10日(木)。わが家に来てから今日で3131日目を迎え、ドナルド・トランプ前米大統領が、国家を欺こうと共謀した罪や、国民の権利を侵害しようと共謀した罪などで新たに起訴された件で審理を担当する ワシントン連邦地裁の判事の変更を要求している というニュースを見て感想を述べるモコタロです
トランプも 大統領への返り咲きか 監獄で余生を送るかの瀬戸際だから 必死だよね
昨日、夕食に「メカジキのソテー」「生野菜とアボカドのサラダ」「冷奴」「豚汁」を作り、「鯵の刺身」と一緒にいただきました 和食は健康的でいいですね
昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールで「フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2023」参加公演「日本フィルハーモニー交響楽団 カーチュン・ウォンの描く『展覧会の絵』」を聴きました プログラムは①ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲、②菅野祐悟「サクソフォン協奏曲 ”Mystic Forest” 」、③ムソルグスキー(ラヴェル編曲):組曲「展覧会の絵」です 演奏は②のサクソフォン独奏=須川展也、指揮=カーチュン・ウォンです
カーチュン・ウォンはシンガポール出身。2016年のマーラー国際指揮者コンクールで優勝 2022年8月までニュルンベルク交響楽団首席指揮者を務める。2023年9月から日本フィルの首席指揮者とドレスデン・フィル首席客演指揮者、2024年秋にハレ管弦楽団首席指揮者兼アーティスティックアドヴァイザーに就任予定
オケは16型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並び。コンマスは田野倉雅秋です ホルンのトップには東京フィルの首席・高橋臣宣がスタンバイしています
1曲目はヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲です この歌劇はジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)がマリーンスキー劇場の依頼により1862年に作曲、同年ペテルブルクの同劇場で初演されました
カーチュン・ウォンの指揮で演奏に入りますが、この悲劇のオペラを凝縮した序曲をドラマティックに歌い上げ、聴衆を惹き付けました 中盤でのオーボエ、フルート、クラリネットの悲壮感漂う演奏が白眉でした
2曲目は菅野祐悟「サクソフォン協奏曲 ”Mystic Forest”」です この曲は菅野祐悟(1977~)が須川展也のために作曲、2021年2月に初演されました 第1楽章「Blooming Flowers」、第2楽章「Falling Leaves」、第3楽章「Crystal Forest」の3楽章から成ります 小室敬幸氏のプログラムノートによると、この曲のキーワードは「目に見えない力」で、第1楽章は「満開の桜吹雪が舞う風景」、第2楽章は「散りゆく紅葉」、第3楽章は「植物が枯れ果てたあとに訪れる銀世界」を表しています
サクソフォン独奏の須川展也は東京藝大卒。第51回日本音楽コンクール、第1回日本管打楽器コンクール最高位受賞 日本を代表するクラシカル・サクソフォン奏者です
オケは12型に縮小し、ピアノがステージ下手にスタンバイします 拍手の中、須川が赤と金に輝くサックスを携えて登場します
演奏に入りますが、菅野はNHK大河ドラマのテーマ音楽などを手がけているだけあって、全体的に分かりやすい曲想で、ドラマティックです 驚いたのは第3楽章です。神秘的に始まったかと思ったら、突然サクソフォン・ソロが狂ったように演奏を展開し、「まるでフリージャズだ」と思いました
大きな拍手の中、作曲者・菅野祐悟氏が客席からステージに呼ばれ、楽団員と聴衆から大きな拍手を浴びました
須川はアンコールに真島俊夫「シーガル」の前半部分を鮮やかに演奏、再び満場の拍手を浴びました
プログラム後半はムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」です この曲はモデスト・ムソルグスキー(1839-1881)が友人の画家ガルトマンの追悼展覧会の絵を見た印象をもとに1874年にピアノ独奏曲として作曲しました その後、モーリス・ラヴェルが1922年に管弦楽用に編曲しました ①小人、②古城、③テュイルリー、④ビドロ(牛車)、⑤卵の殻をつけたひな鳥の踊り、⑥サミュエル・ゴールデンベルクとシュムイレ、⑦リモージュ、⑧カタコンブ、⑨バーバ・ヤガー、⑩キエフの大門の10曲から成ります
オケは再び16型に拡大します。サクソフォンの須川もホルンの隣にスタンバイします
カーチュン・ウォンの指揮で演奏に入ります 冒頭の「プロムナード」でのトランペットの”輝く演奏”が素晴らしい 第2曲「古城」における須川のサクソフォンは味わい深く、息の長い演奏を展開しました また、チェロセクションの通奏低音的な演奏が印象に残りました 第3曲「テュイルリー」ではフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットによる賑やかな音楽が楽しい 第4曲「ビドロ」ではチェロとコントラバスの低弦に乗せてテューバが素晴らしい演奏を展開しました 第5曲「卵の殻をつけたひな鳥の踊り」は木管群と弦のピッツィカートによる掛け合いが楽しく聴けました さて個人的にはこの曲のハイライトと思う「サミュエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」の出番です 金持ちで高慢なユダヤ人(弦楽器群)と貧乏なユダヤ人(ミュート付きトランペット)の対話ですが、私には次のように聞こえました
プーチン大統領:せっかくウクライナの領土を占領しても、ウクライナ軍に一部が奪還されてるじゃん
ショイグ国防相:多くの兵士が死傷して戦力不足に陥ってるんです
プーチン:だから来年1月から徴兵年齢を27歳から30歳に引き上げるように手を打ってるじゃんか
ショイグ:それに、欧米側の経済制裁の影響で武器が不足してるんですわ
プーチン:だからあんたに北朝鮮に行ってもらって話を付けたんじゃないのよ
ショイグ:あの国はミサイルばかりに金をつぎ込んで、通常兵器はうちらの国と同じで古いんですよ
プーチン:言い訳ばかりの「お前はクビだ」
ショイグ:それはアメリカのトランプ某の台詞じゃないんですかい
大幅に脱線しました。元に戻します 第8曲「カタコンブ」ではトロンボーン、テューバ、ホルンといった金管楽器の深く豊かな響きが印象的でした 第9曲「バーバ・ヤガー」から第10曲「キエフの大門」にかけては、オーケストラ総力を挙げての渾身の演奏で音の大伽藍を築き上げ、圧倒的な音量で大ホールを揺るがしました
大きな拍手とブラボーの嵐が指揮者とオケに押し寄せ、カーテンコールが繰り返されました カーチュン・ウォン ✕ 日本フィルはアンコールにエルガー「エニグマ変奏曲」から第9変奏「ニムロッド」を思い入れたっぷりに演奏、再び大きな拍手に包まれました 彼のセンスの良さを感じさせる選曲ですが、なぜ彼が英国の作曲家エルガーの曲を選んだかと言えば、冒頭でご紹介した通り、彼は来年秋に英国の「ハレ管弦楽団」首席指揮者兼アーティスティックアドヴァイザーに就任予定だからだと思います
これまで私はカーチュン・ウォンという指揮者に対し、あまり興味を持っていませんでした しかし、この日の指揮ぶりを見て、かなり良い指揮者だと思いました 今後、日本フィルとのコンビによる公演に注目していきたいと思います
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