15日(水)。新国立劇場から、中止になった5月17日のオペラ「サロメ」の払い戻し書類が届いたので、必要事項を記入の上チケットを同封して送付しておきました これで、新国立劇場からの払い戻しは「オペラ研修所修了公演」「コジ・ファン・トゥッテ」「ジュリオ・チェーザレ」「ホフマン物語」「サロメ」の5公演となりました。これにより、新国立オペラ2019/2020シーズン全10公演のうち4公演が中止となり、残るのは6月のワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」1作のみとなりました
これは上演してほしいと思います
ということで、わが家に来てから2023日目を迎え、新型コロナウイルスの感染拡大で消毒用アルコールが不足していることを受け、厚生労働省は、アルコール度数の高い酒や高濃度の鉱業用エタノールで代替できるとする見解を示した というニュースを見て 酩酊状態のトトロを心配するモコタロです
さては 消毒用の日本酒を飲み過ぎたね
昨日の夕食はすき焼きにしました たまにはいいでしょう
真山仁著「オペレーションZ」(新潮文庫)を読み終わりました 真山仁は1962年、大阪府生まれ。同志社大学政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年に企業買収の舞台裏を描いた「ハゲタカ」でデビューを飾る
「売国」「当確師」など著書多数
大手生命保険会社・帝国生命が資金繰りのため国債を投げ売りする事態が発生、国際価格が暴落した 経営が危うくなれば国が助けてくれるという国債頼みの政治は、いつかは誰かが終わりにしなければならない
国家予算の半減という大胆な施策を立案・実行するため、江島隆盛総理のもと若手財務官僚が集められ、極秘作戦「オペレーションZ」が始動した
しかし、「国家予算の半減などできっこない」という他省庁や与党守旧派が抵抗し、メディアや世論も反発する
そうした中、総理はついに国会を解散することを決意する
660ページに及ぶこの超長編小説のなかで、筆者が一番言いたいことは、主人公である財務省主計局課長補佐・周防篤志が江島総理に語った「日本の国家財政を家計にたとえた話」に集約されています それは次のような内容です
「私が年収1000万円の仕事をしていたと考えてください。それがリストラされて、年収500万円になっちゃった なのに私は、今年も去年同様1000万円の暮らしをしようとしている。そんな亭主は、即離婚だって
今の日本は、そんなダメ亭主といっしょじゃない、と妻に言われました
」
良く知られているように、現在 日本は 国家の赤字が1000兆円を超えていますが、財政破綻していません これは国内の金融機関が手分けして日本国債の大半を買い取っているからです。したがって、日本国債の買い手が見つからなければ、その先は国家破綻(デフォルト)へまっしぐらになるのです
ギリシャの国家破綻が起きた時の借金額は10兆円未満でしたが、日本はその100倍の借金を抱えているのです
歴代の政権はこの膨大な借金を返済するどころか増大するに任せてきました
国民から嫌われる政策は取りたくないというのが政治家の本音でしょうが、日本の将来を担う若者や子供たちに”つけを回す”のは無責任というものでしょう
筆者には歴代の政権を担ってきた政治家たちへの怒りがあります
この小説では、キャラが立った登場人物が魅力的に描かれています 一度決めたことは強い意志で貫徹する「猛牛」に譬えられる江島隆盛総理、国家に恩返しをしたいと官僚になった真面目なエリート・周防篤志、「言われたことしかやらない」絵にかいたような官僚主義者・盛田正義、口は悪いが頭の切れる上智大学准教授・宮城彗、ネタを掴んだ相手に恐喝も辞さない暁光新聞政治部長・橋上など、それぞれの性格描写が鮮やかです
私も常々 1000兆円を超える国の借金を少しずつでも減らす方向で努力していかないと、我々の子どもたちが借金返済の責務を負うことになると危惧しています 消費税増税が改善の一つのきっかけになるかと思いましたが、この度の新型コロナウイルスの感染拡大による日本経済への大打撃を受けて、むしろ借金が増える方向に動いてしまいました
しかし、コロナが収束に向かった後は、経済のV字回復に伴って、財政再建計画もしっかりと組み込むべきだと思います
そうしないと、子どもたちの時代に「税金・社会保険料支払い拒否」が大きな問題として浮上するかもしれません
本書の最後に、筆者は江島総理に「オペレーション Z」の意味を次のように語らせています
「 Z には後がないという意味がある。私たちの国は絶体絶命で、後がない作戦を遂行せよという意味だった」
しかし、現実には、現政権は「なんとかなる」と思っているような気がします