3月5日午後2時45分からCSテレビのザ・シネマで観た。
これで観たのは2度目であるが、人生はボタンの掛け違いのように、
転げ落ちていくのであると、認識させられた。
『テルマ&ルイーズ』(Thelma and Louise)は、1991年に公開された映画。監督はリドリー・スコット、脚本はカーリー・クーリ、主演はスーザン・サランドンとジーナ・デイヴィス。
第64回アカデミー賞において6部門にノミネートされ、脚本賞を受賞し、2016年にはアメリカ国立フィルム登録簿に追加された。
しばしば「90年代の女性版アメリカン・ニューシネマ」と評されており[2][3]、また、ブラッド・ピットの出世作としても知られる。
撮影のおよそ半分はユタ州モアブ市で、また映画の終盤で主役の2人が旅をするシーンはデッドホース・ポイント州立公園で敢行されている。
アメリカの連続殺人犯アイリーン・ウォーノス元死刑囚とその恋人ティリア・ムーアの物語がモデルとされるが、これは日本の映画会社が公開時に流したデマ情報。
本作とウォーノスらの犯罪で共通しているのは「女性2人組」が「共謀(実際は主従関係)して殺人を犯す」という点だけである。
そもそもアイリーンが逮捕され、犯罪を告白したのが1991年1月。映画の撮影はその前年に行われている。
主な登場人物がアーカンソー州出身という設定のため、アメリカ南部独特の方言や俗語が頻繁に使用されている。
ゆえに、会話のジョークはアメリカ人以外には理解しがたいものも多い。本作の日本語への翻訳は、字幕は戸田奈津子、吹替は丸山垂穂がそれぞれ担当している。
ストーリー
アーカンソー州でウエイトレスとして働く中年の独身女性ルイーズは、親友で専業主婦のテルマと週末のドライブ旅行に出発する。
途中のバーでテルマは泥酔し、店の客に駐車場でレイプされかける。
助けに入ったルイーズは、テルマが護身用に持って来た銃で男を撃ち殺す。ルイーズには、レイプされ傷ついた過去があった。
テルマとルイーズはその場から車で逃走する。
メキシコへの逃亡を計画し、ルイーズは恋人のジミーと連絡を取って逃走資金を借りる。警察は目撃情報からルイーズたちの身元を割り出し、州を越えて逃げる二人を追うために、FBIに協力を依頼する。
逃走中にもかかわらず、テルマはハンサムなヒッチハイカーのJ.D.に一目惚れし、車に乗せる。
J.D.は、強盗で仮釈放中だとテルマに打ち明けて一夜をともにし、逃走資金を盗んで姿を消す。テルマは責任を感じ、J.D.の真似をして店に強盗に入り、金を作る。
逃走を続けるうちに、テルマとルイーズは人が変わったように大胆になっていく。スピード違反でパトカーに停められれば逆に警官の銃を奪い、タンクローリーのドライバーに卑猥に挑発されると、ガソリンが詰まったタンクを撃って爆発炎上させる。
テルマとルイーズはグランド・キャニオンまで逃げて、パトカーに包囲される。覚悟を決めたふたりは手を握り合い、絶壁から車ごと死の大ジャンプを決行する。
キャスト
- ルイーズ - スーザン・サランドン
- テルマ - ジーナ・デイヴィス
- ハル - ハーヴェイ・カイテル: 刑事
- ジミー - マイケル・マドセン: ルイーズの恋人
- ダリル - クリストファー・マクドナルド: テルマの夫
- マックス - スティーヴン・トボロウスキー
- J.D. - ブラッド・ピット: ヒッチハイカー
- ハーラン - ティモシー・カーハート
スタッフ
- 監督、製作:リドリー・スコット
- 製作:ミミ・ポーク
- 脚本:カーリー・クーリ
- 撮影:エイドリアン・ビドル
- 音楽:ハンス・ジマー
- 主題歌:グレン・フライ - 「Part Of Me, Part Of You」
評価
レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは75件のレビューで支持率は85%、平均点は8.00/10となった[5]。Metacriticでは12件のレビューを基に加重平均値が88/100となった[6]。
受賞/ノミネート
- 第64回アカデミー賞
- 受賞: 脚本賞
- ノミネート: 監督賞/主演女優賞(サランドン/デイヴィス共に)/撮影賞/編集賞
- 第49回ゴールデングローブ賞
- 受賞: 脚本賞
- ノミネート: 作品賞(ドラマ部門)/主演女優賞(サランドン/デイヴィス共に)
- 第45回英国アカデミー賞
- ノミネート: 作品賞/監督賞/主演女優賞(サランドン/デイヴィス共に)/オリジナル脚本賞/作曲賞/撮影賞
- 第1回MTVムービー・アワード
- ノミネート: 女優賞(サランドン単独)/コンビ賞(サランドン/デイヴィスのコンビに対し)
エピソード
- スーザン・サランドンが演じたルイーズの役は当初、女優のシェールに出演が依頼されていたが断られた。
- ブラッド・ピットは1度オーディションを落ちているが、J.D.役を演じるはずだったウィリアム・ボールドウィンが『バックドラフト』に出演することになり降板したため、急遽出演することになった[7]。また、ブラッド・ピットが演じたJ.D.の配役を選考するオーディションには、当時無名であったジョージ・クルーニーが5度参加した。結果的に役はピットが演じることとなったが、後に2人は映画『オーシャンズ11』で共演。以降プライベートにおいても深く交流する間柄となった。
- ダリル役は当初はデニス・クエイドが演じることになっていた。
- ブラッド・ピットは当時下積み生活を送っており、経済的に貧しかったがこの映画で注目され次々仕事が入ったため、生活費の心配がなくなったという。彼の当時の出演料は推定6000ドルとされている[7]。
- スーザン・サランドンは、ジーナ・デイヴィスとのキスシーンについて 「あれは性的なものではなく、絆を確かめ合うようなもの」 だったと、ドキュメンタリー映画 『セルロイド・クローゼット』 の中で語っている。
- ロックスター社が発売した『グランド・セフト・オートV』の作中には、本作のラストシーンのオマージュと思われるイベントが存在する。
- 日本国内ではDVD化以降、版権が度々変更されている。最初のDVDは2001年に20世紀フォックスエンターテイメントジャパンからリリースされたが、2002年の再発売ではMGMに権利が移行した。その後、2004年・2007年・2008年・2009年と2011年発売のブルーレイでは20世紀フォックス、2003年・2005年・2007年のDVD再発売ではMGMが権利を持ち、このほか、2006年にソニー・ピクチャーズ エンタテインメントからDVD、2014年発売のDVDと2017年発売のブルーレイはウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンからソフトが発売されている。
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