先日、アイスランドでは希少性の利益が在住の邦人にも回って来て、日本ではなかなかできないような体験をすることがある、というようなことを書きました。一昨日またそのような体験をしました。
今回は短編映画のエキストラです。「The Conquest」という短編で監督(女性)と制作はフランス人。その他は出演者やロケ地等アイスランドという仏-氷島映画です。アイスランド人の助監督の男性から直接電話があり、日本人男性のエキストラがどうしても必要なのでやって欲しい、とのこと。邦人男性は少ない在住邦人の中でも少数で、「邦人男性」という条件の場合は例外なく打診されます。まったくの棚ぼた?です。v(^_^)
数が欲しかったらしく公募もされていましたが、結局参加した邦人は私とS君という留学生の二人だけでした。平日の午後でしたし、そう簡単に集れるものでもないでしょう。S君の場合は演劇関係の勉強をしているので勉強の意味もあり納得できますが、私の場合は単に出たがりなだけです。
アイスランド人らも含めて20人弱のエキストラ軍団。他の人たちは劇団関係の人もいるらしく、顔見知りが多いようです。専用バスに集められレイキャビクから40分ほどのクレイバヴァトンという湖へ。この畔でロケです。
到着すると、電話してきた助監督がバスに現れ「皆さんの役は観光客で、バイキング・ショーを見ています。バイキングは戦いを始め、一人が勝って相手の頭を切り落として高く掲げますから、皆さんは興奮して拍手喝采してください」何と言う野蛮な話しだ。「生首は作り物ですから」当たり前だろ!
エキストラといいうのは全体の話しについてはほとんど何も知らされません。自分に言われたことをするだけです。その部分がどんな流れの中でどういう使われ方をするのかも分かりません。そういう点では少しコワイものもありますね。とんでもない作品だったらエキストラの人格まで疑われるかもしれないですから。
しばらく待たされてからいざ出陣。バスを降り20メートルはあろうかという砂の崖に近い急斜面を降りて湖畔へ。あいにくこの日はものすごい強風で、湖の方から湖畔に立っているエキストラ陣に正面から吹き付けてきます。寒いのなんの。
ポジションに付くと監督登場。フランス人の女流監督と聞いていたのでさぞかしあでやかな女性だろうと期待していたのですが、まるで昔のアニメの「アラレちゃん」そのもの。160センチとおぼしき小柄な身体に、二十歳そこそこにしか見えない童顔(事実は34歳)で、トンボ眼鏡の向こうからニコニコしながら最後の説明。
「日本人の人はショーの最後に気前良くチップをあげてください」ここでも希少性?の御利益で立ち位置が一番前になりました。「何で日本人がチップあげるんですか?」とまじめなS君。確かにそうだけど、カメラ映りが保証されるんだから。
それから小一時間。アラレちゃんは意外や?プロの監督らしく、強風と寒さにも負けず入り念に映像をチェックして「もう一度」の連発。五分ほどのカットを結局6回くらい繰り返したでしょうか?こっちはチップの小銭を掴むのが難しくなるほど指が寒さで麻痺してきました。やっとOKです。
「この短編はフランスとドイツで映画祭に出展されます。もしかしたらアイスランドでも見れるかもしれません」と助監督。ワーイ。そうだよ、アイスランドでやってくれなかったら出演してもつまらいでしょ。こんな寒い思いして。しかも無報酬で。
ところが最後の思いがけぬ難関。さっき降りた20メートル級の砂地を今度は登らなくてはならない。足下が砂の急勾配を登るのは大変なことですよ。やっとよじ登った時は息も絶え絶え。バスの入り口で助監督さんは笑顔で 一人一人に握手してくれます。「手伝ってもらってありがとう」 握手を返しながら 「ハーッ、、、ハーッ、、、」
映画とソーセージは出来たものを楽しむものであって、作ってるところを見てはいけない、って前に誰かが言ってました。でも、つまらなくはないと思いますけどね。寒風と急勾配の砂崖にめげなければ。
今回は短編映画のエキストラです。「The Conquest」という短編で監督(女性)と制作はフランス人。その他は出演者やロケ地等アイスランドという仏-氷島映画です。アイスランド人の助監督の男性から直接電話があり、日本人男性のエキストラがどうしても必要なのでやって欲しい、とのこと。邦人男性は少ない在住邦人の中でも少数で、「邦人男性」という条件の場合は例外なく打診されます。まったくの棚ぼた?です。v(^_^)
数が欲しかったらしく公募もされていましたが、結局参加した邦人は私とS君という留学生の二人だけでした。平日の午後でしたし、そう簡単に集れるものでもないでしょう。S君の場合は演劇関係の勉強をしているので勉強の意味もあり納得できますが、私の場合は単に出たがりなだけです。
アイスランド人らも含めて20人弱のエキストラ軍団。他の人たちは劇団関係の人もいるらしく、顔見知りが多いようです。専用バスに集められレイキャビクから40分ほどのクレイバヴァトンという湖へ。この畔でロケです。
到着すると、電話してきた助監督がバスに現れ「皆さんの役は観光客で、バイキング・ショーを見ています。バイキングは戦いを始め、一人が勝って相手の頭を切り落として高く掲げますから、皆さんは興奮して拍手喝采してください」何と言う野蛮な話しだ。「生首は作り物ですから」当たり前だろ!
エキストラといいうのは全体の話しについてはほとんど何も知らされません。自分に言われたことをするだけです。その部分がどんな流れの中でどういう使われ方をするのかも分かりません。そういう点では少しコワイものもありますね。とんでもない作品だったらエキストラの人格まで疑われるかもしれないですから。
しばらく待たされてからいざ出陣。バスを降り20メートルはあろうかという砂の崖に近い急斜面を降りて湖畔へ。あいにくこの日はものすごい強風で、湖の方から湖畔に立っているエキストラ陣に正面から吹き付けてきます。寒いのなんの。
ポジションに付くと監督登場。フランス人の女流監督と聞いていたのでさぞかしあでやかな女性だろうと期待していたのですが、まるで昔のアニメの「アラレちゃん」そのもの。160センチとおぼしき小柄な身体に、二十歳そこそこにしか見えない童顔(事実は34歳)で、トンボ眼鏡の向こうからニコニコしながら最後の説明。
「日本人の人はショーの最後に気前良くチップをあげてください」ここでも希少性?の御利益で立ち位置が一番前になりました。「何で日本人がチップあげるんですか?」とまじめなS君。確かにそうだけど、カメラ映りが保証されるんだから。
それから小一時間。アラレちゃんは意外や?プロの監督らしく、強風と寒さにも負けず入り念に映像をチェックして「もう一度」の連発。五分ほどのカットを結局6回くらい繰り返したでしょうか?こっちはチップの小銭を掴むのが難しくなるほど指が寒さで麻痺してきました。やっとOKです。
撮影の合間にポーズを取るバイキング
ちょっと卑猥なバイキング踊りもウケてました。
ちょっと卑猥なバイキング踊りもウケてました。
「この短編はフランスとドイツで映画祭に出展されます。もしかしたらアイスランドでも見れるかもしれません」と助監督。ワーイ。そうだよ、アイスランドでやってくれなかったら出演してもつまらいでしょ。こんな寒い思いして。しかも無報酬で。
ところが最後の思いがけぬ難関。さっき降りた20メートル級の砂地を今度は登らなくてはならない。足下が砂の急勾配を登るのは大変なことですよ。やっとよじ登った時は息も絶え絶え。バスの入り口で助監督さんは笑顔で 一人一人に握手してくれます。「手伝ってもらってありがとう」 握手を返しながら 「ハーッ、、、ハーッ、、、」
映画とソーセージは出来たものを楽しむものであって、作ってるところを見てはいけない、って前に誰かが言ってました。でも、つまらなくはないと思いますけどね。寒風と急勾配の砂崖にめげなければ。