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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

スペイン女性の魅力タップリ~映画「屋根裏部屋のマリアたち」を観る

2012年12月22日 06時53分43秒 | 日記

22日(土)。報道によると、古代マヤ文明の長期暦は2012年12月21日(つまり昨日)に終わり、新しい時代が始まるそうです。また、この日、世界が滅亡するという人たちもいるとのことです。が、世界は滅亡もしなければ新しい時代も始まりませんでした。こういうのを”誇大マヤカシ文明”っていうのじゃないでしょうか

 

  閑話休題  

 

高田馬場の早稲田松竹で2010年フランス映画「屋根裏部屋のマリアたち」を観ました

時は1962年のパリです。証券会社を経営するジャン=ルイと妻シュザンヌは、妻の要望で首にした故参のメイドの代わりに、スペイン人のメイド、マリアを雇います。彼らが住んでいる豪奢なアパルトマンの屋根裏には、スペインから出稼ぎにきた女性たちが助け合いながら暮らしていました 陽気で情熱的な彼女たちと話すうちに、ジャンは劣悪な環境を目の当たりにして、トイレなどを改善して感謝されます

ある日、顧客の未亡人との浮気を疑うシュザンヌに家を追い出されたジャンは屋根裏部屋で暮らし始めます それは誰からも束縛されない自由な世界だったのです。息子たちが迎えに来ますが意に介しません。やがてマリアに好意を抱くようになったジャンですが、マリアは黙ってスペインに帰国してしまいます 実は彼女には養子に出した男の子がいて、引き取っていっしょに暮らそうとしていたのです3年後、シュザンヌと離婚したジャンは一目マリアに会いたい一心でスペインにやってきます。やっとマリアの家に辿りついた彼をマリアの笑顔が迎えます

何よりもスペインの中年女性の明るく生き生きした表情がすごくいいです この映画は、人のために何かをしてあげることは、自分にきっと返ってくることを教えてくれています.観終わった後、心温まる思いがしました 残念ながらこの映画ではクラシック音楽は1曲も使われていませんが、最後にジャンがマリアに会えたので許してあげます

 

          

 

 

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カルテット・ヒムヌスでモーツアルト、ベートーヴェン、ラヴェルを聴く~JTアートホール

2012年12月21日 06時59分13秒 | 日記

21日(金)。昨日の昼休み、飯野ビルのランチタイムコンサートを聴きに行きました 出演は現在ベルリン芸術大学在学中の守重結加さん(下の写真)です

18日にイイノ・ビルテックのK社長からいただいたメールに「守重さんは17日(月)ベルリンから帰国し、その足で飯野ビルでのリサーサルに臨んだ。少しだけリハーサルに立ち合ったが、素人目にもなかなかの出来栄えと分かり、今年のイチオシである」旨が書かれていました

12時半頃ロビーに着きましたが、3曲目のショパン「練習曲作品25-2」が演奏されている最中で、流麗な演奏にロビーを行き交う人々も思わず足を止めて聴き入っていました ワルツ第2番もソナタ第3番の第4楽章も力強さの中に繊細さがあり、実力の高さを印象付けました 次いで演奏されたプ―ランク、ドビュッシーはショパンとは趣の異なる曲ですが、豊かにベーゼンドルファーを鳴らしていました立ちあがって挨拶をしたとき”小柄な人だな”と思いましたが、その小さな身体から紡ぎ出される音楽は豊穣で人を惹き付ける魅力を持っていました。いずれ、サントリーホールでリサイタルを開くことになるかも知れません 将来が楽しみな新人が一人増えました

 

          

 

   閑話休題   

 

昨夕、X部長の誘いにのって地下のR(またしても!)で、当社のK君、S建設のS、F両氏と5人で飲みました 私は7時から虎ノ門でコンサートがあるので、お酒はほどほど(ビール・ジョッキ1杯と日本酒・冷酒グラスに5杯程度)にして、いきなりおにぎりを注文してヒンシュクを買いながら1時間後には店を出ました。X部長は「おれは今夜、愛のキューピットになるんだ」と息巻いていましたが、X部長は”愛のキューピット”というより”飲むのキューピッチ”なので、当該者の行く末が心配です

 

  も一度、閑話休題  

 

JTアートホールまで歩いて行きましたが、JTビル1階でサンタクロースが出迎えてくれました。もうすぐ”メリー・クリスマス”ですね。何かと出費の多い親にとっては”ベリー・クルシミマス”ですが

 

          

 

ホールのホワイエで熱いコーヒーを飲んで、酔いを醒ましてからコンサートに臨みました

「カルテット・ヒムヌス」のコンサートを聴きました 「カルテット・ヒムヌス」は2010年に結成されたばかりの弦楽四重奏団で、東京都交響楽団、読売日本交響楽団等の若手メンバーで構成されています「ヒムヌス」とは「神への賛歌」のことだそうです。

プログラムは①モーツアルト「弦楽四重奏曲第15番二短調K.421」、②ラヴェル「弦楽四重奏曲ヘ長調」、③ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第10番変ホ長調”ハープ”」の3曲です

 

          

 

会場は7~8割程度の入りでしょうか。自席は8列4番、左ブロックの通路側で、4人がよく見える席です

1曲目のモーツアルト「弦楽四重奏曲第15番ニ短調K.421」はモーツアルトが26歳~28歳のときに作曲し、師と仰いだハイドンに捧げた6曲の弦楽四重奏曲のうち2番目の曲です ニ短調という調性は「レクイエム」と同じ調性です。憂いに満ちた曲想で、哀しみを湛えています 第1ヴァイオリンの小林朋子さんを中心に緻密なアンサンブルを紡いでいきます この人は昼に聴いた守重結加さんと同じベルリン芸術大学出身者です

2曲目のラヴェル「弦楽四重奏曲ヘ長調」は世紀が変わった1902年から03年にかけて作曲され、師であるフォーレに献呈されました 「こういう曲は、日本人は演奏は出来ても作曲は絶対できないよな」と思わせるラヴェル特有のリズム、メロディー、色彩感に溢れています 第2楽章はピチカートによる快活な音楽が印象に残ります また、第4楽章こそ、このカルテットに相応しい”青春の慟哭”とでもいうべき激しく情熱的な音楽です

休憩後のベートーヴェン「弦楽四重奏曲第10番変ホ長調」は、第1楽章に現れるピチカートの動機がハープの音色を連想させることから「ハープ」という愛称で呼ばれています

第2楽章の「アダージョ」の何という美しさでしょうか こういう音楽をいい演奏で聴くと、本当にベートーヴェンっていいなあ、と思います 一転、第3楽章「プレスト」は”運命の動機”が跳ね回るスケルツォ楽章です そして連続して演奏される第4楽章は”変奏曲”です。ベートーヴェンは一つの主題をいくつにも展開するのが得意中の得意でした 4人の演奏は溌剌としていてとても良かったです

終演後、第2ヴァイオリンの山本翔平さんが「今日は年末のお忙しい中、ぼくたちのコンサートにお越しいただき、ありがとうございました」と結婚披露宴での主催者のスピーチのように挨拶すると、すかさず客席から「いいえ、どういたしまして」という返事が返り、笑いを誘っていました。アンコールにショスタコーヴィチの「弦楽四重奏のための2つの小品」から第2曲「ポルカ」を演奏しました この曲はショスタコーヴィチらしい、諧謔的な、人をおちょくったような、しかし楽しい曲でした

4人のうち1人が女性のカルテットはハーゲン・カルテットもそうだし、私が大好きなパシフィカ・カルテットもそうです。このカルテットも彼らのように息の長い四重奏団として活躍してほしいと思います

 

          

          

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モーツアルト「ピアノソナタK.331」が流れる「ぼくたちのムッシュ・ラザール」を観る

2012年12月20日 06時57分42秒 | 日記

20日(木)。昨日の日経朝刊に「音楽回顧2012」が載りました 朝日の”回顧”と違うのは”この1年、アーティストは日本の悲劇を胸に刻んでステージに立ち、充実した演奏会を催した”という言葉に象徴されるように、昨年の3.11東日本大震災を受けて、その後来日したアーティストに焦点を当てているところです

記事は、ツィメルマンやクレーメルら大物ソリストが来日する中、小菅優、河村尚子、三浦文彰、山田和樹ら若手アーティストたちの活躍も紹介しています

この「展望」はクラシックだけでなくポピュラーも取り上げているので、紙面が窮屈な面がなきにしもあらずですが、CDの売り上げが増えているという興味深いデータも紹介しています

日本レコード協会の調査によると、1~10月の音楽ソフト生産額は前年同期比9%増の2,409億円で、通年でもプラスになる可能性が高い、としています ただし、その中身を見ると、アイドルブームが続き、シングルが昨年に続いて伸びているのに加え、単価の高いアルバムが同7%も増えているということで、クラシック音楽市場とは関係がないようです  先日、新宿のタワーレコードに行ったのですが、クラシックCD売り場が9階から10階に移され、売り場面積が縮小されていました。こういう現状を目の当たりにすると、クラシック音楽愛好家としては、気持ちが暗sickになります

 

  閑話休題  

 

高田馬場の早稲田松竹で2011年カナダ映画「ぼくたちのムッシュ・ラザール」を観ました

カナダ・モントリオールの小学校の教室で、ある冬の朝、女性教師が首を吊って死んでいるのを生徒が発見、学校側はショックを受けた生徒たちの心のケアや後任の教師探しの対応に追われます そんな時、アルジェリア系の中年教師バシール・ラザールが代用教員として採用されます。野暮な彼は時代遅れのテキストを使うなど最初は生徒たちから引いて見られますが、真面目に取り組む姿に生徒も”バシール”と呼んで馴染んでいきます しかし、保護者からの指摘で彼が移民であることがバレて学校を去らなければならなくなります 最後に女子生徒のアリスが何も言わずにラザールのところに行き、抱きしめられるシーンで映画が終わります。じわじわっと感動を呼び起こす物語です

この映画で使われている唯一のクラシック音楽はモーツアルトの「ピアノソナタ第11番イ長調K.331”トルコ行進曲付き”」第1楽章”テーマ”です ラザールがスケートリンクで行われているアイスホッケーの試合を観ながら家路につくシーンで流れます なぜ、そのシーンでモーツアルトなのか、しかも”トルコ行進曲付き”ソナタの”テーマ”なのか、監督の意図はよく分かりません この”テーマ”を基に、どんどん変奏していくことから、物語も変奏していくことを暗示しようとしたのでしょうか。実際には分かりませんが、なぜか、そのシーンにはぴったりでした

 

          

 

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シューマン、ブラームス、メンデルスゾーンの「ピアノ三重奏曲第2番」他のチケットを入手

2012年12月19日 06時58分33秒 | 日記

19日(水)。昨夕、テナントFのH氏と当社X部長と3人で地下Rで飲みました 個人的には、いつもいつも義理堅くテナントの店舗で飲まなくてもいいと思うのですが・・・・・・ せめて飲むテンポを上げようと努力しました・・・・・・ 江戸時代にそれで成功したのが天保の改革です。うそですけど 話は政権交代後の公益財団法人の行方を中心にまじめな話に終始しました。うそですけど

 

  閑話休題  

 

東京・春・音楽祭のチケットを3枚入手しました.1枚は3月20日(水・祝)午後3時から東京文化会館小ホールで開催されるチェンバー・オーケストラの公演です プログラムは①ヴィヴァルディ「ヴァイオリン協奏曲集”四季”」,②ワーグナー「ジークフリート牧歌」,③モーツアルト「交響曲第40番ト短調K.550」の3曲です ヴァイオリンはN響の堀正文,漆原啓子,小林美恵ほか,ヴィオラは新日本フィルの篠崎友美,佐々木亮ほか,チェロはN響の藤森亮一ほか,コントラバスはN響の吉田秀,フルートは高木綾子,オーボエは新日本フィルの古部賢一ほかが出演します.小編成オーケストラのモーツアルトのト短調シンフォニーはどんな演奏になるのか,楽しみです

 

          

 

2枚目は同じ3月20日午後6時から旧東京音楽学校奏楽堂(上野)で開かれる「ピアノ・トリオで聴くドイツ・ロマン派~シューマン,メンデルスゾーン,ブラームス」です プログラムは①シューマン「ピアノ三重奏曲第2番」,②メンデルスゾーン「ピアノ三重奏曲第2番」,ブラームス「ピアノ三重奏曲第2番」です.これは何と言ってもプログラムが魅力的です

 

          

 

3枚目は4月13日(土)午後6時から東京文化会館小ホールで開かれる「浄められた夜~若き名手たちによる室内楽の極み」公演です プログラムは①モーツアルト「ディヴェルティメントK.563」,②シェーンベルク「浄められた夜」で,ヴァイオリン=新日本フィル・コンマスの西江辰郎ほかです.これはモーツアルトを聴きたくてチケットを買いました

 

          

 

こうして,来年の予定がじわじわっと埋まっていくのです、はい

 

          

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流れているのは誰のヴァイオリン協奏曲?~ファスビンダー監督映画「マルタ」を観る

2012年12月18日 06時59分08秒 | 日記

18日(火)。昨日の朝日夕刊に恒例のクラシック音楽”年末回顧2012”が載っていました。吉田純子さん(たしか朝日の文化部記者)が書いています

まず、道先案内人だった音楽評論家の吉田秀和と畑中良輔の死去を振り返り、政治を乗り越えて活躍したチョン・ミュンフンの活躍を称えます そして、若手の下野竜也、山田和樹、小菅優、中村理恵らの成長を見守ります。私も彼らの演奏を聴いて成長を見守ってきた一人です

一方、同じ記事の中で3人の音楽評論家が「私の3点」を挙げています。3人に共通しているのは、各自が1つはラッヘマン、ケージ、クセナキスといった現代作曲家の曲の公演を挙げていることです。いま”クラシック音楽”と言われている音楽は、作曲された当時は”現代音楽”だったことを考えれば、あえて取り上げることは理解できます それでも「いったいどれ程の人たちがそれらのコンサートを聴いたんだろうか」と思います。それから、これらの”音楽評論家”と呼ばれる人たちは年間どれ程のコンサートを聴いて、その中から3点を選んでいるのだろうか、ということです。私の場合は今年158回クラシックのコンサートに行った計算になりますが、音楽評論家の人たちはその筋の”プロ”ですから、もっと多く通っているに違いないでしょうね

 

  閑話休題  

 

毎月第3木曜日に開かれている飯野ビル主催のランチタイム・コンサートが20日(木)12時5分から同50分まで、同ビル1階のエントランスロビーで開かれます 今回の出演者は現在ベルリン芸術大学在学中の守重結加さんです。彼女は2011年東京ピアノコンクールで第1位に輝いた将来を期待されるピアニストの一人です

プログラムは①バッハ「フランス組曲第3番BWV814」、②シューベルト「ピアノソナタD664~第1、第3楽章」、③ショパン「12の練習曲より作品25-2」、「ワルツ第2番」、「ソナタ第3番~第4楽章」、④プーランク「ナゼルの死」より変奏3”磊落と慎重”、変奏4”思索の続き”、⑤ドビュッシー「喜びの島」です

このコンサートに出場するピアニスト達は若手ですが実力は確かなものがあります。内幸町にお勤めの方はもちろんのこと、どなたでも聴くことが出来ますので、是非お出かけください 私も昼食後に駈け付ける予定です

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

渋谷のシアター・イメージファーラムで西ドイツのライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督映画「マルタ」を観ました 先日観た「マリア・ブラウンの結婚」「ローラ」に次いで3本目です。「マルタ」は1975年制作・112分の映画です

ヒロインのマルタは世間知らずのブルジョワ娘ですが、父親はマルタとイタリア旅行中にスペイン坂で心臓発作で急死します。母親は精神安定剤がないと生きられない情緒不安定な女性です マルタは知人の結婚披露宴でヘルムートと出会い結婚します。幸せな結婚生活を夢見ていたマルタを待っていたのはヘルムートの潔癖症でサディスティックな本性でした

図書館に勤めていた彼女は、ヘルムートが無断で彼女の退職届を出していたことを知ります。二人は郊外の大邸宅に住みますが、ヘルムートは彼女が外出することを禁じ、電話で友人と話していることが分かると、電話器を取り外します。淋しさを紛らしたいと猫を飼うとヘルムートが殺してしまいます とうとう我慢できなくなったマルタは図書館の知人を巻き込んで車で逃げますが、交通事故で半身不随の身体になってしまいます。それでも、ヘルマンは笑顔で見舞い、車椅子のマルタを押してエレベーターに乗って退院します。そこで映画が終わりますが、不気味です。これからマルタはどうなるのか・・・・・観客は不安なまま放り出されます      

ところで、ヘルマンとマルタが新居の大邸宅に入居した時に穏やかなヴァイオリンの調べが流れてきます だれの何という曲なのか思い出せません CDでも生でも何回も聴いたことのある有名なヴァイオリン協奏曲のアダージョ楽章なのですが、作曲者名が出てきません 最初はベートーヴェンか、と思いましたが、違います。それではブラームスか、いや違います。この映画では、その後、何度か同じメロディーが流れてくるのですが、分かりません。すこし長く演奏された場面で、シベリウスかも知れない、と思ったのですが、どうも違うようです

映画が終わり、テロップが流れて、最後の最後に作曲者と曲名が現われてやっと問題が解明しました。映画の中で流れていたのはマックス・ブルッフ作曲「ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調作品26」の第2楽章”アダージョ”でした ブルッフは1838年ドイツのケルン生まれの作曲家です。どうして思い出せなかったのか、今でも分かりません

もう1曲。マルタが一人で留守番している時にLPレコードで聴いていたのはドニゼッティの歌劇「ランメルモールのルチア」のアリアです。ヒロインのルチアは好きな男と一緒になれないことを嘆いて気が狂ってしまいますが、マルタの心象風景を象徴しているようです そのLPレコードを見たヘルマンは「ドニゼッティなんか、音楽のクズだ」と言い放ちます。そして「オルランド・ディ・ラッソを聴きなさい」と言って、自分の買ってきた宗教曲のLPレコードをかけます ラッソとはベルギー生まれの、ルネサンス後期におけるフランドル楽派の最後を飾る作曲家です。私はこの人の名前を聞くのも見るのも初めてです。ファスビンダー監督は音楽に相当造詣が深いようです

 

          

 

家に帰って、ブルッフのヴァイオリン協奏曲のCDを聴きました ネヴィル・マリナ―指揮アカデミー室内管弦楽団のバックで諏訪内晶子がヴァイオリンを弾いた1996年7月録音のCDです。これは彼女のCDデビュー盤です。瑞々しい感性でブルッフを謳い上げています

 

          

 

          

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なぜかヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲が~ファスビンダー監督映画「ローラ」を観る

2012年12月17日 06時55分33秒 | 日記

17日(月)。昨日の午後、近くの小学校に衆議院議員選挙・東京都知事選挙の投票に行きました 2時頃だったのですが、投票所には列が出来ていました。その足でクリーニング屋に行ったのですが、お店の人が「午前中に投票に行ったんですが、大勢の人が並んでいましたよ。お年寄りが多くて中々前に進まなかったのは困ったもんでしたが・・・・(この選挙で)良くなるといいですね」と言っていました。私もそう思います。良くならなければ何の意味もないですから。子供たち二人は後で揃って投票に行ったようです。とくに長男は初めての投票権の行使です。誰に、どの党に投票したのか分かりませんが、投票に行ったこと自体を誉めたいと思います

蓋を開けてみれば、事前の報道各社の世論調査の通り自民党の圧勝でした。「自公320超 安倍政権へ 民主、壊滅的敗北」:今朝の朝日の一面見出しです。ここで国民が共通して言いたいことはただ一つ”おごるな自民党”ということでしょう。ついでに言えば、何年か前に”お腹が痛い”と言って総理の立場を突然放り出したような”無責任な態度は二度と取るな” ということです。

 

  閑話休題  

 

「マリア・ブラウンの結婚」に次いで,西ドイツのライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督の映画「ローラ」を観ました 1981年制作115分の映画です

 

          

 

生真面目な新任建設局長フォン・ボームが,建設会社の経営者シュッケルトの愛人である娼婦ローラに恋します 戦後ドイツの経済復興期を背景に公私の利害が複雑に絡み合ったローラとボーム,シュッケルトとの三角関係を描いています スタンバーグ監督の「嘆きの天使」(1930年)を1950年代ドイツに置き換えて作ったと言われています タイトルロールのローラを演じるバーバラ・ズゴヴァは決して美人ではありませんが、微妙に揺れ動く女心を見事に演じています 彼女のような女優を”性格俳優”というのでしょうか

私が興味があるのは,映画の中でどんなクラシック音楽が使われているかということです この映画では建設局長フォン・ボームがヴァイオリンを弾くシーンが2度ほど出てきす.演奏しているのはヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲集”調和の霊感”から「ヴァイオリン協奏曲第6番イ短調」の第1楽章”アレグロ”です.ドイツの監督なら同じバロック音楽であればJ.S.バッハを使ってもよさそうなものですが,なぜかイタリアのヴィヴァルディを使っています 長調の明るい曲ではなく、短調特有の哀しみを湛えた曲想で、ボームのローラへの秘めた恋心を象徴しているように思えます。ボーム役のアルミン・ミューラー・シュタールの演技が素晴らしく、本当にヴァイオリンを弾いているように見えます。実は本当に弾けるのかも知れません

ファスビンダー監督作品のうち「マリア・ブラウンの結婚」「ローラ」「マルタ」は「西ドイツ三部作」と呼ばれていますが、次は残る「マルタ」を観ようと思っています

 

 

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ベートーヴェン「第9」第3楽章の流れる中で~ファスビンダー監督映画「マリア・ブラウンの結婚」を観る

2012年12月16日 07時05分40秒 | 日記

16日(日).昨日朝,巣鴨駅に向かって歩いていたところ,地蔵通り商店街入り口付近の道路に民主党の選挙カーが止まっていて,多くの私服・制服の警察官が出ていました 翌日の衆議院議員選挙を控えて野田首相が遊説に来るに違いないと思って、若い警察官を捕まえて「野田首相でも来るんですか?」と訊くと,「そうです.それで警官が駆り出されて多数出ていんです」との答えでした.時間があれば野田首相の演説を聴きたいと思ったのですが、映画に間に合わなくなってしまうので諦めました。これでいい野田

 

  閑話休題  

 

昨日,渋谷のシアター・イメージフォーラムでライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督「マリア・ブラウンの結婚」を観ました 1979年西ドイツ映画(120分)ですが,日本での公開は翌1980年2月です.私がこの映画を観るのは2度目ですが,もし初公開の年に観たとすれば32年ぶりのことになります

 

          

 

映画の冒頭はマリアとヘルマン・ブラウンが登記所で結婚式を挙げるシーンですが,その会場が爆撃されます かろうじて証人のサインをもらい二人は夫婦になります.爆撃音を縫って聴こえるのはベートーヴェンの「交響曲第9番」の第3楽章「アダージョ」です 二人は半日と一夜を共に過ごしただけで,ヘルマンは戦場に向かいます.戦争が終わり,マリアは友人のベティと一緒に夫を探しに駅に行きます.ベティの夫ウィリーは無事帰りますが,ウィリーから「ヘルマンは戦死した」と告げられます マリアは生きるために家にある貴重品と,部屋を温めるマキや母親のためのアルコールと物々交換をして生活を支えます

その後,バーで知り合った黒人ビルと付き合うようになりますが,突然,生きているはずのないヘルマンが戦場から戻り,家で仲睦まじくしている二人を目撃します.マリアがビール瓶でビルを殴り殺しますが,ヘルマンがその罪をかぶり投獄されます.マリアはいくたびかヘルマンに面会するため刑務所に通います.その間,あるきっかけで実業家に気に入られ,その会社で責任のある仕事を任せられます お金を貯めたマリアは自分の家を買い,刑期を終えて出てきたヘルマンを迎えます ガスレンジで煙草に火を点けたあと,スイッチを切らず,息を吹きかけて消したことからガスが出しっぱなしになりますが,彼女は気が付きません もう一度,マリアがタバコに火を点けたところで建物は大爆発します 苦労を重ねてやっと幸せを手に入れたマリアですが,結局は一瞬のうちに命を落とします

32年ぶりにこの映画を観て,何か所か記憶違いがあることが分かりました.私の記憶では,ベートーヴェンの第9のアダージョが流れるのは,マリアが駅で汽車を待つシーンだったと記憶していたのですが,冒頭の爆撃のシーンでした.これは意外でした 私の頭の中では、第9のアダージョはいずれ再会する夫との喜び(第4楽章”歓喜の歌”)を前にしたマリアの希望の音楽として位置づけられていました。それが実は違っていた訳です。したがって、どういう理由でファスビンダー監督が冒頭シーンで第9の”アダージョ”を使ったのか分からなくなりました

もう一つは,記憶違いか編集上の理由なのか分からないのですが,冒頭か,最後のシーンか忘れましたが,歴代の西ドイツの首相の写真が次々と爆発して散っていく場面があったと記憶しているのですが,今回のフィルムではそのようなシーンはありません

この映画では,マリアが実業家2人と食事をするシーンでモーツアルト「ピアノ協奏曲第23番変ホ長調K.488」第2楽楽章”アダージョ”が流れます 初めてこの映画を観たときにも、監督のセンスの良さを感じましたが、この選曲は素晴らしいと思います

今回あらためて観て,初めて気が付いたのはマリアが裏商人と取引をするシーンで微かな音で流れていたR.シュトラウス「バラの騎士」の伯爵夫人とオクタビアンの二重唱と,同様の場面で流れたハイドン「弦楽四重奏曲"皇帝”」第2楽章(映画では”ドイツ国家”と言っていた)の2曲です 

このように西ドイツのファスビンダー監督が「マリア・ブラウンの結婚」で使った音楽はハイドン、モーツアルト、ベートーヴェン、R.シュトラウスと、ドイツ・オーストリア系の”正統派クラシック”音楽であることが分かります

この映画はヒロインのマリア・ブラウンを演じたハンナ・シグラなくしてはあり得ない映画です 彼女はこの映画で第29回ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞しています

イメージフォーラムでは,初日来場者を対象に,先着50人に「マリア・ブラウンの結婚」非売品ボストカード(ハンナ・シグラ)をプレゼントしてくれました

 

          

 

 

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萩原麻未のシューマン「ピアノ協奏曲イ短調」再び~「明日を担う音楽家たち」チケットを入手

2012年12月15日 07時01分41秒 | 日記

15日(土).昨夕は当社の創立40周年記念パーティーが当ビル9階の日本記者クラブ「宴会場」で開かれました 経費節減の折、当社社員・OBを中心に総勢20数名のこじんまりとした会合になりました.一昨日、幹事から突然、会場にBGMを流してほしいと頼まれ、「年末だから第9ね」とほとんど悩むことなしに選曲しました 実際に第9を流してみて思うのは,パーティーにはあまり向いていない曲だということです 強いて言えばBGMとしては第3楽章「アダージョ」が”使える”と思います

ちょうど2時間ほどでパーティーがお開きになったので,タクシーに分乗して上野に向かいました OBのKさん,Sさんを交えて7人でカラオケ・スナックFで歌合戦 を繰り広げましたが,私はこの日も95点止まりで,矢折れ刀尽きて帰ってきました ただ他の6人もこれを超えなかったので,参加者一同,今年の紅白も出場を辞退することになりそうです・・・・・あっ,”紅白”って地元商店街の紅白まんじゅう争奪カラオケ歌合戦のことです

 

  閑話休題  

 

チケットを2枚買いました.1枚は来年2月8日(金)午後7時から東京オペラシティコンサートホールで開かれる「明日を担う音楽家たち」コンサートです.これはここ数年の文化庁海外研修の成果を披露する企画で4人の若手音楽家が演奏します

出演・曲目は坂口昌優のプロコフィエフ「ヴァイオリン協奏曲第2番」,大矢素子のジョリヴェ「オンド・マルトノ協奏曲」,伴野涼介のヒダシュ「ホルン協奏曲第1番」,そして萩原麻未のシューマン「ピアノ協奏曲イ短調」です

これは何はともあれ萩原麻未のシューマン「ピアノ協奏曲イ短調」にとどめを刺します.私は萩原麻未が出演するコンサートはすべて聴くという方針です.他のプログラムではプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番が面白いと思います S席3,500円,A席2,500円,B席1,000円と割安になっています

萩原麻未のシューマン「ピアノ協奏曲イ短調」を聴くのは,川口のリリアホールで聴いて以来2回目です.コンサートのチラシを丹念に見ていると、たまにこういう”掘り出し物”が見つかります。これは絶対お買い得です

 

          

  

もう1枚は4月19日(金)午後7時から東京文化会館小ホールで開催される「花房晴美 室内楽シリーズ~セザール・フランク」です プログラムは①「前奏曲,フーガと変奏曲」,②ヴァイオリンとピアノのためのソナタ・イ長調,③四手のためのポルカ,④ピアノ三重奏曲第1番です.出演は花房晴美のほか,徳永二男(ヴァイオリン),藤原真理(チェロ),花房真美(ピアノ)らが出演します これは、前回の同シリーズで”サン=サ―ンスの巻”を聴いて面白いと思ったので買いました

 

          

 

かくしてまたもやチケットが増えてしまったというお話でした

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マーラー「交響曲第1番」,モーツアルト「ピアノ協奏曲第23番」を聴く~東京藝大シンフォニーオーケストラ  

2012年12月14日 06時58分07秒 | 日記

14日(金).昨夕,上野の東京藝大奏楽堂で東京藝大シンフォニーオーケストラの第47回定期公演を聴きました プログラムは①モーツアルト「歌劇:後宮からの誘拐・序曲」,②同「ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488」,マーラー「交響曲第1番ニ長調”巨人”」の3曲です 指揮は同大学招聘教授ダグラス・ボストック,ピアノ独奏は同大学准教授の坂井千春です 入場料金は1,500円(全自由席)です

 

          

 

自由席なので出来るだけ早めに会場に着くようにと,軽食をとって上野に向かいました.上野駅の公園口を降りて東京藝大まで歩くのですが,結構距離があるのです.ちょうど6時半頃に藝大奏楽堂に着いた時には,すでに長蛇の列が出来ていました

マーラーを聴くので,出来るだけオーケストラの全容が把握できる位置がベターだということで25列13番・通路側を取りました.この会場は後方に行くにしたがい高くなるように傾斜が出来ていて,25列までいくとほぼ2階席と同じ高さになります.会場は8割方埋まっている感じでしょうか

学生たちが入場します.コンマスは田中李々さんという女性です オケは左から第1ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,第2ヴァイオリン,その後ろにコントラバスという配置で,ヴァイオリンが左右に分かれて対面する”対向配置”を取ります.指揮者のボストックが,いかにも英国紳士という風情で登場します

ボストックのタクトで1曲目のモーツアルト「後宮からの誘拐」序曲が開始されます 冒頭,まるでオケがオーケストラ・ピットに入っているようなドンシャリ的な音に聴こえましたが,この感覚は曲が進むにつれて解消されました

ピアノがセンターに運ばれ,指揮者とともにソリストの坂井千春が登場します ボストックの合図で2曲目のモーツアルト「ピアノ協奏曲第23番K.488」が開始されます.冒頭,ズンというか,不自然な音がしました.アインザッツがうまく行かなかったのかな,と思いました ただ,あとはスムーズに流れ,軽快なテンポで演奏が続きました.第3楽章に至って演奏は最高潮に達し,オケにのってピアノが気持ちよく歌っていました

休憩後,オーケストラが拡大され,”マーラー・シフト”が敷かれ,約100名の学生がスタンバイします私立の音楽大学と同様,弦楽器を中心に女性の比率が圧倒的に高いのですが,低弦にいくにしたがって男性の比率が高まり,管楽器,打楽器は男性の方が多いくらいです ただ8人のホルンの中に男性が1人しかいないのには ました.全体的に見ると,今まで見てきた学生オーケストラの中で,最も男性比率が高いオケに違いありません

ボストックの指揮で第1楽章がゆっくりと開始されます.クラリネットによる”カッコウ”も順調です 第2楽章「力強く動きをもって,しかし速すぎず」は文字通り力強い演奏で,ボストック=藝大フィルの真骨頂でした 第3楽章冒頭の”葬送行進曲”は通常コントラバス1本で演奏されますが,先日の東京音楽大学と同様,コントラバス・セクション8人全員で演奏されました

やはりこの曲のハイライトは最終楽章でしょう.フィナーレ部分でボストックは,マーラーの指示どおりホルン8人とトロンボーン,トランペット各1人を立たせて力強いメロディーを吹かせました

ところで,この第4楽章を聴いている8時57分頃,身体に揺れを感じました.オーケストラの熱演のせいか,とも思いましたが地震に違いありません 先日も洗足学園音楽大学の”幻想交響曲”を聴いている最中,地震に遭遇しましたが,最近”地震過剰”気味ですね

マーラーの交響曲はプロのオケで聴いても,学生オケで聴いても迫力ある演奏が期待できます むしろ学生オケの方が純粋で真正面から取り組むので感動を呼びやすいかもしれません.しかも入場料1,500円ですから文句なしです

 

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ベニオフ「卵をめぐる祖父の戦争」,ラファティ「昔には帰れない」,中島京子「小さいおうち」を買う 

2012年12月13日 06時59分26秒 | 日記

13日(木).昨夕,テナントNのHさん,Tさんと当社N氏,私とでFSビル地下のOで忘年会をしました Hさんは日本の情報を5か国語で世界に発信している組織のトップなので,政治,経済,文化と幅広い方面に知識のある方です 当初の予想通り,話はもっぱら,近づく衆議院議員選挙後の政局の分析など硬い内容が中心になりました.間違っても微妙な日中問題(A「日中寒いですねぇ」B「そうですねぇ」)は話題に上りませんでした 2時間半ほどでお開きとなり,衆議院に次いで解散しました その後,私は一人で都内某所で飲み続け,気が付いたら11時半になろうとしていたので,8倍,もとい,ヤバイと思って,あわてて山手線に飛び乗り,家に着いたのは日付変更線を超えていました 入浴して洗濯して夕刊読んで就寝したのは午前2時を回っていました.このようにして反省のない毎日が続きます

 

  閑話休題  

 

本を3冊買いました 1冊はディヴィッド・ベニオフ著「卵をめぐる祖父の戦争」(ハヤカワ文庫)ですこの本が最初に書店に並んだのはほぼ1年前でしたが,その時,大ベストセラーになりました タイトルから受けるインパクトが弱かったので買い控えていましたが,再び書店に平積みされているのを見て,思わず買ってしまいました 中はまだ読んでいないのでまったく分かりません

 

          

 

2冊目はR・A・ラファティ著「昔には帰れない」(ハヤカワ文庫)です 朝日日曜版の書評欄で紹介されていた本です 著者のラファティはSF界きってのホラ吹きおじさんとのことです.面白そうなので買ってみました

 

          

 

3冊目は中島京子著「ちいさいおうち」(文春文庫)です これは,何を隠そう,この本の表紙が,子供たちが小さい時に読んであげたバージニア・リー・バートン作の絵本「小さいおうち」の表紙にイメージがよく似ていたからです.それ以上の理由はありません

 

          

 

3冊とも,いま読んでいる「トスカの接吻」の後で,追ってブログで紹介していきます

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