またしてもOB訪問絡み…。性的暴行事件で住友商事元社員を逮捕

2020年02月13日 16時07分20秒 | 事件・事故

OB訪問サイトとの関連は?

2019/3/27 酒井一樹  | 株式会社エイリスト 就活SWOT代表

またしても、OB訪問絡みで許されない事件が起きてしまった。

先月、大林組に所属する社会人が「OB訪問」にかこつけて就活生に猥褻行為をしようとしたと報道されたのは記憶に新しいが、今度は住友商事に所属していた社会人による性的暴行事件が報じられた。

【容疑者はすでに懲戒解雇】

事件が起きたのは就活解禁直後の3月1日〜2日にかけてであり、3月6日に住友商事が容疑者を解雇したという。
そして逮捕日である3月26日に住友商事からリリースが出されている。

2019/03/26 住友商事 当社元社員の逮捕について
当社の元社員が、就職活動中の学生に対して猥褻な行為をしたとして、本日逮捕されました。
当社はこの事態をたいへん重く受け止めており、被害にあわれた方に心からお詫び申し上げます。誠に申し訳ございません。
また、就職活動中の学生の皆様、関係者の方々にたいへんなご不安、ご迷惑をおかけすることとなり、重ねて深くお詫び申し上げます。
当社はこのような事態が二度と起こらないよう繰り返し社内徹底してまいります。

出典:https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/release/2019/group/11660/
逮捕された三好琢也容疑者は24歳であり、住友商事には入社一年目だったようだ。ネット上では同容疑者のものと思われるTwitterのログや予備校時代〜大学時代のプロフィールも見つかっており、それが本人のものであれば慶應義塾大学の体育会所属であったことなどが判明している。

【住友商事は、OB訪問を積極的に推進】

なお住友商事は昨年OB訪問マッチングサイト「ビズリーチキャンパス」と提携し、OB訪問を積極的に実施していた。 
今回の事件との関連は不明だが、本事件が同サービスでのOB登録にどのような影響が出るのかも注目が集まっている。

OB/OG訪問ネットワークサービス「ビズリーチ・キャンパス」住友商事の社員 約350名が登録
学生が社会人に会う機会を増やし、主体的なキャリア選択を支援
株式会社ビズリーチ(所在地:東京都渋谷区/代表取締役社長:南 壮一郎)は、当社が運営するOB/OG訪問ネットワークサービス「ビズリーチ・キャンパス」が、住友商事株式会社(本社:東京都中央区/代表取締役 社長執行役員CEO:中村邦晴、以下「住友商事」)に2018年2月1日より導入されることをお知らせします。
入社1年目の若手社員から中堅社員を対象に、幅広い職種の社員約350名が「ビズリーチ・キャンパス」に登録し、大学生・大学院生からの希望に応じてOB/OG訪問に対応します。

出典:https://www.bizreach.co.jp/pressroom/pressrelease/2018/0201.html
同サイトは、OBの出身大学に在籍する学生がOB訪問できる仕組みを提供しているという。
今回被害にあった学生が「地方から上京していた」という情報と、容疑者が慶應義塾大学出身だったという情報が確かであれば、OB訪問が成立した経緯はこのサービスとは無関係かもしれない。
しかし住友商事が「正式に企業としてOB訪問アプリを使用していた」という事実は波紋を呼ぶことになるだろう。

【今回の事件は準強制性交等罪で起訴】

住友商事の対応は早く、報道された時点ですでに同社員は解雇された後だった。このため「元社員」として報道されているが、猥褻行為を行った時点では社員であり、その地位を利用してOB訪問を受け付けていた事になる。
ホテルの鍵を盗み部屋に侵入したという事なので擁護する余地もない。

この手の事件が報道されるのは氷山の一角だと常々言われているが、ここまで明確に犯罪行為に走った例は珍しいのではないだろうか。
実際、今回の事件は「準強制性交等罪」とされている。
人の心神喪失や抵抗ができないことに乗じて、または暴力・脅迫によらずこれらの状態にして、性交等をする罪。刑法第178条第2項が禁じ、5年以上の有期懲役に処せられる。

出典:デジタル大辞泉
これは「非親告罪」であり、被害者による告訴がなくとも起訴ができる罪だ。
「OB訪問でセクハラを受けた」というような話とは一線を画している。

居酒屋に誘われた時点で断ることはできたかもしれないが、志望企業の社員相手に飲酒を断りづらい状況だったことも想像に難くない。
仮に「男社会なんだからお酒くらい付き合えないとやっていけない」などと志望企業の社会人に言われれば、言いくるめられてしまう学生は多いだろう。

「OBではなく女性のOGから話を聞けば良いのではないか」と思う方もいるかもしれないが、商社のように総合職のほとんどが男性という企業でOG訪問をするというのはかなり難しい。

いずれにしても、居酒屋や相手宅でのOB訪問は避けるべきだろう。
OB訪問で居酒屋を指定された時点で警戒しなければならないというのが悲しい事に現実だ。

今回は「地方からの上京」で就活をしているタイミングであり、泊まっているホテルを相手が知っていたという事も被害に遭う要因となってしまった。

【学生を守るため、企業が動くべき時が来ている】

就活解禁日の3月1日に上京し、このような被害に遭えばその後の就活に与える悪影響は計り知れない。
もちろん就活という要素を抜きにしても犯罪なのだが、到底許される行為ではなく倫理観が欠如している。

しかし学生が自衛するにも立場上限界があり、このような「危ない橋」を渡らなければならない状況を企業側が解消させるように動いていくべきだ。
その対策を怠った企業は、すでに報じられている住友商事や大林組のように不名誉な風評を得る可能性があると言えるだろう。

志望学生を守り、そのようなリスクを回避するために企業は何ができるか、その対応が今求められている。

 酒井一樹
株式会社エイリスト 就活SWOT代表
慶應義塾大学在学中、世界初の就活SNS「Dachinco!」の代表に就任。国内最大の就活SNSへと成長させた後に大学を卒業し、エグゼクティブサーチを行う人材ベンチャーに入社。役員・事業責任者などの幹部人材の採用支援に携わる。2009年にエイリストを設立し「自分の頭で考え、行動する人材を増やす事」を命題として就職情報サイト「就活SWOT( https://swot.jp )」を開設。


2019年3月27日-大林組に所属する社会人によるOB訪問事件が報道されたのは記憶に新しいが、今度は住友商事に所属していた社会人 ... この手の事件が報道されるのは氷山の一角だと常々言われているが、ここまで明確に犯罪行為に走った例は珍しいの 

住友商事「元社員」として報道されているが、猥褻行為を行った時点では社員でありその地位を利用してOB訪問を受け付けていた事になる。ホテルの鍵を盗み部屋に侵入したという事なので擁護する余地もない。 
2019/03/28 
 “「OBではなく女性のOGから話を聞けば良いのではないか」と思う方もいるかもしれないが、商社のように総合職のほとんどが男性という企業でOG訪問をするというのはかなり難しい” 

 

 


強制わいせつ容疑で逮捕、大林組社員を不起訴

2020年02月13日 16時04分05秒 | 事件・事故

大林組社員を逮捕=就活生にわいせつ容疑-警視庁

2019年02月21日 時事ドットコム

就職活動でОB訪問に来た女子大学生をマンションの部屋に連れ込み、わいせつな行為をしたとして、警視庁三田署は21日までに、強制わいせつ容疑で、大手ゼネコン大林組(東京都港区)の社員(27)=港区=を逮捕した。容疑を大筋で認めているという。
俳優新井浩文容疑者を起訴=自宅で女性に乱暴-東京地検

 逮捕容疑は1月27日、港区の自宅マンションで、就職活動の一環でОB訪問に来た20代の女子大学生にわいせつな行為をした疑い。
 同署によると、同容疑者と女子大学生は、ОBと就職活動中の学生をつなぐスマートフォンのアプリで知り合い、大林組本社近くの喫茶店で同日、初めて会ったという。同容疑者が「パソコンを見ながら説明した方がいい」などと話し、女子大学生をマンションの部屋に連れ込んだとみられる。
 同容疑者はアプリを通じ、複数の女子大学生と会っていたとみられ、同署が調べている。
 大林組の話 社員が逮捕されたことは遺憾。事実関係が明らかになったら適切な対応をする。 

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強制わいせつ容疑で逮捕、大林組社員を不起訴
2019.3.15 産経新聞

東京地検は15日、就職活動中の女子大学生を自宅に連れ込んでわいせつな行為をしたとして、強制わいせつの疑いで逮捕された大手ゼネコン大林組の男性社員(27)を不起訴処分とした。理由は明らかにしていない。

 男性は1月27日、東京都港区の自宅マンションあで大学生にわいせつな行為をしたとして、2月18日に逮捕された。2人は就活生と社会人をつなぐスマートフォンのアプリ「VISITS OB」を通じて知り合ったとみられている。

 

 

 


OB訪問はセクハラの温床か?プロに聞く「トラブルを防止する方法」

2020年02月13日 15時54分15秒 | 社会・文化・政治・経済
週刊SPA!編集部 2019.04.12 
 
今年2月、就活の一環でOB訪問してきた女子学生にわいせつな行為をしたとして、ゼネコン大林組の社員(27)が強制わいせつ容疑で逮捕された(3月、不起訴処分に)。また、3月には住友商事の元社員(24)も、OB訪問に来た女子大生に性的暴行を加え、準強制性交などの容疑で逮捕された。
 これらの事件以降、OB訪問はセクハラの温床であると話題になっている。
 それでも、学生たちはOB・OG訪問をし続けるのだろうか。就職活動事情に詳しい千葉商科大学専任講師の常見陽平氏に聞いた。
就活
※写真はイメージです(以下、同じ)
OB・OG訪問には大きなメリットがある
 
「前提として今の学生のほとんどは、OB・OG訪問をしていません。HR総研が、2018年卒生を対象に実施した調査によれば、OB・OG訪問をしない学生が7割。した人も1、2社がほとんどです」
 だが、OB・OG訪問は、「うまく使えば極めて有益な手段」だと常見氏は言う。
「会社の組織風土や内部事情の一端に触れられるし、社会人相手のマナーを身につけられ、コミュニケーション能力も鍛えられ、選考対策になるのは学生にとって大きなメリットです」
 うまく機能すればメリットの大きいOB・OG訪問だが、2000年代前半の個人情報保護法施行以来、訪問先選びの方法が様変わりしている。
「それまで大学によってはキャリアセンターにOB・OGの就職先や連絡先リストがあり、後輩たちは志望企業に勤める先輩に容易にアクセス可能でした。が、情報開示が厳しくなってから、OB・OG訪問先の開拓手段はSNSやアプリにシフトしました」
企業側や大学もトラブルを防ぐ対策を
 
就活生 女性
 冒頭の大林組のケースも、女子学生と社員はOB訪問マッチングアプリで知りあったのだ。まったく縁のない者同士が繫がる時代だからこそ、自分を守るという発想がお互いに必要になってくる。
「ツールのひとつであるマッチングアプリは、外から見えづらく個人対個人の関係になりがちです。学生が身を守るためにできることといえば、昼間に人目の届く場所で会い、不穏な話題にそれたら『あくまで会社の話を伺いたいので』と指摘する勇気を持つことですね」
 もちろん、よからぬことを考えるOB・OG側が悪いのだが、残念ながら学生側も警戒しないといけない時代なのだ。
 また、常見氏は企業側や大学のあり方についても指摘する。
「採用の場に限らず、学生と接点をもつ際には企業人の自覚をもった言動が求められます。また、大学は就活マナーだけでなく危機管理も指導し、警鐘を鳴らしていくべきでしょう」
 人手不足の日本で“イキのいい若者”は国家の宝。その芽をつぶさぬ社会でありたいものだ。
 
大林組社員によるOB訪問わいせつ事件以降、OB訪問がセクハラの温床になっていると話題になっている。では、OB訪問の現場でどんなセクハラ行為が起きているのだろうか。女子学生たちに話を聞いた。
大林組逮捕で明らかに「OB訪問の闇」
 
 就職活動の解禁を前にした2月21日、大手ゼネコン大林組の27歳の男性社員が、警視庁に逮捕された。就職活動の一環としてOB訪問に来た女子学生を自宅に連れ込み、わいせつな行為をした疑いだ。
「2人は就活生と社会人を繋ぐスマホアプリを通じて知り合い、大林組本社近くの喫茶店で会ったそうです。男は手慣れたもので、『事務所で話そう』と近くの自宅マンションに移動し、犯行に及んでいます。常習性を感じさせるその手口から警察は余罪を追及する構えでしたが、3月15日に不起訴処分となりました」(全国紙社会部記者)
 初体験の就活に不安を覚える学生心理につけ込むこうしたやり口は、大林組だけの問題なのだろうか。OB訪問におけるセクハラについて緊急調査を実施した。
女子学生の“生の声”を緊急調査
 
スーツの若い女性の後ろ姿の風景
 まず、大阪府在住の社会人1年生、内村真希さん(仮名)は就職活動を始めた大学3年生の夏、サークルの先輩経由で紹介されてOB訪問した男性から受けたセクハラについて話してくれた。
「東京の広告代理店で働きたいと考えていた時期に、サークルの2コ上の先輩を通じて、さらに上の先輩(29歳)を紹介してもらいました。最初はメールと電話で仕事や業界の話を聞いていたのですが、東京の友人に会いにいった際、せっかくなのでそのOBに挨拶しにいっちゃったんですよね……」
 さすが広告マンらしくトークは抜群。話が盛り上がり、夕食をともにすることに。そして終電後にタクシーで送ってもらう段になって男は豹変したという。
「車内で手を握られ、腰に手を回され、降りるときに抱きしめられました。嫌だったけど、面白かったし、すごい人が先輩にいるという気持ちで、このくらいならいいかと思ってしまいました」
 しかし、この一件以来、内村さんはこのOB男性からしつこくつきまとわれることになる。
勘違いする男性社員を教育するのも企業の役目
 
 こうした一部社員によるセクハラ行為は、企業のブランドイメージを激しく損なう。そのため、OB訪問時の対応マニュアルを作成するなど、対策に乗り出す企業は増えている。大手食品メーカーで採用に携わる和田理恵さん(仮名・43歳)に話を聞いた。
「OB訪問を受ける際は、どこで誰と会うかを、必ず上司と採用担当者に伝えるルールです。会う場所はできるだけ社内とし、社外で会うことになった場合は18時まで。カフェなどで会っても個室は禁止。やり取りも個人メールやLINEではなく、会社のアカウントを使うように通達しています」
 こうした厳しい制限も、「企業のイメージを守るためには仕方のないことだ」と和田さんは話す。
「職場では下っ端扱いされている自分を、年の近い後輩の女のコがわざわざ訪ねてきて『先輩いろいろ教えてください!』なんて言ってくるんだから、勘違いしちゃう20代の男性社員は多いんですよ。まだ学生ノリも抜けていないので、盛り上がると『飲みに行こう』って話になりやすいんです」
まともな会社は、社員が採用の権限を持ってない
 
面接を受ける大学生
 だが、女子学生のほうはそのあたりのケジメをしっかり線引きしており、OB訪問はあくまでも就職活動の一環という認識を持っているという。就職の話をしたいのに、酒席に誘われたり、SNSのアカウントを聞かれたりすれば、不愉快なのは当然だろう。
 和田さん自身、学生の頃に大手広告代理店のOB訪問をした際にしつこく迫られた経験がある。だからこそ、学生たちの身になって考えたいという。
「そもそも、まともな会社は、いち社員が採用や面接通過の権限なんて持っていません。『Hさせてくれたら面接通すよ』なんて言う男のいる会社に入っても、女性は絶対に幸せになれません。女子学生はOB訪問じゃなくて、OG訪問をしてみたほうがいいかもしれません。職場で女性がどういう環境で働いているか、などの現実的な話を教えてもらえるはずです」
 言わずもがな、学生がOB訪問で見るべき点は「ろくでもない社員がいないか」なのである。
― セクハラOB訪問の実態 ―
<取材・文/松嶋千春・野中ツトム(清談社) 長谷川大祐(本誌)>
 週刊SPA!編集部 週刊SPA!編集部
【常見陽平】
千葉商科大学専任講師。学生の就活、労働問題、若者論を中心に精力的に情報を発信中。
― セクハラOB訪問の実態 ―
 週刊SPA!編集部 週刊SPA!編集部
 
 
 

 


就活セクハラの温床「OB訪問マッチングアプリの闇

2020年02月13日 15時42分02秒 | 事件・事故

週刊SPA!編集部 2019.04.05 

女子学生が体験したキモい手口

大林組逮捕で明らかに「OB訪問の闇」

 就職活動の解禁を前にした2月21日、大手ゼネコン大林組の27歳の男性社員が、警視庁に逮捕された。就職活動の一環としてOB訪問に来た女子学生を自宅に連れ込み、わいせつな行為をした疑いだ。
「2人は就活生と社会人を繋ぐスマホアプリを通じて知り合い、大林組本社近くの喫茶店で会ったそうです。男は手慣れたもので、『事務所で話そう』と近くの自宅マンションに移動し、犯行に及んでいます。常習性を感じさせるその手口から警察は余罪を追及する構えでしたが、3月15日に不起訴処分となりました」(全国紙社会部記者)
 初体験の就活に不安を覚える学生心理につけ込むこうしたやり口は、大林組だけの問題なのだろうか。OB訪問におけるセクハラについて緊急調査を実施した。
女子学生の“生の声”を緊急調査

まず、大阪府在住の社会人1年生、内村真希さん(仮名)は就職活動を始めた大学3年生の夏、サークルの先輩経由で紹介されてOB訪問した男性から受けたセクハラについて話してくれた。
「東京の広告代理店で働きたいと考えていた時期に、サークルの2コ上の先輩を通じて、さらに上の先輩(29歳)を紹介してもらいました。最初はメールと電話で仕事や業界の話を聞いていたのですが、東京の友人に会いにいった際、せっかくなのでそのOBに挨拶しにいっちゃったんですよね……」
 さすが広告マンらしくトークは抜群。話が盛り上がり、夕食をともにすることに。そして終電後にタクシーで送ってもらう段になって男は豹変したという。
「車内で手を握られ、腰に手を回され、降りるときに抱きしめられました。嫌だったけど、面白かったし、すごい人が先輩にいるという気持ちで、このくらいならいいかと思ってしまいました」
 しかし、この一件以来、内村さんはこのOB男性からしつこくつきまとわれることになる。
内村さんはこの一件以降、1か月以上にわたって凄まじいLINE攻勢を受けることになるとは、夢にも思わなかった。
「内容も『また飲みたいね』とか業界の人と飲んだ自慢話など就職活動と関係ないことが大半。たまに就活ネタっぽい話になっても、『エントリーシートを出したら、上の人に伝えることはできる』とか、『もし、ウチがダメでも紹介できるところ探すから』など、頼んでないことばかり。本当にしつこいんだけど、先輩の紹介ということもあって無視もできないし、適当にはぐらかしていました」
 そんな内村さんの心中などお構いなしのOB男性は、ついに大阪出張にかこつけて、内村さんを酒席に呼び出したという。
「最悪でしたね。私が無愛想だったので腹が立ってたんでしょう。いきなり『本当に広告業界いく気あんの?』って強い口調でなじるんですよ。そのくせ、2人きりになるとすかさず私の肩に手を掛けて引き寄せて『お前には素質あると思ってんだよ。うまくいくように、オレもなんとかするから』って、アメとムチを使うんです」
 結局、内村さんがこの場から泣いて逃げ出したことで、紹介した先輩も事の次第を把握。OB男性に直接「嫌がっているので、連絡はやめてほしい」と伝え、セクハラ騒動は収まったという。
昨今のOB訪問はマッチングアプリを用いる

スマホ
 また、4件のOB訪問をした都内の大学4年生、西田千恵さん(仮名)によれば、セクハラとまでは言えない飲みや合コンに誘われる話はさして珍しくないことだという。
「20代半ばくらいで年の近いOBの方だと、話を聞くうちに砕けてくるんですよね。そうなると、じゃあ今度飲もうみたいなノリに……。セクハラというか、ナンパに近い感じでしょうか」
 友人たちとはOB訪問で会った男性をネタに、話が盛り上がることもしばしば。また、昨今は、マッチングアプリを用いて、訪問するOBを探すことが主流だという。
「マッチングアプリではナンパ目的で登録している男性もいるみたいですね。メッセンジャーのやり取りはすごくマジメだったのに、会ってみたらしつこく飲みに誘われたという話や、『ウチは私服面接だから、私服の写真送ってもらうか、私服姿が写ってるインスタとかあったら教えて』と言われた友達もいます」
 大林組の事件でも注目を集めたOB訪問マッチングアプリは、今や就活生たちにとっては日常のツール。アプリ内では企業の公式アカウントにひもづいたOBやOGだけではなく、サポーターと呼ばれる社会人も登録している。どうやら、この中に不埒な輩が紛れ込んでいるようなのである。
勘違いする男性社員を教育するのも企業の役目

 こうした一部社員によるセクハラ行為は、企業のブランドイメージを激しく損なう。そのため、OB訪問時の対応マニュアルを作成するなど、対策に乗り出す企業は増えている。大手食品メーカーで採用に携わる和田理恵さん(仮名・43歳)に話を聞いた。
「OB訪問を受ける際は、どこで誰と会うかを、必ず上司と採用担当者に伝えるルールです。会う場所はできるだけ社内とし、社外で会うことになった場合は18時まで。カフェなどで会っても個室は禁止。やり取りも個人メールやLINEではなく、会社のアカウントを使うように通達しています」
 こうした厳しい制限も、「企業のイメージを守るためには仕方のないことだ」と和田さんは話す。
「職場では下っ端扱いされている自分を、年の近い後輩の女のコがわざわざ訪ねてきて『先輩いろいろ教えてください!』なんて言ってくるんだから、勘違いしちゃう20代の男性社員は多いんですよ。まだ学生ノリも抜けていないので、盛り上がると『飲みに行こう』って話になりやすいんです」
まともな会社は、社員が採用の権限を持ってない

面接を受ける大学生
 だが、女子学生のほうはそのあたりのケジメをしっかり線引きしており、OB訪問はあくまでも就職活動の一環という認識を持っているという。就職の話をしたいのに、酒席に誘われたり、SNSのアカウントを聞かれたりすれば、不愉快なのは当然だろう。
 和田さん自身、学生の頃に大手広告代理店のOB訪問をした際にしつこく迫られた経験がある。だからこそ、学生たちの身になって考えたいという。
「そもそも、まともな会社は、いち社員が採用や面接通過の権限なんて持っていません。『Hさせてくれたら面接通すよ』なんて言う男のいる会社に入っても、女性は絶対に幸せになれません。女子学生はOB訪問じゃなくて、OG訪問をしてみたほうがいいかもしれません。職場で女性がどういう環境で働いているか、などの現実的な話を教えてもらえるはずです」
 言わずもがな、学生がOB訪問で見るべき点は「ろくでもない社員がいないか」なのである。
― セクハラOB訪問の実態 ―
<取材・文/松嶋千春・野中ツトム(清談社) 長谷川大祐(本誌)>
 週刊SPA!編集部 週刊SPA!編集部


就活セクハラに女子学生らが緊急会見「OB訪問アプリは出会い系のよう」

2020年02月13日 15時32分28秒 | 社会・文化・政治・経済

2019/12/3(火) bizSPA!フレッシュ

就活セクハラに女子学生らが緊急会見「OB訪問アプリは出会い系のよう」
左から東京大学大学院 情報学環林香里教授、上智大学法学部三浦まり教授、Voice Up Japan ICU支部山下チサトさん
 多くの学生たちが「就活」を経て、自分の理想とするファーストキャリアを選択する。

 ところが、人生の大事な分岐点である就職戦線において、女性の就活生が企業の人事担当者、あるいはOB・OG訪問といった就活に必要な情報収集をする際、セクハラやパワハラといった不当な扱いを受けるという被害が近年急増している。

 2019年2月18日には大手ゼネコン・大林組の男性社員(27)が、自宅マンションにOB訪問に来た女子大学生を連れ込み、強制わいせつ容疑で逮捕。

 3月26日には大手商社・住友商事元社員(24)が、OB訪問を希望した女子大学生を、カラオケ店の個室で大量の酒を飲ませて泥酔させた。トイレ内で胸を触り、その後、宿泊先のホテルに侵入して性的暴行を加え、逮捕されている。

「就活セクハラ」の被害を訴える記者会見
 そういった就活の深刻な実情を踏まえて、12月2日午前11時、霞が関の厚労省記者クラブにおいて、「就活セクハラ」の被害を訴える記者会見が行われた。

 会見では、東大・早稲田・慶應義塾・上智・創価・ICU(国際基督教大学)の学生有志らによるネットワークSAY(Safe Campus Youth Network)、Voice Up Japanの山下チサトさん、そして、東京大学大学院 情報学環の林香里教授、上智大学法学部の三浦まり教授らも同席した。

 また、会見には「就活中にセクハラや性暴力を受けたことがある」と証言する、現役の女性就活生AさんとBさんが登壇。その生々しい就活セクハラの実態を証言した。

「私の就活はインターンから始まり、企業面接やOB訪問などにも積極的に参加して、なんとか内定をもらえるように一生懸命努力して来たつもりです。それなのに、面接を受けた企業の社員さんとの食事会では、『君は彼氏いるの?』とか、『うちは社内結婚がとても多いから君も安心だね。だけど早めに彼氏を作らないと売れ残っちゃうぞ』というような就活にまったく関係のないことを言われてしまい、とてもショックでした」(Aさんの証言)
ハラスメント防止策に抑止力はほとんどない
 このAさんは、精神的にショックを受けつつも、「相手は自分が志望する企業の社員さん。こんな気色の悪い冗談でも笑ってごまかすしかなかった」と言う。Aさんが続ける。

「企業の人事担当者に、空気が読めない、コミュニケーションの取れない就活生だと思われてしまうと、次の選考には絶対に進めません。私はこんなツラい就活を後輩たちに経験して欲しくない。そのためには、私たちを守ってくれるきちっとした法律や指針が必要なのではないでしょうか」

 2019年の10月21日、厚労省が「職場におけるパワーハラスメントに関して雇用管理上構ずべき措置等に関する指針の素案」という指針案を示した。しかし、そこには就活生に対するハラスメント防止策について「望ましい」とだけあり、実効性のある抑止力はほとんどないというのが現状だ。

「就活アプリ」の問題点
 続いてもう一人の証言者であるBさんは、前出の大林組の男性社員が強制わいせつ容疑で逮捕されるきっかけとなった「就活アプリ」について言及する。

「『就活アプリ』を積極的に活用している学生は多いと思います。今は『OB訪問アプリ』というのが出回っていて、これは就活のアドバイスが欲しい学生と企業に勤める社会人をマッチングするアプリなんですけど、事実上、出会い系アプリのようになってしまっています。

 例えば、私が聞いているのは、アプリで知り合った社会人男性から『一緒にラブホテルに行くならエントリーシートを手伝ってやる』とか、就活のアドバイスと引き換えに性的関係を迫られるということも実態としてあるようです」

就活セクハラに女子学生らが緊急会見「OB訪問アプリは出会い系のよう」
山下チサトさん
リクルーター制度がセクハラ、パワハラの温床に
 Voice Up Japanの山下チサトさんによれば、このような就活セクハラが原因でメンタル面が不安定になってしまい、引きこもりになってしまうケースも報告されているという。

「あと最近増えているリクルーター制度(企業の人事担当者ではなく、若手社員が行う採用活動のこと)にも問題が多いと思います。これは私の肌感覚ですが、女性に対するハラスメントなどについての基本的な教育がまったくされていない。セクハラ、パワハラの温床になっている印象すらあります」(前出のAさん)

 今回の記者会見の後見人である林香里教授と三浦まり教授は、厚労省の指針には就活生がハラスメントからの保護対象に含まれていないとして、不十分であるという認識を本会見で示した。

 なお、職場のパワハラ指針に関して、2019年12月20日まで政府がパブリックコメントを募集している。これを機に「就活セクハラ」について意見があるという人は、ぜひパブコメ応募してみては。もしかしたら法改正に良い影響を与えるかもしれない。

<取材・文/永田明輝>

bizSPA!フレッシュ 編集部

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新たな感染経路も浮上…新型肺炎、中国「4億人」隔離!?

2020年02月13日 14時39分14秒 | 社会・文化・政治・経済

習政権に人民の怒り爆発「事実を伝えず…初期段階に隠蔽とはどういうことだ!」

2/10(月) 夕刊フジ

中国国内で、新型コロナウイルスが「パンデミック(感染爆発)」状態となっている。延長された春節(旧正月)休暇から、多くの企業や店舗が営業再開の予定日を迎えた10日朝時点で、中国本土での感染者は3万9000人を超え、死者は908人となった。

中国当局が、新型肺炎の発生地である湖北省武漢市をはじめ、「70都市以上」「4億人」を封鎖・隔離しているとの報道もある。「死のウイルス」について、米国や英国では「人工的」との見方もあるが、共産党独裁国家は情報を隠蔽しているのか。

新たな感染経路の可能性として空気感染の一種「エアロゾル感染」も浮上した。爆発した中国人民の怒りと、世界の不信感。中国事情に精通するノンフィクション作家の河添恵子氏が「衝撃の裏情報」に迫る緊急寄稿第3弾-。


 春節を延長した中国全土からは、交通が遮断され、人民の往来が制限され、流通が滞り“映画のセット”のような静まり返った景色がSNSを通じて次々と拡散されている。

 英国の複数メディアは、この2、3日、ロンドン大学インペリアル・カレッジ公衆衛生学部副学部長のニール・ファーガソン教授による「感染症学のモデルによると、中国では毎日少なくとも5万人が新たに新型コロナウイルスに感染し、感染者数は5日ごとに倍増すると計算した」という発言を、五月雨式に報じている。

 中国メディアの一部は「70都市が封鎖された」と報じ、英字メディアの一部は「すでに4億人が隔離されている」と報じている。各省・各都市は“封鎖式管理”という名の未曽有の自治状態になっている。

 2月上旬、新華社通信や中央電視台(CCTV)は、「習近平国家主席が党中央(北京)の指揮で一本化して、断固として従うよう指導した」「従わない者は、責任の追及に加えて法律に従い処罰される」といった内容を報じた。

 「習独裁体制の崩壊」と「国家分裂」を恐れる、習政権の焦りが見てとれる。

 ただ、習氏や李克強首相ら、中央政治局常務委員7人(チャイナセブン)が一堂に会して対策を話し合う姿は、10日以上報じられていない。

 外交部の華春瑩報道官は3日、「非常時の非日常の方法」として、前代未聞のネット上での記者会見を開いた。その際、「1月3日以降、新型コロナウイルスのアウトブレーク(集団発生)に関する情報と、予防対策について米国に計30回通知した」「真っ先に撤退したのが武漢市の米国領事館員で、米国は中国の出入国に対する包括的な制限を発表した」との不満を漏らした。

 この直後から、武漢市民のみならず中国人民の怒りが爆発した。

 「中国政府は、米国に先に伝えた?」「米国は1月3日に知り、武漢市民は1月20日、ようやく知ったのだ」「これこそが党の機密の漏洩(ろうえい)であり、湖北省政府が早々に北京に伝えていたことの証明だ!」「ウイルスの発生を開示した医師を捕まえ、人民には事実を伝えないどころか、重要な発生初期段階に隠蔽工作をしていたとはどういうことか!」

 というのも、武漢市の医療関係者8人が昨年末、SNSで「SARS(重症急性呼吸器症候群)のような症状の患者がいる」と警鐘を鳴らした。その1人、眼科医の李文亮氏(34)が、新型コロナウイルスに感染して集中治療室にいることが、CNNのインタビューで分かったのだ。

 李医師によると、情報を開示した直後、武漢市保健衛生当局が開いた緊急会議に召集され、尋問を受けたという。その後は、市内の医療機関に「いかなる組織または個人も、関連する治療情報を無断で公開してはならない」との通知、警告があった。

 さらに、1月3日には、武漢市の公安から「SNSで噂を広めた」「社会秩序を著しく損ねた」として李医師は軽犯罪に問われ、「違法行為をしない」と約束する声明への署名を迫られたという。

 その李医師は2月7日未明、新型肺炎でこの世を去った。所属する武漢中央病院が発表し、国内外で報じられた。彼の死を知った全国の人民が、「習政権への不信感」を強烈に強めたことは間違いない。

 ■米英では「人工的」「感染者激増」の解析も

 さて、米国では、ウクライナ疑惑をめぐるドナルド・トランプ大統領の弾劾裁判が5日、想定通りの「無罪」で決着した。その前後から、学者、専門家、有識者、議員らによる新型コロナウイルスに関する発信もヒートアップしている。

 ハーバード大学の公衆衛生学教授、エリック・ファイグルーディン博士は「武漢市の海鮮市場がウイルスの発生源ではない」と発信した。軍事委員会のトム・コットン上院議員は「武漢市の『P4研究室』(=中国で唯一、エボラ出血熱など、極めて危険な病原体を扱える『バイオセーフティーレベル4』の施設)からウイルスが漏れたのでは」と語った。

 米国や英国などでは、「自然発生的なウイルスではなく、人工的なウイルスの可能性が高い」「今後さらに感染者が激増する」との推測、解析は少なくない。

 トランプ氏の首席戦略官兼上級顧問を務めたスティーブン・バノン氏も3日、「米国は『中国政府が武漢で発生したこの問題を、早々から知っていた』と確信している。ところが、ダボス会議に1000人以上を派遣し、ビジネスの問題は議論したが、武漢で新型コロナウイルスが拡散されていることには言及しなかった」「新型コロナウイルスが人工で合成したものであれば、中国共産党政権はおしまいだ!」と斬り捨てた。

 習氏は7日、感染拡大についてトランプ氏と電話会談し、世界保健機関(WHO)が関係国に過剰反応しないよう呼び掛けているとしたうえで、「米国が冷静に感染状況を判断し、対応措置を合理的に決定・調整するよう希望する」と促した。

 だが、「冷酷な隠蔽」ではなく、「冷静な開示」と「“人民ファースト”の処置」を、世界の大多数が求めていることは間違いない。

 ■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『米中新冷戦の正体-脱中国で日本再生』(ワニブックス)、『世界はこれほど日本が好き』(祥伝社黄金文庫)、『覇権・監視国家-世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)など。

 

 


ソフトバンクG株急騰で孫正義の資産が「1300億円分」の上昇に

2020年02月13日 14時31分52秒 | 社会・文化・政治・経済

ソフトバンクG株急騰で孫正義の資産が「1300億円分」の上昇に

ソフトバンクグループはここ数カ月の間、不名誉な形で世界の注目を集めてきた。同社が巨額の資金を注入したウィーワークのIPOは頓挫し、ウーバーへの投資でもリターンをあげられずにいた。

しかし、ソフトバンク関連の新たなニュースが報じられたのを受けて2月7日に株価は急騰し、創業者の孫正義は大幅に資産を増やした。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は2月6日、ビリオネアのポール・シンガーが率いる「エリオット・マネジメント」が、25億ドル(約2725億円)を超えるソフトバンクグループの株式を取得し、自社株の買い戻しや投資判断の透明性の向上などを求めていると報じた。

このニュースを受けて、ソフトバンクグループの株価は7日の東京市場で7.1%上昇した。これにより孫の保有資産は約12億ドル(約1300億円)増加し、当日の取引終了時刻には216億ドル(約2兆3700億円)に達した。

現在63歳の孫はソフトバンクのグループ全体の発行株式の約4分の1を保有し、ユニクロの親会社のファーストリテイリング創業者の柳井正に次ぐ、日本で2位の富豪となっている。

6日のWSJの報道で、エリオットはソフトバンクの経営陣と面談し、100億ドルから200億ドル規模の、自社株の買い戻しを要求したとされた。ビリオネアのポール・シンガーが創業したニューヨーク本拠のエリオットは物言う株主として知られ、昨年秋には投資先の米大手通信会社AT&Tに、要求を受け入れさせていた。

関係筋によるとAT&Tに変革を迫ったのは、シンガーの息子でエリオットのロンドン支社長を務めるゴードンだったという。エリオット・マネジメントはフォーブスの取材に、同社が非公開でソフトバンクと交渉中であることを認めた。ソフトバンク側は、「当社は常に前向きな議論を株主との間で進めている」と述べた。

ソフトバンクの980億ドルという時価総額は、保有する株式の評価額を大きく下回っている。ソフトバンクは中国のアリババの発行株式の25%を保有しており、その価値は1450億ドルに達している。同社はまた、米国の通信会社スプリントの支配株を取得している。

昨年11月の決算でソフトバンクは、1981年の創業以来で最悪の四半期赤字を計上し、ウィーワークへの投資で約92億ドルの損失を計上した。さらに、もう1つの出資先のインドのホテルチェーンOYOの経営も不振が伝えられ、インドと中国で1800人を解雇したのに続き、1月に米国オフィスで360人をリストラしたと報じられている。

ソフトバンクグループの株価は、昨年夏にウィーワークのIPOが頓挫して以来、6カ月間で15%近い下落となっていた。今回のエリオット関連のニュースが伝えられる直前の2月4日には、ビジョンファンドの米国マネジングパートナーだったマイケル・ローネンが退社することが明るみに出ていた。

ローネンは2017年にゴールドマン・サックスからビジョンファンドに移籍していた。

Hayley C. Cuccinello

 

ソフトバンクグループ、ここへきて「株価急上昇」している意外なワケ

2020年02月13日 14時16分52秒 | 社会・文化・政治・経済

2/10(月)  現代ビジネス

コロナショックへの警戒感

 2月に入ってから世界の株式市場は新型コロナウイルスの猛威に翻弄され続けてきたが、ここへきてようやく市場関係者たちは平静を取り戻し始めている。

【実名公開】コロナショックの日本株、いまこそ「仕込むべき&逃げたい銘柄」全実名!

 数字は如実に物語る――。

 2月頭には新型肺炎への警戒感から2万3000円割れまで急落していた日経平均株価は、ここへきて回復。先週には今年一番の上げ幅を記録するなど、急速に株価を取り戻しつつあるのだ。

 「背景にあるのは中国政府の動き。今回の新型コロナウイルス発生を受けて市場では中国経済の先行きが見通せなくなり、投資家たちが一斉にマネー逃避していた。それがここへきて中国政府が大規模な景気刺激策を打ち出すとの報道が出てきたことで、一転してマーケットの警戒感が後退してきた。

コロナショックで円高に振れていた為替市場でも円安に揺れ戻すなど、過剰な警戒感が消えつつあることは間違いない」(アナリスト)

 そこへきて、昨年来よりもうひとつの懸念材料であった米中貿易戦争をめぐっても、中国政府が追加関税を半減させることを発表。両国関係が「最悪の事態」になることへの危機感が後退し、これがまた株高機運を高める材料となっている。

 新型コロナへの警戒感が消えたわけではないにしても、市場が平静さを取り戻し始めたことは間違いない。

逆風からの「大復活」

 では、そんな日本株市場にあって、ズバリ的中率80%を超える『Phantom株価予報AIエンジン』(財産ネット社開発・運営、詳細はhttps://phantom-ai.com/)が導き出した「今週の注目銘柄」を紹介しよう。

 まず、今週の『Phantom株価予報AIエンジン』がピックアップした大本命銘柄はソフトバンクグループ(9984)である。じつはここへきて株価が急上昇していることをご存じだろうか。

 発端は2月6日、「物言う株主」として知られる米ヘッジファンドのエリオット・マネジメントがソフトバンクグループの株を買い占めているとの報道が駆け巡ったことにある。財産ネット企業調査部長の藤本誠之氏が言う。

 「エリオットが保有しているソフトバンクグループ株は約2500億円相当で、同社株全体の約3%。エリオット側はすでにソフトバンクグループの孫正義会長兼社長ら幹部と会合をしており、ソフトバンクグループ側に株価浮揚に向けた改革を要求しているとも報じられました。これを機にソフトバンクグループの株価が急騰しているのです」

 ソフトバンクグループをめぐっては、昨年末から大きな逆風が吹き荒れていることは記憶に新しい。

 「ソフトバンクグループ傘下の通称『10兆円ファンド』のビジョン・ファンドをめぐって、大型投資先である米ウィーワークで不祥事が発覚。さらに、同じく大型投資先である米ウーバーも成長不安から株価下落するなど、ダブルパンチで痛手になっていた」(前出・藤本氏)

 そうした中にあってソフトバンクグループの株価も低迷していたわけだ。

 それが、ここへきてエリオットの登場で「大復活」しているのには明確なワケがある。

ソフトバンクグループの「株価」は安いか、高いか

 今回、エリオット側がソフトバンクグループに求めているのは、「約100億~200憶ドル相当の自社株買い」や「ビジョン・ファンドの積極的な情報開示」などとされている。

 「そもそもエリオットがソフトバンクグループに投資したのは、ソフトバンクグループの株が『割安』に放置されているとの認識があるから。実際、ソフトバンクグループの時価総額は現在約10兆円ほどあるが、じつはビジョン・ファンドが投資している先の保有株式価値などを含めた同社の『株主価値』は約25兆円にも達している。この差額である15兆円以上が株式市場で正当に評価されていないとすれば、これが是正されればソフトバンクの株価は大きく伸びる可能性があるといえる」(アナリスト)

 じつはこうした「ソフトバンク株安説」は、ほかならぬソフトバンクグループを率いる孫正義氏がかねてより主張してきたことでもある。

 「ちょうど一年前の決算会見での孫さんのプレゼンはいまでも語り草になっていて、『(ソフトバンクグループの)株価が安すぎる』と率直に胸の内を明かしたのです。その時はスクリーンに『25‐4=9? 』という数式を映し出して、保有株式の価値が25兆円あって、有利子負債が4兆円ある同社の時価総額がなぜ9兆円しかないのかと訴えて見せた。

 今回、エリオットが主張しているのもまさにこの『孫氏の論理』にかなうものであり、じつはソフトバンクグループからすればよくぞ言ってくれたという内容なのです」(前出・アナリスト)

 物言う株主が登場すると警戒する向きがいまだ日本では多いが、今回のソフトバンクグループにとっては逆風の中で突然現れた「強力な援軍」ともいえるわけだ。

携帯値引き販売規制という「追い風」…?

 ソフトバンクグループをめぐっては、ほかにも「いいニュース」が出始めている。

 「中核会社である携帯会社のソフトバンクの業績が回復しているんです。

同社が2月7日に発表した最新決算では二ケタの増益を達成して、絶好調ぶりを示したばかり。大幅増益の背景にあるのは、意外かもしれませんが政府が携帯各社に対して端末の値引き販売を制限したことです。

 端末値引き制限は携帯キャリア各社にはマイナス材料と思われていましたが、いざフタを開けてみるとこれまでの販促費がコストカットできるという効果が大きく出てきた。そこへきて新規参入が警戒されていた楽天も出遅れもあって、客離れも少なく、増収増益を達成したというわけです」(ファンドマネジャー)

 ここのところ逆風にさらされていたソフトバンクグループには一転、追い風が吹き始めたということ。同社の株価がここへきて急伸しているのには、こうした背景事情があるのだ。

 「エリオットとソフトバンクグループとの今後の展開を想定しても、いましばらく堅調相場が続きそうです」(前出・藤本氏)

 そんなソフトバンクグループと同じく、今週の『Phantom株価予報AIエンジン』が注目するのがアシックス (7936)だ。

 アシックスと言えば、『アシックス』『オニツカタイガー』ブランドのランニングシューズに強みを持つスポーツ大手。

お正月の箱根駅伝でNIKEの厚底シューズを履いたランナーの大活躍からアシックスの株価が大暴落したことが記憶に新しいが、じつはいまだに「厚底シューズ」騒動に振り回されていることをご存じだろうか。

不安定相場で「勝つ企業」「負ける企業」

 前出・藤本氏が言う。

 「箱根駅伝ショックでアシックスの株価が大きく下げましたが、その後はICOが厚底シューズを禁止の可能性と発表したことから、急反発したという経緯があります。しかし、今度は厚底シューズへの規制が決まったものの、現行のNIKEの厚底シューズは東京オリンピックで利用可能と発表されたばかり。アシックスにとっては再びの逆風であり、今後はしばらく軟調相場が続きそうです」(前出・藤本氏)

 コロナショックから立ち直りつつある日本株市場。とはいえ、ひとたびショックが起きれば大きく売られる「不安定相場」であることには変わりはない。

こうした相場環境にあっては、一斉に逃げるマネーがほんの一部の「勝ち組」企業に殺到して、多くの企業は株価急落の憂き目にあうこと必至。真に強い企業だけが生き残れる厳しいマーケットにあって、いったいどれだけの企業が勝ち残れるのか。

 そんな日本株市場にあって、今週はソフトバンクグループ、アシックスに注目したい。

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「今週のAI株価予報」とは
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 ●財産ネット社(https://zaisan.net/)が独自開発した株価予測AI『Phantom AI』が、トレンド分析し、未来の株価を計算しています●「目標株価」は、翌営業日に80%以上通過すると期待される範囲になります(225銘柄でバックテスト検証済)●「押し目買いゾーン」、「吹き値売りゾーン」は、一般的には上髭下髭エリアです。一時的に値が動いた場合、その後目標株価へ収束する可能性が高いゾーンです。ゾーンを超えて推移した場合は、当エンジンの想定を超えるイベントが発生した可能性が高くなります●この予測をもとに個別銘柄の売買を勧誘・推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。




好き嫌いの二者択一

2020年02月13日 14時05分33秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▽人間は、何をするときも、苦痛と快楽を両極に持つ物差しの間で、より快楽が多い方を選ぶことを宿命付けられている。
ジェレミー・ベンサムの言葉
▽お金をもうけるために、最大多数の最大幸福の中で、犠牲になっている少数者の存在を無視したり、切り捨てたりしている。
▽人の不幸の上に自分の幸福を築く、想像力の欠如(思いやりのなさ)。
▽働くかず、人から金を奪う人間の狡さ、安易さ。
▽好き嫌いの二者択一は、大人子どものような幼児性とも言うべきであろうか。

 


無症状感染者も強制入院などの対象に 厚生労働省

2020年02月13日 14時00分35秒 | 社会・文化・政治・経済

 発熱などの症状がない状態で新型コロナウイルスへの感染が確認された人について、厚生労働省は新たに強制入院などの対象にする方針を固めた。

【速報】無症状感染者も強制入院対象へ

 新型コロナウイルスの感染症は感染症法上の「指定感染症」だが、強制入院や就業制限、治療費の公費負担などの対象になるのは発症している人に限られている。今回、厚労省は「感染拡大の防止に万全を期す」として、政令を改め、発熱や咳など症状が出ていない感染者も強制入院など対象に加えることにした。

 これまでに政府のチャーター機で帰国した5人が無症状のまま感染を確認され、このうち2人が発症している。厚労省は、チャーター機で帰国し当初の検査で「陰性」だった人や、横浜港に停泊しているクルーズ船の乗客に対するウイルス検査を進めており、今後無症状のまま「陽性」と判定される人が出てくる可能性もある。

 政令改正案はきょう、閣議決定される見通しだ。

 

最終更新:2/13(木) 13:56
AbemaTIMES


新型コロナウイルスを「封じ込められない」理由。

2020年02月13日 11時20分21秒 | 医科・歯科・介護

2009年に世界的に流行した新型インフルエンザウイルスは、最終的に季節性インフルエンザとして生活の中に溶け込んだ。では、今、中国・武漢を発端に流行を続けている新型コロナウイルスは、この先どういった経過をたどるのか。

【全画像をみる】新型コロナウイルスを「封じ込められない」理由。最悪のケースは「国内の医療崩壊」

かつてWHOでSARS対策にも奔走した、東北大学大学院医学系研究科の押谷仁教授に、現時点でのウイルスの危険性や流行の終息までのシナリオを聞いた(取材は2月7日時点の情報を元にしたもの)。

ウイルスの危険性、現時点での対策フェーズは?

2月12日正午の段階で、中国での新型コロナウイルスへの感染者は4万4000人、死亡者数は1000人を超えた。

日本では武漢からの帰国者や外国人観光客などの感染者が29人(2月12日正午)。それとは別に横浜港に接岸したクルーズ船では、乗船者の一部である492人に対して検査を行い、174人の感染が確認されている。

ただし、致死率(感染が確認された人のうち死亡した人の割合)は中国湖北省だけでみると約2%である一方で、中国以外では0.2%程度と大きく低下する。死亡した人の多くは糖尿病や心臓病など、すでに別の病気を患っている(既往歴のある)高齢者が多い。少なくとも、健康な人が感染しても、ほとんどの人は命に危険が及ぶことはなさそうだ。

実際、中国ではすでに4000人以上の患者が回復したとの報告もあり、日本時間2月11日時点の中国の報道によると、感染者の数も2月中旬から下旬がピークとの見方がでてきた。

では、今回流行しているウイルスは、日本にとってどの程度危険なウイルスだと考えればよいのか。

押谷教授は、ウイルスの危険性について次のように話す。

「ウイルスの危険性は、ウイルスの感染性と病原性で決まります。恐らく、武漢で見えていたのは、感染者のごく一部です。感染性はSARSに比べれば高いといえます」

SARSよりも高い感染性をもつといっても、ウイルスの性質として感染力が高いとは限らない。ウイルスの感染性を決めるのは、主に次の3つの要素だ。

病原体(ウイルス)の性質

感染する人のファクター(免疫の有無など)

環境因子(交通状況や人の密集状況、公衆衛生の環境など)

中国と日本で確認されている新型コロナウイルスの遺伝子はほとんど変わらない。また、人の免疫システムにも大差はない。

となれば、日本での感染の拡大を予想する上で重要となるのは環境因子だ。

押谷教授は「日本での感染の広がり方を想定することは正直難しい」としながらも、

「新型コロナウイルスが封じ込められないウイルスであるように見えることを考えると、ウイルスの拡散がある程度起こるという前提で、臨床現場での対応を考える段階にシフトしなければならないでしょう」

と、臨床現場での対策の必要性を語った。

新型コロナウイルスを「封じ込められない」理由

新型コロナウイルスは、なぜ「封じ込められない」のか。押谷教授は、その理由を次のように話す。

「武漢では、感染者が数十人という初期段階でウイルスが見つかっています。中国にはSARSの経験があるので、そこで何らかの対策をしたはずです。しかしそれでも、対応がうまくいかなかった」

SARSが流行した際は、封じ込め対策が功を奏して世界的な大流行は回避された。しかし、封じ込め対策が成功するには条件がある。

その条件の1つが、初期の段階で典型的な症状があり、ほかの病原体による感染症と区別がつきやすいことだ。SARSの場合は、発症者の多くにウイルス性肺炎がみられ、さらに重症化しなければ感染性もなかった。

一方で、今回流行している新型コロナウイルスは、初期症状が風邪と似ており、重症化しない例が多い。加えて、症状がない状態や症状が軽い段階でも感染性があると考えられている(ただし、症状がない状態での感染頻度はよく分かっていない)。

「武漢では、流行が分かった段階で軽症者などを起点に広範にウイルスが拡大していて、気がついた時には手の付けられない状態になっていたと考えられます。

SARSは確かに“暴力的”なウイルスでしたが、制御は簡単でした。しかし、新型コロナウイルスは、見えない形で感染が拡散するウイルスである可能性が高い。だから対応が難しい」(押谷教授)

ただし、押谷教授は中国当局の初期対応については、一定の理解を示している。

「恐らくSARSに準ずる対策として、『肺炎』をキーワードに検査を進めていたのではないでしょうか。その結果見えたのは『SARSにくらべて相当楽だな』という事実だったのでしょう。私がその場にいてもそう思ったと思います。でもそれは、感染の広がりが見えていなかっただけだった」

「真っ暗なドームにある大量のボールをペンライトで」

今後想定される終息までのベストシナリオは、「中国以外での流行が終息して、ウイルスの封じ込めに成功すること」だ。しかし、この形での流行の終息について、押谷教授は厳しい見解を示す。

逆に、今後、日本での感染拡大にともなう最悪のケースは「日本での医療崩壊が起こり、救える命が救えなくなる場合」だ。

「現時点で分かっている限り、新型コロナウイルスに感染しても、高齢者や既往歴がある人でなければ重症化する可能性は低い。ただし、数は少ないものの比較的若く健康な人の死亡例も報告されているので、健康な人であっても注意は必要です。

だからこそ、本当に医療が必要な人に対して医療を提供できるような状況を整えなければいけません。日本の高い医療水準において、地域の医療現場が踏ん張ることができれば、重症者への対応はできるはずです」(押谷教授)

押谷教授は日本の現状の対応を「真っ暗な東京ドームに大量にまかれたボール(感染者)を、ペンライトで探しているような状態」と話す。

今はメディアも含めて、クルーズ船のように、たまたまボールがたくさんあった場所に注目している状況だ。ただし、海外からの人の流入は、船よりも飛行機の方が圧倒的に多い。そして、今回のウイルスの性質から考えると、空港での水際対策(温度スクリーニングなど)は、症状の無い感染者がやってきた場合は役に立たない。

日本で知らぬ間に軽症者による感染の広がりが起きていたとすると、今後、特定の地域で肺炎などの重度の呼吸器症状を発症した、多数の患者が発見される可能性がある。その場合、患者の裏には、さらに多くの軽症の感染者がいることが予想される。

未知の感染症に対しるリスク管理として、押谷教授は「日本や諸外国は『武漢と同じように、見えないところで感染が広がっているのではないか?』という想定で対策を進めるべきだろう」と話す。

医療従事者が最大限力を発揮できる体制を

2月9日、厚生労働省は、各自治体や医師会に向けて、感染症患者の入院に対応できるよう病床の確保依頼を出すなど、少しずつではあるが対応の準備を進めている。

目まぐるしく状況が変わる中で最も懸念されるのは、感染拡大の混乱によって、医療機関が圧迫されることだ。

少なくとも一部の医療機関では、マスクや消毒液の買い占めによる煽りを受けて、マスクなどの使用制限などが起きている。いざというときに最も感染リスクが高い医療従事者たちの懸念を増やしても、医療崩壊を助長するだけだ。現段階で私たちにできるのは、日々の手洗いや咳エチケットなどの小さな対策だけだ。

「今、我々は目の前のウイルスとの戦いに集中すべきで、誰が悪い、何が悪いといった議論は何の利益ももたらしません。中国やWHOを非難しても何も良いことはありません。この新型ウイルスについて最も情報を持っているのは中国ですから、中国を巻き込んで戦っていく必要があります。

それは日本国内で感染の広がりが見えるようになった場合も同じです。国が悪い、保健所が悪いなどと責任の所在を言い争っても、何の利益にもなりません」(押谷教授)

(文・三ツ村崇志)




新型コロナの流行の終息時期 WHO「見通せない」

2020年02月13日 11時05分39秒 | 社会・文化・政治・経済

2/13(木) テレビ朝日系(ANN)

新型コロナウイルスの流行の終息時期について、WHO(世界保健機関)は現時点では見通せないとの見解を示しました。

 WHO・テドロス事務局長:「中国国内での新たな感染者の数はここのところ安定してきているが、慎重に見なくてはいけないだろう」
 新型コロナウイルスの感染拡大については感染者数の増えるペースが安定してきていることから、中国の一部専門家から4月にも終息するとの声が上がっていました。しかし、WHOは「言及するのは早すぎる」と述べ、現段階でピークを迎えたのかどうかの判断や終息する時期を予測するのは困難との見方を示しました。また、2日間の会議には世界中の専門家ら約300人が参加してワクチンの開発など研究の優先順位を共有したということです。




何のために-この目的観

2020年02月13日 10時35分08秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▽音楽は人の心を<感じる力>を育てる。
▽何のために-この目的観で人生は決まる。
▽運動不足で死亡リスクは増加する。
▽年齢ではない。環境でもない。心一つで、いつでも、どこでも人生は輝く。
▽一時の判断で人に真価は測れない-渋沢栄一
経済人であるながら目先の利益にとらわれず、社会の繁栄と人々の幸福に尽くした。
▽かつてない挑戦は時に、無理解に直面する。
一喜一憂せず、長い尺度で物事を見て、信念を貫く。
▽<至誠>、つまり<誠実>の限りを尽くす以上の偉大な力はない。


終わりの感覚

2020年02月13日 09時47分30秒 | 社会・文化・政治・経済

著者ジュリアン・バーンズ (著),土屋 政雄 (訳)

商品説明

穏やかな引退生活を送る男のもとに、見知らぬ弁護士から手紙が届く。日記と500ポンドをあなたに遺した女性がいると。記憶をたどるうち、その人が学生時代の恋人ベロニカの母親だったことを思い出す。託されたのは、高校時代の親友でケンブリッジ在学中に自殺したエイドリアンの日記。別れたあとベロニカは、彼の恋人となっていた。

だがなぜ、その日記が母親のところに?―ウィットあふれる優美な文章。衝撃的エンディング。記憶と時間をめぐるサスペンスフルな中篇小説。2011年度ブッカー賞受賞作。

【ブッカー賞(2011年度)】引退生活を送る男のもとに、日記と500ポンドを彼に遺した女性がいると手紙が届く。女性は学生時代の恋人ベロニカの母親で、日記は自殺した彼の親友のものだった。別れたあとベロニカは親友の恋人となっていたのだが…。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

バーンズ,ジュリアン
1946年、イギリス・レスター生まれ。オックスフォード大学卒業。OED(オックスフォード英語大辞典)の編集者等を経て作家に。2011年、『終わりの感覚』で、四度目の候補にしてブッカー賞を受賞

土屋/政雄
翻訳家。1944年、松本生まれ。東京大学中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

話の筋自体は私には合わなかった。最後二回程ひっくり返すのだが、結末が感動的だとも芸術的だとも思えなかった。
しかしそれを補って余りある程に細部が巧い。
人物の行動や会話によって間接的に心情や思想を伝えることにおいてこの作者は天才的だと思った。
「真摯でないところがある」と言ったエイドリアンの言葉は「私たち」ではなく自分自身に対して言ったのではないかと読後思った。

 

者の世代の学生時代の思い出から、老後の現在を綴る
人生の「終わり」を見据える思いテーマながら
深刻さはなく、むしろ著者の悟りの静寂を思わせる文体
中年の自分が何度も呼んで、自分の学生時代を思い起こさせ
懐かしい気分にさせるとともに、「死」を見据えたブッタの境地の片鱗のような
示唆も感じさせる

 

今年(2013年)の「このミス」海外編第8位。

文芸評論家の池上冬樹氏がトップにランクし、「素晴らしい純文学であると同時に緊張感のある巧緻なミステリー」と評しているのを読んで、興味が湧きました。

そして、「大人向けの本屋」として名高い「代官山蔦屋書店」の方もトップに挙げて、「これはトリックではないし、誰も誰かを引っかけようなんてしてない」というコメントを読んで、さらに気をそそられました。

さらに、老境の主人公がはるか昔の学生時代を振り返る「悔恨と人生の孤独を描く戦慄の心理ミステリー」という解説を読んで、即座にショッピングカートへ入れました。

これまで「このミス」でこれはと思って読む本になかなかヒットはなかったのですが、これはスリーベースヒットやホームランには届かないまでも、文句なしにツーベースヒット。

やれトリックがどうだ、ロジカルがどうした、フェアだフェアじゃない……なんぞというレベルのミステリー談義をはるかに飛び越えた「読みで」があります。

 

この物語は主人公の目線で語られる。彼の人生、彼の価値観、彼の記憶・・・・。その記憶は本当に正しいのか。
若くして自殺した天才肌の友人エイドリアンの自殺。その真相の解明に向かって後半は物語がまるでサスペンスのように進んでいく。
その結末は、衝撃的で苦い。
記憶の濁流は、セバーン川の潮津波のように、主人公の人生の記憶を巻き戻し、濁流させ、結果、読者の読み進めてきた物語をも巻き戻し、濁流させる。
エイドリアンの自殺の真相は・・・・
結局のところ、真実は本人にしかわからない。その原因となるエピソードが解明されるにすぎない。
物語全体に細かに張り巡らせされた伏線のように、その伏線に絡め取られて、余韻が残る。

「人生を見つめて思索する責任ある個人は、求めずして与えられた贈り物を拒否する権利を持つべきだ。」

エイドリアンは、結局、この言葉にどれほどの理解があったのか。
ただ、若く世間知らずの粋がった発言だったのか・・・。

エイドリアンの生い立ちを考え、そして自殺に至ったエピソードを考える。
主人公のエイドリアンへの理解も二転三転する。そして、それも結局は受け取り手の理解にすぎない。

破天荒な人生を生きてきた人と比較的平穏な人生を生きてきた人では、この小説の評価は大きく変わるかもしれない。
読む年齢によっても変わるだろう。
ただ、ある一定の年齢になり、ふと立ち止まったとき、過去からのメッセージが悔恨とともに何度も噛みつき、
自分の人生に対する理解を大きくゆらがせる・・・。
いつの日か、その日が来るのかもしれないと深く考えさせられた。

 

じわりじわりとその痛みは広がっていく。
深く広くなのか、それとも突き刺さったところから奥へ奥へなのか。
その痛さの違いは、記憶の違いだ。
「思い出」という甘い言葉のオブラートで包もうとする事実の違いだ。

学生のときにしてしまった思いがけない出来事を
私はもう忘れてしまっていた。
それを何年も経って、かつての恋人につきつけられるまで。
彼女は、自分のかつての彼女は、
自分のかつての親友とつきあっていた。
その親友ももうこの世にいない。そう、彼は自殺したのだ。

その自殺の原因は何だったのか。
そしてなぜいま、彼女はこんなにも怒っているのか。
久しぶりにやり取りが復活しても、彼女から出てくる言葉は
「あなたは、昔も今も、わかっていない」

記憶とは、言い換えればどこかでねつ造された歴史だ。
歴史とは、ある一方からみて、記された事実で
もう一方から見ると事実ではないことがある。
それを学生時代、歴史の時代に先生から彼は教わった。彼も、彼の親友も、
学生時代の悪友たちとともに。
その授業の内容の記憶が何十年も経ち、
人生のいわば晩年を迎えた彼によみがえる。
歴史とは、記憶とは、そう思おうと自覚していようがいまいが
どこかに自身の気持ちが反映されてしまうもの。
その「真実」に思い至ったのが、もうあまりにも遅いことに気づいたこの
主人公。
そして彼=何年後かの私たちでもありうるという可能性。
それがこの小説が伝えてくれる真実、なのだ

 

S・ランプリング主演で映画化するときいて、読んでから見ようと購入。
結果、先に読んで大正解...安っぽい言い方ですが、超面白かった...
話は男性主人公のノスタルジックな一人語りから始まります。学生時代の生意気でいまとなっては恥ずかしい背伸びした思い出から、美少女ベロニカとの出会い...そこから内容が単なる思い出物語ではなくなっていきます。
読んでのお楽しみなので詳しくはかけませんが、中盤からのミステリー天下の見事さには、読んでいるだけなのに目の前で行われているかのように感じられます。
面白い小説ってこういうのをいうんだよな、と読書の魅力を再発見させてもらいました。
ちょっと自分に酔ってる主人公を、後半からそのプライドをズタズタにするような展開には、友達でもないのに赤面...
そのような作者が作った仕掛けを、最後まで緊張感が途切れず日本語に完璧に移し替えた翻訳家にも感服です。

 

前半は学生時代、後半は老いたトニーが主人公。
「人生に残された時間が少なくなれば」で始まり、
時間を無駄に費やしたくない。節約した時間を整理整頓に使いたい。
物事をうまく運べているから、混乱と乱雑を避けたい。(旨)
本の中程で(p.83-84)、晩年の生き方の吐露をしています。
そしてラスト
「人生の終わりに近づくと」で始まり、
人にはしばしば立ち尽くす時間が与えられる。(略)
他に何か間違えたことはないか。(p.183)
100ページ中に、主人公の心境を変える事実が明かされていく展開ですが、
いろいろ違和感もあります。
日記と500ポンドを譲ろうとする女性は、自分が死ぬからトニーに残した。
残さざるを得ないものも明らかになります。
それはやっかいなものなのか。(明言していませんが)
確かに難しい。完璧な人生には合わない。
しかし死んで、後に託して逃げていく形は同じに感じます。
主人公に時間を与えない。
切れのあるどんでん返しも、知ってしまうと随分みな勝手。
勝手と勝手が合わさって大きな混沌になっている。
言葉がレイプ以上の刃物だったと知る物語です。
読んでいる最中『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(村上春樹)や
『人生、ブラボー』(映画)を思い出しました。
印象は違います。

 

バーンズらしさと、らしくなさが印象に残る作品でした。らしさは、伏線や構成や機知に富んだフレーズ。らしくなさは、そのわかりやすさですが、もしかしたら「全然わかってないし、これからもわからない」だけなのかもしれませんが。
映画も先日、観ましたが、プロットや細部は原作に忠実に作られていました。ただ、原作は、やはり小説であるので、トニーを視点人物に据え、その内省を軸にして作られているため、老いることであったり、愛と性であったりに関する思索をめぐる物語になっています。
また、これは勇足の誹りを受けそうですが、トニー、ヴェロニカ、ソーニャ、エイドリアンの関係は、先生、お嬢さん、その母、Kの「こころ」の変奏曲のようにも読めました。「『こころ』大人になれなかった先生」の石原千秋さんなどは同意してくれるのでは。

 

人生の終わりに近づくと―――いや、人生そのものでなく、その人生で何かを変える可能性がほぼなくなるころに近づくと―――人にはしばし立ち尽くす時間が与えられる。
ほかに何か間違えたことはないか……。
そう自らに問いかけるには十分な時間だ。
私はトラファルガー広場で休む数人の若者を思った。
若い娘が人生で一度だけ踊っている姿を思い浮かべた。
いまとなっては知りえない、わかりえないことを思い、知りうるはずもわかりうるはずもなかったもろもろのことを思った。
エイドリアンの歴史の定義を思い、柔らかいトイレットペーパーの山に顔を埋めるようにして私を避けたその息子を思った。
卵の焼き方がぞんざいで、フライパンの中で一つが破裂しようとも気にしなかった女を思った。
その女は、しばらくして日に照らされて垂れ下がる藤の下に立ち、こっそりと、肘から下を水平に揺らすように手を振った。
そして、私は逆巻く波を思った。
月に照らされ、逆流し、川の上流に消えていく。
学生の一団が叫びながらそれを追い、暗闇の中に懐中電灯の光が行き交う。
累積があり、責任がある。
その向こうは混沌、大いなる混沌だ。

 


ベロニカとの記憶 

2020年02月13日 09時08分35秒 | 社会・文化・政治・経済

2月13日午前4時~CSテレビのムービープラスで観賞した。

監督 リテーシュ・バトラ解説

『めぐり逢わせのお弁当』などのリテーシュ・バトラ監督がメガホンを取り、ジュリアン・バーンズの小説を映画化したミステリアスな人間ドラマ。

1通の手紙をきっかけに、主人公の初恋や親友の自殺など青春の日々の裏側が明かされる。『アイリス』などのジム・ブロードベントや、『さざなみ』などのシャーロット・ランプリングのほか、ハリエット・ウォルター、ミシェル・ドッカリー、エミリー・モーティマーらが出演。

あらすじ

ロンドンで一人暮らしのトニー(ジム・ブロードベント)は、年金生活をしつつ小さな中古カメラ店を営んでいた。

彼は別れた妻マーガレット(ハリエット・ウォルター)とも良好な関係を保ち、近々シングルマザーになる娘のスージー(ミシェル・ドッカリー)のケアにも忙しい。

ある日、40年も前の初恋相手ベロニカの母親の遺品に関する通知が届く。必要な書類をそろえて相手先に送ると手紙と現金が送られてくるが、手紙に書かれていた添付品がなく……。

「ベロニカとの記憶」絶妙なキャスティングで魅せる、孤独な老人が直面する残酷な真実と微かな希望

 近年、ジュリアン・バーンズの「終わりの感覚」ほど、老いのもたらす記憶の摩滅作用、あるいはその捏造のからくりを精緻きわまりないリアルさで解剖してみせた作品はほかにない。このブッカー賞を受賞した英国小説の最高峰を、インド出身で「めぐり逢わせのお弁当」のリテーシュ・バトラ監督が映画化すると聞いた際には、当初、いささかミスマッチな組み合わせに一抹の不安を抱いたが、それは杞憂にすぎなかったようだ。

 成功の理由はなによりも主人公トニーをジム・ブロードベント、初恋の女ベロニカをシャーロット・ランプリングが演じる絶妙なキャスティングにある。

 平穏で一人きりの引退生活を送るトニーのもとに見知らぬ弁護士から手紙が届く。日記と500ポンドをあなたに遺した女性がいると――。その女性は四十年前に別れた初恋の相手ベロニカの母親だった。託されたのは高校時代の親友でケンブリッジ在学中に自殺したエイドリアンの日記で、別れた後ベロニカは彼の恋人になったが、その日記がなぜ母親のところにあったのか。

 トニーはその謎を探りながら、次第に、多感だった青春期をノスタルジックに追想し、甘美な感傷に耽り始める。
しかし、そんなトニーに冷水を浴びせるように、彼の脳裏に断片として浮かぶ記憶のことごとくが、いかに都合よく修正され、独りよがりで欺瞞に満ちた捏造の産物であったことが容赦なく暴かれる。
いわば過去に復讐されるのだ。ジム・ブロードベントは曖昧な照れ笑いで常に自己防御している、救いがたいまでに愚鈍な老人を見事に演じている。

 さらにトニーに再会し、「やっぱりあなたはわかっていない。でも、いつでもそうだった」とつぶやくときのシャーロット・ランプリングの深い諦念を漂わせる、謎めいた眼差しはやはり圧巻である。

 原作との大きな違いはトニーの娘スージー(ミシェル・ドッカリー)を出産まじかのシングルマザーにしたことだろう。
トニーは離婚した妻マーガレット(ハリエット・ウォルター)ともこの娘を介して、かろうじて親密な関係を維持しているのだ。
原作では、残酷な〈真実〉に直面した主人公を冷徹につきはなす、痛切でアイロニーに満ちたエピローグが鮮烈な印象を残す。しかし、映画は、この自己本位で孤独な老人を、時間によってゆるやかに形成された、悔恨と赦しと微かな希望が兆す円環の中に静かに解き放つのだ。(高崎俊夫)

(C)2016 UPSTREAM DISTRIBUTION, LLC

ストーリー

アンソニー・ウェブスター(トニー)はロンドンでカメラ店を経営しながら、慎ましく暮らしていた。ある日、元妻のマーガレットに頼まれて、トニーは娘のスージーと一緒に妊婦向けの講義に出ることとなった。スージーを家に送り届けた後、トニーは数日前に受け取った手紙に目を通し始めた。その手紙はサラ・フォードが住んでいた住所から送られてきたものだった。サラはトニーが学生時代に交際していた女性(ベロニカ)の母親であった。手紙を読むに、亡くなったサラはトニーに500ポンドを遺贈する心積もりだったらしい。トニーは40年以上前に数回会っただけのサラがなぜ自分に財産を残したのか分からず、途方に暮れてしまった。

昼食中、トニーはマーガレットにサラと自分の関係について語り始めた。トニーが楽しそうに思い出話をするので、マーガレットは「まるでどちらかと一夜を共にしたみたいね」と冗談を言った。トニーはそれを否定した後、10代の頃の思い出話を始めた。第6学年の頃、トニーはハンサムな青年だったが、自意識過剰なところがあった。ある日、トニーとその2人の親友は転校生のエイドリアン・フィンを自分たちの仲間に迎え入れた。フィンはとても知的な青年で、教師たちと頻繁に議論をしていた。その後まもなくして、クラスメートのドブソンが自殺したという知らせが届いた。ドブソンは恋人を妊娠させたことを苦にして自殺したのだという。アルベール・カミュの哲学を手引きに、トニーたちは自殺の哲学的な意味について議論した。その結果、ドブソンが自死を選んだのは正当ではないという結論が出た。

高校卒業後、フィンはケンブリッジ大学に進学し、トニーはブリストル大学に進学した。トニーは大学で出会ったベロニカと交際を始めた。しばらくして、ベロニカはトニーを家族に紹介した。ベロニカの父親(デヴィッド)と兄(ジャック)はやや不躾な態度でトニーに接したが、徐々に打ち解けていった。ところが、予期せぬ事態が発生した。ベロニカの母親であるサラがトニーに惹かれたらしく、露骨に誘惑し始めたのである。夕食の席で、トニーはケンブリッジに通うジャックにフィンのことを尋ねたが、彼は会ったことがないと答えた。その夜、トニーはベロニカのことを思いながら自慰をした。

翌朝、トニーが目を覚ますとベロニカがジャックやデヴィッドとともに散歩に出かけたことを知った。その結果、トニーはサラと2人きりになってしまった。朝食中、サラは再びトニーを誘惑し、「ベロニカの本性に気を付けなさいよ」と言ってきた。内心不快ではあったが、トニーはその場を適当にやり過ごした。別れ際、サラは妙な手ぶりでトニーを見送った。トニーはそれが何を意味するのか分からなかった。

トニーが大学に向かうと、そこには彼の旧友たちがいた。トニーとベロニカは彼らと楽しいひと時を過ごした。ところが、その後、ベロニカが突然別れを切り出してきた。ベロニカの心変わりの理由が分からなかったトニーだったが、フィンから「ベロニカと付き合い始めた」という手紙を受け取って憤激した。

トニーは怒りを抑え込もうとしたが、ついにコントロールできない状態に陥り、「君のお母さんに言われた通りだった。君の本性はとんでもないものだ。」という主旨の手紙を書いてしまった。

さらにはベロニカとフィン宛に「君たちが子供を作ることを願っているよ。その子は君たちの罪の代償を払うことになるだろうからね。」というおぞましい手紙を書いて送付するに至った。

数年後、トニーは第6学年時代の親友と再会し、2人からフィンが自殺したと知らされる。2人の話を聞くに、交際当初はとても幸せそうだったのだという。

トニーは「フィンがベロニカと知り合ったのは、お兄さんを介してのことだろう。お兄さんもケンブリッジに通っていたはずだ。」と言ったが、2人はどうにも納得していないようだった。その後、3人はそれぞれ別の道を歩むことになった。トニーはマーガレットと出会い、結婚することになった。

物語は再び現代に戻る。トニーはベロニカが数人の男たちと一緒にいるのを目撃し、そのうち一人がベロニカと親しげなので、その男がベロニカとフィンの間に生まれた子供なのだろうと思い、彼のあとをつける。だがその仲間から、その男はベロニカの弟で、ベロニカの母が生んだものだと告げられ愕然とする。

キャスト

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