レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

結婚か同棲か?

2012-10-29 05:00:00 | 日記
今回はアイスランドでの結婚事情を紹介しましょう。言わずもがなですが、日本とは大分事情が異なっていると思います。前にも書きましたが、結婚とは社会のシステムやそれまでの習慣に深く関わっているので、「結婚」というトピックだけを取り上げて論じることの意義には限りがあると思います。あくまでもその枠の中での参考にしてください。

ここ二、三年の統計をグーグルしてみたのですが、2009年に婚姻届けを出したペアは1.480組。これは例年より大分少なく(経済恐慌の影響?)、年平均は大体1.600組くらいのようです。

逆に2009年に離婚届を出したペアは550組。離婚率の年平均は大体36%くらいとのことです。この数字は高いように見えますが、実は日本と変わらないようです。日本の統計を見ると例えば2008年の離婚率は0.2%とかなっていますが、これは全人口に対しての離婚人口ということで、あまり意味がありません。ある年の離婚件数を婚姻件数で割ると(先のアイスランド統計もこの方式)三割台に乗るとのことです(要検証)。これはちょっと、私の方がビックリです。

さて、アイスランドが日本と大きく違うのは「同棲」というものがきちんと社会のシステムの中に組み込まれていることです。同棲にも二種類あり、ひとつは何となくというか、勝手に一緒に住んでいる場合。もうひとつはちゃんと「同棲ペア」として届け出をするものです。後者の場合は、法的な権利の面では結婚している夫婦と何ら変わるところがありません。

先と同じく2009年を例に取りますと、1.735組が同棲の届け出を出しています。反面破局した同棲は703組。統計資料ではわざわざ注釈がついていて、「(届け出した)同棲は三年以内に解消する率が51%と、結婚より早く終わる率が高い」とのことです。

その理由のひとつはおそらく同棲を始める年齢が結婚よりは早いということにあるでしょう。つまり多くの若者が結婚に先立って届け出同棲を始めます。その中の半数は「この人ではなかった」という結論に達し、あとの半数はそのまま同棲で突っ走るか、しばらくしてから「結婚しようか?」ということになるわけです。夫婦となったペアの83%が、この「届け出同棲」から共同生活を始めたとのことです。

結婚する場合に提出する公的な書式があるのですが、そこでも「同棲期間XX年」と記入すべき欄があります。ある意味で言えば、同棲は共同生活の試験運転ということもできるでしょう。他者と(たとえ愛する人であっても)一緒に暮らすとはどういうことなのか?自分はどう変わるべきなのか?等々のことを学ぶ時期でもあるようです。

ちなみに届け出同棲を始める平均年齢ですが、男性は29.5歳、女性は27.3歳。結婚の平均年齢(初婚のみ)は男性34.5歳、女性が31.8歳ということです。

アイスランドでは夫婦同一姓ではありません。(ちなみに親子同一姓でもありません。なぜかというと、ここではいわゆる「名字」がないのです。男の子が生まれると名字の代りに「誰々の息子」、女の子が生まれれば「誰々の娘」という名字もどきがつけられます。例えばJónというファーストネームの人の息子はJónsson,娘ならJónsdóttirとなります。例外的に名字を持っている人もいます。大体いいお家柄の人たちです。外国人も例外になり得ます。私の子供たちはTomaという名字を得ています。)

話しが脱線しました。夫婦同一姓ではないため、傍からあるペアが結婚しているか、同棲しているカップルなのかは分かりません。何年一緒にいるとか、子供がいるかいないかも全く関係ありません。結婚式で自分たちの子供を三人も四人もぞろぞろ連れて入場してくる新郎新婦も珍しくはないです。

私自身がこの春に挙式を担当したカップルももう二十年以上も同棲していると言っていました。二人とも再婚で六十代前半でした。「今、結婚するのは何か特別な理由があるのですか?」と尋ねると御主人の方が「そろそろ身の回りのことをきちんとひとつひとつ整理していく時期になったからね」という返事。
なんか深~いものを感じました。



コメント (1)
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