7日(木)。昨日の日経朝刊によると、今年10月にポーランドのワルシャワで開かれる予定だった「第18回ショパン国際ピアノ・コンクール」は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて 2021年10月に延期となりました このコンクールは若手ピアニストの登竜門で、5年に一度開かれています 前回(2015年)の優勝者は韓国のチョ・ソンジン、その前の2010年はロシアのユリアンナ・アヴデ―エワでした ショパン・コンクールでの女性の優勝者は1965年のマルタ・アルゲリッチ以来45年ぶりということで世界中のクラシック界の話題となりました
ということで、わが家に来てから今日で2045日目を迎え、トランプ米大統領は5日、訪問先のアリゾナ州でABCニュースのインタビューに応じ、新型コロナウイルスの感染を防ぐ外出規制を緩めて経済活動を再開した場合に、「いくらか(死者が)出る可能性がある」と語った というニュースを見て感想を述べるモコタロです
人が死のうが 大統領選で再選されるためなら 経済を最優先するのがトランプ流だ
昨日、夕食に「筑前煮」を作りました 久しぶりに作りましたが美味しく出来ました。和食はいいですね
「注文の多い料理小説集」(文春文庫)を読み終わりました この本は、柚木麻子、伊吹有喜、井上荒野、坂井希久子、中村航、深緑野分、柴田よしきの7人の作家による、料理にまつわる短編小説集です この中で、1冊でも作品を読んだことがある作家は柚木麻子だけです
この本は次の7編から成ります
「エルゴと不倫鮨」 柚木麻子
「夏も近づく」 伊吹有喜
「好好軒の犬」 井上荒野
「色に出りけり」 坂井希久子
「味のわからない男」 中村航
「福神漬」 深緑野分
「どっしりふわふわ」 柴田よしき
第1話「エルゴと不倫鮨」は、下心たっぷりの営業部長が部下の女子社員を誘い、イタリアンワインと創作鮨の会員制レストランで楽しんでいるところに、エルゴ紐で乳呑児を抱えた女性がやってきって、店の自慢の創作料理でないメニューを大声であれこれ注文し、いい雰囲気をぶち壊して去っていくという話です 柚木麻子の作品は、先日読んだ「BUTTEER」の時も感じたのですが、料理に関する知識と表現力においては第一人者と言っても過言ではないのではないか、と思うほどです もっとも、ろくに高級レストランに行ったこともない身にとっては、それがどんな料理でどんな味がするのか全く想像できませんが この小説は女性読者の方が読んだあとスカッとするのではないかと思います
第2話「夏も近づく」は、一人暮らしをする拓実が、兄の克也から、離婚した妻との間にできた中学生の息子・葉月を預かることになり、土鍋で炊いたご飯と竹の子で作った塩オニギリなど素朴な料理を一緒に食べていく中で交流を深めていく話です 子どもの頃は具なしの塩オニギリをよく食べたものです ところでオニギリとオムスビは同じだけど、どう呼んでますか
第3話「好好軒の犬」は、スランプに陥った作家・光一郎が、妻の書いた小説を自分で書いたものとして出版社に渡そうとするまでの話です 昼食に「蕗の薹の味噌汁」と「鮪の山掛け」と「出し巻き卵」と「玉ねぎと牛肉の切り落としをソースで炒めた料理」を作ったという箇所が出てきますが、美味しそうですね 最後の料理に使うソースはオイスターソースだろうな、と思ったりしました この奥さんが小説家としてデビューする話を読みたいと思いました
第4話「色に出りけり」は江戸時代という設定で、版画の摺り師の娘・彩が、金平糖に色を付けたら面白いと語ったことをキッカケに、大きな茶会で出す和菓子の色を相談される話です 和菓子は目で見て楽しんでから食べるので、色は重要な要素だと思います 静かな上品さを感じます
第5話「味のわからない男」は、食後「美味しすぎて涙を流す」ことが売りのグルメリポーターの岩元が、舌の感覚が無くなってしまう話です(コロナではありません)。宛先を間違えてメールを送信するとトンデモナイことになるという最後の場面は恐怖だと思いました 最後は本当の”泣きレポ”です
第6話「福神漬」は、貧乏大学生が お金がないばかりに食べ物がエネルギーを採るためだけの手段になってしまっていると嘆く中で、昔食べたカレーライスと福神漬けの味を思い出す話です 今でもありますね、肉もジャガイモも人参もほとんど入っておらず、水みたいなカレーライスを出す店が
第7話「どっしりふわふわ」 は、自分が学んだ専門学校でパンの主任講師を務める朋子が20歳年下のヒロから愛を打ち明けられ、一緒にベーカリーを経営しようと誘われる話です 「どっしり」と「ふわふわ」は二人が作るパンの食感を表しています 最後は「そう来たか」と思いました。この手法は一人の小説家が一度しか使えない奥の手だな、とも
昨日、読書のBGMに流したのはリパッティのピアノ曲集(5枚組CD)です ディヌ・リパッティは1917年 ルーマニア生まれのピアニストです。アルフレッド・コルトーに師事し数々の名演を残しましたが、1950年12月、33歳の若さでジュネーヴ郊外で病死しました このアルバムには、ショパン、シューマン、バッハ、ブラームス、スカルラッティ、モーツアルト、シューベルト他の演奏が収録されていますが、何と言ってもショパンの「ワルツ集:第1番~14番」(1950年録音)が素晴らしい これほど純粋でノーブル(高貴な)演奏があるだろうか、と思うほど素晴らしい演奏です
また、リパッティの演奏したシューマン「ピアノ協奏曲 イ短調 作品54」については、4月9日付のブログ~青山通著「ウルトラセブンが『音楽』を教えてくれた」でご紹介していますが、これも名曲名演奏です