独りよがりの生き方が変わった。
苦難と戦う人々の体験を通して社会問題への意識啓発を目指す。
イギリスSGI クリシュナン・パテルさん
それまでの僕は、イギリスのプロサッカーチームに所属していた。
一流の選手たちと肩を並べてプレーしていたけれど、度重なるケガに、いつしたチームから必要とされなくなった。
アメリカの大学からオファーは、そんな時に舞い込んできた。
宝くじにでも、当たった気分だった。
だが、邸宅の住まいも期待はずれで、しかも、奨学金の話はウソだった。
その後、SGIに入会する。
信心の確信をつかむこことなる。
アメリカSGIの同志は、本当の幸せとはなにかを教えてくれた。
入会から1年がたった頃。
僕は別の大学に合格し、アラバマ州へ引っ越した。
そこでは、多くの友人をSGIの会合に招待し、仏法対話に挑戦。
その頃からだ。
友達や大学の先生、さらに初対面の人からも、悩みを相談されるようになった。
それまでは人から相談を受けたことなんて一度もない。
きっと、僕の中で何かが変わったからだと思った。
卒業後、僕はもっと多くの人のために生きたいと思うようになった。
題目をあげていると、ひらめいたことがあった。
唐突だけど、チャリティーマラソンの挑戦だ。
四つのマラソンを走りきり、集めた資金で、アフリカ・ウガンダでボランティアを行う。
SNSで発信すると、多くの人が応援してくれた。
トレーニングを重ね、2017年、僕は宣言通り、完走。
そして、ウガンダへ行き、障がいのある子や孤児院で暮らす子どもたちに、無償でサッカーを教えたんだ。
150人が学べる校舎の建設にも携わった。
イギリスの戻ったのは6年前。
200以上の仕事に応募するも、全て不採用。
さすがに途方に暮れたけれど、信心だけは疑わなかった。
転機は突然、訪れた。
ある日、こんなことを思いついたんだ。
SGIでは、皆が自らの体験を通して、誰かを励ます。
同じように、現実を生きる僕たちのストーリーで、社会に希望を送れないか―
僕は試しに、「励まし物語」と題してウェブサイトを作り、5年間のホームレス生活から脱却した知り合いの体験談を掲載した。
すると、一人の若い女性から便りが届いた。
<命を絶とうとしていましたが、体験を読み、踏みとどまりました>
以来、「励まし物語」は150以上の体験を掲載。
2万5000以上のアクセスがあり、数千ものうれしい感想が寄せられている。
また2020年には、NPO法人「励まし物語」を創設し、企業や団体、学校からの依頼に応え、ワークショップも開催。
難民やホームレスなど、困難を乗り越えた人にも体験を語ってもらうことで、社会問題への意識啓発も目指している。
僕は今、本気で一国の宿命転換を実現したいと決意している。
独りよがりであった過去を思うと、こんな未来が開けるなんて思いもしなかった。
どの瞬間も、僕を信じてくれた同志、そして池田先生―。
振り返るほど、もらった真心に、胸が熱くなる。
報恩の思いが、僕を突き動かすんだ。
僕の戦いは、まだ始まったばかり。
栄光の未来へ、きょうも走りつづけるんだ。
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