5日(日)。昨日の日経朝刊 文化面に歌人の笹公人氏が「アナグラムの不思議」というテーマでエッセイを書いていました アナグラムとは「文字の順番を並べ替えることによって、別の意味の言葉にする遊び」です
笹氏は「『モスラ』の原作者の一人であり、作家・池澤夏樹さんの父上でもある純文学作家・福永武彦が小説を書く際には加田伶太郎(誰だろうか のアナグラム)の筆名を用いていたのも有名だ」と紹介しています
また、パズル作家の岡田光雄さんは、なかにし礼さんの名前に「詩歌になれ」というアナグラムを見つけているが、作詞家・作家にふさわしいアナグラムだ、と書いています
イラストレーターの和田誠さんは、写真家の篠山紀信さんに「魔の写真機」というアナグラムを当てはめたそうです
週末の「不要不急の外出自粛要請」を受けて自宅で有り余る時間をどう過ごしたらよいかを考える時、自分の名前のアナグラムを考えてみるのも一興かもしれません 私もチャレンジしてみましたが、どうもうまくいきません
そこで、当ブログに時々コメントを下さる soprano-motoko さんの本名のアナグラムを考えてみました
「友の言う声」です。何となく意味が通じそうな 通じなさそうな・・・どうでしょう motokoさん
わが家に来てから今日で2014日目を迎え、自分の名前のアナグラムを考えるモコタロです
ぼくは差し詰め もろ タコかな? 蛸壺オープン!
ピーター・スワンソン著「ケイトが恐れるすべて」(創元推理文庫)を読み終わりました 著者のピーター・スワンソンはマサチューセッツ州出身。2014年に「時計仕掛けの恋人」でデビュー。2015年に刊行された「そしてミランダを殺す」は英国推理作家協会賞のイアン・フレミング・スチールダガー部門で最終候補となった
ロンドンに住むケイト・ブリディーは、又従兄のコービン・デルの転勤に伴い、住まいを交換し半年間ボストンで暮らすことになった ケイトが住むことになった建物は、ヴェネチアの宮殿をモデルにした3階建ての3つの棟からなる豪奢なアパートメント・ハウスだった
しかし、到着した翌日に、コービンのアパートメントの隣室に住む女性オードリー・マーシャルの死体が発見される
オードリーの大学時代の友人と名乗る男ジャック・ルドヴィコや 向かいの棟に住む男アラン・チャー二―の話では、オードリーとコービンは恋人同士だが、まわりには秘密にしていたという
しかし、コービンはメールでオードリーとは特に親しくはなかったと 関係を否定するのでケイトは困惑する
一方、アランは向かいの棟に住むオードリーを窓から盗み見て一方的に愛情を抱いていたことをケイトに告白する
いったい誰が嘘をついているのか? オードリーを殺した真犯人は誰か
【ここから一部ネタバレあり】
行動不審のコービンの過去が明らかにされます コービンがロンドン留学中に知り合ったヘンリー・ウッドから、コービンとヘンリーに二股をかけたクレアに復讐しようと話を持ち掛けられ、彼女を墓地に呼び出して殺害したのです
これをきっかけに二人は共犯者として秘密を共有することになり、二人目のリンダが殺され、そして今度はオードリーが狙われます
コービンはこれ以上、犯罪を犯すことに罪悪感を抱き、ヘンリーにその意思を伝えますが、殺人に対し病的な執着を見せる彼は許しません
コービンはヘンリーを殺すしかないと思うようになります
一方のヘンリーは、自分だけ足抜けしようとするコービンは許せないとして彼を窮地に陥れようと陰謀を企てます
私がこの本を読もうと思ったのは「そしてミランダを殺す」が滅茶苦茶面白かったからです 興味のある向きは2019年1月23日付のtoraブログをご覧ください
この「ケイトが恐れるすべて」も先の展開がまったく予想できないワクワクドキドキのストーリーで、一気読み必至のミステリーです 原作が優れていることはもちろんですが、務台夏子さんの翻訳が優れていることも重要な要素だと思います