人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

大野和士 ✕ 藤村実穂子 ✕ 中村恵理 ✕ 東京都交響楽団でブラームス「アルト・ラプソディ」、マーラー「交響曲第4番」他を聴く~都響スペシャル2021

2021年02月23日 07時18分46秒 | 日記

23日(火・祝)。わが家に来てから今日で2236日目を迎え、米国のサリバン大統領補佐官は21日、CBSテレビの番組で、昨年12月に発覚した米国への大規模なハッキングに関し、ロシアが関与したとして報復措置を「数週間以内」に実行すると述べ、「単なる制裁にはとどまらない。包括的な対応になる」と強調した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ロシアにしても北朝鮮にしても  独裁者が実権を握る政権のやることはえげつない

 

         

 

昨日、夕食に「豚しゃぶ」と「生野菜とワカメのサラダ」を作りました 昨日は暑かったので豚しゃぶもいいかな、と思って作りました。娘からは好評でした

 

     

 

         

 

昨日午後6時から東京文化会館で「都響スペシャル2021」2月22日公演を聴きました プログラムは①武満徹「夢の時」、②ブラームス「アルト・ラプソディ 〜 ゲーテ『冬のハルツの旅』による  作品53」、③マーラー「交響曲第4番 ト長調」です 演奏は②のメゾソプラノ独唱=藤村実穂子、男声合唱=新国立劇場合唱団、③のソプラノ独唱=中村恵理、指揮=大野和士です

昨年の「東京・春・音楽祭」がほとんど中止となったことから、東京文化会館大ホールでコンサートを聴くのは約2年ぶりになります 懐かしの東京文化会館です

自席は1階12列25番、右ブロック左通路側です。会場は市松模様ですが、1階はセンターブロックの前3列と、左右ブロックの前2列はコロナ禍対策として空席になっています

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの都響の並び。コンマスは矢部達哉です

 

     

 

1曲目は武満徹「夢の時」です この曲は武満徹(1930‐1996)が1981年に作曲、翌82年6月27日に岩城宏之指揮札幌交響楽団により初演されました 武満は前年の1980年にオーストラリアのグルート島を訪れ、原住民(アポリジニ)の音楽に衝撃を受け、その体験をもとに作曲したのが本作です。「夢の時」とは、武満が出会った原住民たちの神話のことです 

大野の指揮で演奏に入りますが、海で押し寄せる波、風のざわめきが聴こえました 目を閉じて聴く音楽は、確かに夢のようでもありました

2曲目はブラームス「アルト・ラプソディ 〜 ゲーテ『冬のハルツの旅』による  作品53」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833‐1897)が1869年に作曲、翌70年3月3日にイェーナで初演されました この頃、ブラームスはローベルト・シューマンとクララとの間にできた三女ユーリエに恋をしていましたが、彼はその気持ちをユーリエに伝えることができず悶々とした人生を送っていました 結局ユーリエはこの年=1869年の夏にイタリア人のマルモリ―ト伯爵と婚約します。これにショックを受けたブラームスは、アルト独唱と男声合唱と管弦楽による「アルト・ラプソディ」を一気に書き上げ、失意の感情を注ぎ込みました 早い話が、一方的に好きになった女性に愛を告白する前に、他の男と結婚されてしまい、恨みと絶望した気持ちを歌に託したというわけです だからブラームスは”煮え切らない奴”と言われるのです

この曲は第1部(アダージョ)、第2部(ポーコ・アンダンテ)、第3部(アダージョ)から成ります

臙脂色のシックな衣装を身にまとったメゾソプラノの藤村実穂子が指揮者とともに登場し、さっそく演奏に入ります バイロイト音楽祭やメトロポリタン歌劇場をはじめとする世界各国の歌劇場で歌ってきた藤村が、絶望した若者の心を歌い上げます 彼女のソロが素晴らしいと思っているところに、第3部で男声合唱が加わり、傷心の若者を勇気づけるように歌われます 藤村と新国立劇場合唱団と都響とのアンサンブルが素晴らしく、背筋が寒くなりました

 

     

 

プログラム後半はマーラー「交響曲第4番 ト長調」です この曲はグスタフ・マーラー(1860ー1911)が1892年(第4楽章のみ)、1899年~1901年に作曲、その後1901年~10年にかけて改訂しました 第4楽章にソプラノ独唱による「子どもの魔法の角笛」の「天上の生活〜私たちは天上の歓喜を受ける」を用いています この作品は「大いなる喜びへの賛歌」と呼ばれることがあります 第1楽章「ゆっくり急がずに 〜 全く気楽に」、第2楽章「気楽な動きで、あわてずに」、第3楽章「平安に満ちて」、第4楽章「極めて和やかに」の4楽章から成ります

全体を通して聴いた印象は、マーラーのエクセントリックな側面を強調した演奏だった、ということです 大野は、第1楽章と第2楽章でクラリネットにベルアップ奏法を求め、奇異な音楽を強調しました 第2楽章では、ソロ・コンマスの矢部達哉によるヴァイオリン独奏がありましたが、マーラーの異様な音楽を反映したエクセントリックそのものの演奏でした 唯一救われるのは第3楽章です。私はこのタイトル通り「平安に満ちた」音楽が大好きです この楽章の終盤のクライマックスを迎えるタイミングで、白を基調とし銀のラメ入り衣装に身を包まれたソプラノの中村恵理が登場、指揮者の左サイドにスタンバイします 第4楽章は「天上の生活」です 確かにソプラノの歌を聴く限り、穏やかで何の不安もない世界を描いているように思えますが、歌詞を見ると「ヨハネさまが 例の子羊を狙ってる おとなしい かわいい子羊を みんなして殺すんだ 聖ルカさまが 雄牛をうちのめす」などと極めて残酷な内容になっているのです この辺も、「一筋縄ではいかないマーラー」を印象付けます バイエルン国立歌劇場を中心に活躍した中村恵理の歌唱は表現力が素晴らしく、安定感がありました

演奏を聴き終わって、つくづくマーラーはいいな、と思いました


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「この1年、コンサートや観... | トップ | アンナ・モッフォのCDとLP ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事