、「芸人・志村」はストレスでいっぱい、「素の志村」は面白くない、と書いています
第2章では、「お笑いの種の部分で肝となるのはネタ作りと構成だ」として、放送作家の朝長浩之氏を雇い 面白ネタのアイディアを出させていると書いています 放送作家というのは複数の局の番組の台本を書いて生計を立てているのが普通であるが、志村けんの場合は一人の放送作家を専属契約で雇い そのための支出は厭わないということです
これは初めて知りましたが、これこそプロの流儀でしょう
第3章では、「常識のない奴に成功なし」「仕事の最初の掟、それは礼儀だ」「準備こそ全力投球」として、時間の約束は守ること、礼儀正しくすること、仕事の準備は入念にすること、などビジネス界でも通用する”常識”をあらためて解いています 志村けんは極めて真面目で常識人であることが良く分かります
この章を読んでいて「あれっ」と思ったのは次の記述です
「オレは気が小さい分、用意周到で抜かりなくという性格だから、その場でアドリブなんていうのはやらないし、嫌いだ アドリブのように見せて、その実、最初から仕組んであるというスタイルだから、即興的なものは苦手
だから、準備段階でほぼ出来は見えているといってもいいんじゃないかな
」
志村けんの芸を見ていて「これはアドリブじゃないかな?」と思うことが少なくなかったので、これには驚きました すべてが台本通りだったわけですが、そう見せないところがプロです
第4章では、「職場でもどこでも、出来る人の真似をしてみて、猿真似が取りあえず完成したら、自分の考えを肉付けして『オリジナル』を完成させていくのが良い」と書いています
この章の「寂しがり屋に必要なもの」では、「タバコは毎日、3箱近く吸っている。酒が入るとますます本数が増えてしまう 酒とタバコの組み合わせは最悪のパターンとは知りつつも、無理に禁煙しようものなら、そっちのストレスのほうが体にもっと悪い。そう都合よく解釈しているからやめる気もない
」と書いています。新型コロナウイルスに罹患した場合、喫煙者の死亡率が高いと言われていますが、彼の場合も「だいじょうぶだぁ」とはいかず、喫煙の習慣が命取りになったのかもしれません
志村けんさん、長い間 たくさんの抱腹絶倒のギャグを見せてくれてありがとうございました つかみ合いの夫婦喧嘩や兄弟喧嘩が「8時だよ!全員集合」が始まるとピタッと止んだ という話をどこかで聞きました
本書を読んで、真面目で常識的な人でなければ本当に面白いギャグは生まれないということが良く分かりました
あらためて ご冥福をお祈りいたします