7日(火)。わが家に来てから今日で2975日目を迎え、ロシアのラブロフ外相はインドのニューデリーで3月3日、20か国・地域(G20)外相会合後に講演を行い、ウクライナ侵攻について「ウクライナ人を利用して、われわれは戦争を仕掛けられた」と発言すると、聴衆からはあざけるような笑い声が聞こえた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
加害者なのに被害者ぶるのはロシアの常套手段だ 戦争の実態を見れば誰も信じない
昨日、夕食に「サーロインステーキ」を焼いて、白舞茸の味噌汁を作りました レアに焼いたのでソフトで美味しかったです
昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、ジョルダーノのオペラ「フェドーラ」を観ました これは今年1月14日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です 「フェドーラ」のMETでの上演は25年ぶりとのことです 出演はフェドーラ=ソニア・ヨンチェヴァ、オルガ=ローザ・フェオラ、ロリス・イバノフ=ピョートル・ベチャワ、デ・シリエ=ルーカス・ミーチャム(アルトゥール・ルチンスキーの代役)。管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、指揮=マルコ・アルミリアート、演出=デイヴィッド・マクヴィカーです
開演前のクリスティーン・ガーキーのインタビューに応じたMET総裁ピーター・ゲルブ氏によると、METライブビューイングは2006年にゲルブ氏の提唱で開始され、この「フェドーラ」で150回目を迎えるとのこと 今やアメリカ国内よりも海外の視聴者の方が多い(約7割)とのことで、ゲルブ総裁の「先見の明」を感じます
オペラ「フェドーラ」は「アンドレア・シェニエ」で知られるウンベルト・ジョルダーノ(1867-1948)が、「トスカ」の原作者ヴィクトリアン・サルドゥの原作により作曲、1898年11月17日にミラノ・テアトロ・リリコで初演された全3幕、イタリア語による歌劇です
物語の舞台は19世紀末のロシア・サンクトペテルブルク 結婚式を翌日に控えた皇女フェドーラは、婚約者の館を訪ねる。そこに瀕死の重傷を負った婚約者の大尉が運び込まれる 捜査の結果、近所に住むロリス・イバノフ伯爵に殺人の嫌疑がかけられる 間もなく大尉の死亡が伝えられ、フェドーラは悲しみのあまり気を失う(以上第1幕)。
パリにあるフェドーラの邸宅。華やかなサロンにロリスが現れる。フェドーラは嫌疑のかかるロリスに自ら近付き、真相を探ろうとする 友人の伯爵夫人オルガは、美男のピアニストに夢中になっているが、彼の奏でるピアノの音色が響く中、フェドーラは自分を愛していると告白したロリスに、事件についてあれこれ質問する 彼は「殺した」と打ち明け、「後で証拠を持ってくる」と言い残して去る。1人になったフェドーラは、ロリスとその兄を告発する手紙をロシアに送る 戻ってきたロリスは、自分の妻と大尉が不倫していたことを打ち明け、証拠の手紙を見せる。事実を知ったフェドーラは心惹かれていたロリスに愛を打ち明け、2人は激しく抱き合う(以上第2幕)。
スイスにある別邸。フェドーラはロリスと愛の日々を送っている。オルガもピアニストと別れ、一緒に滞在している ロリスが留守の時、外交官のデ・シリエが訪ねて来て、ロリスの兄が逮捕されて牢獄で死亡、それを知った母親も死亡したと知らせる 自分が告発した手紙のせいで2人を死に追いやったと、フェドーラは罪の意識に苛まれる 帰宅したロリスは2人の死亡を知り、告発したロシアの女性を激しく呪う フェドーラの態度から、彼女こそがその告発者だと知る。フェドーラは毒をあおり、彼の腕の中で息絶える
このオペラはCDもDVDも持っていないので初めて観ましたが、主役級の2人の歌手に圧倒されました
ヒロインのフェドーラを歌ったソニア・ヨンチェヴァは1981年、ブルガリア生まれのソプラノですが、豊かな声量と強靭な歌唱力に加え、フェドーラに成り切った迫真の演技に魅了されます METで25年ぶりの「フェドーラ」の上演にあたり、ゲルブ総裁が彼女をタイトルロールに抜擢したのも頷けます アンナ・ネトレプコがMETに戻れない現在、聴く人の心を動かす力がある点で、ヨンチェヴァはMETを代表するプリマドンナと言っても過言ではないでしょう
ロリス・イバノフを歌ったピョートル・ベチャワは1966年、ポーランド生まれのテノールですが、リリカルな声質と力強い歌唱、卓越した演技力が光ります 今回のロリスのような悲劇的な役柄がピッタリです
オルガを歌ったローザ・フェオラは1986年、イタリア生まれのソプラノですが、美しい歌声で、今回のようなややコケティッシュな役柄もソツなく演じます
デ・シリエを歌ったルーカス・ミーチャムは、幕間のインタビューで、本番の1週間前にルチンスキーの代役を伝えられたとのことです。深みのあるバリトンで演技力もありました
歌手の心を理解しているマルコ・アルミリアートの指揮によるメトロポリタン歌劇場管弦楽団は、歌手に寄り添いつつ ドラマティックな演奏を展開しました
マクヴィカーによる演出では、3幕それぞれの舞台背景が美しく見事でした 第1幕はいかにもロシアの館で、暗く重々しい雰囲気が出ています 第2幕は一転してパリのサロンそのもので華やかです そして第3幕はバルコニーからアルプスの山々を望むスイスの別荘で、開放感に溢れています 第2幕のサロンでは、フェドーラがロリスに事件についてあれこれ質問する間、ポーランド人で「ショパンの甥」というブライアンが、ショパンのノクターンを弾くシーンがありますが、このピアニストはワーゴーンという名前のMETのピアニストだそうです しかし、私には弾いている曲が本当のショパンの曲なのか、METの音楽担当がアレンジしたものなのか分かりませんでした
カーテンコールでは、ソニア・ヨンチェヴァとピョートル・ベチャワにひと際大きな拍手が送られ、会場総立ちのスタンディングオベーションが見られました 本場でオペラが観たい
【 P S 】どうでもいいことかもしれませんが、会場入口の「デジタルサイネージ」の写真は前シーズンのポスターです 新宿ピカデリーはどういうつもりなんでしょうか
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