先日ASIという日本の連合のようなナショナル・センターが、アイスランド人の生活状況をフィンランドを除く他の北欧諸国と比較した報告書を発表しました。確か四年毎に行っている調査レポートです。
新聞で要約を見ただけなので、詳細が不明な点が多々あるのですが、日本から見ると往々にして「ひとまとめ」に見えてしまう北欧諸国の違いを知るためのひとつの手がかりにはなると思います。
新聞に出ていた要約は主に職業の分野別に見る収入の比較です。アイスランドでの収入の平均を100とした場合の国別の数値がどれほどになるか、というものです。
例えば専門職でない個人の収入の比較を見ますと、アイスランドが100として、スウェーデンは119、デンマーク135、ノルウェーが141ということです。
専門職の個人では、スウェーデン133、デンマーク142、ノルウェー159で、これは一番差が顕著なグループでした。
専門職でない職に就いていて、子供がふたりいる夫婦の場合。スウェーデン129、デンマーク136、ノルウェー148となります。
ざっと平均してみると、アイスランドが100の場合、スウェーデンが125、デンマークが135、ノルウェーが150と言う感じです。
ノルウェーが一番豊かですね。アイスランド人の収入の1,5倍あることになります。
経済破綻後、実際にノルウェーに移って行ったアイスランド人は多いのですが、個人的に、またメディアを通して聞く言葉は「ノルウェーの方が生活が楽だ」というポジティブな感想がほとんどです。
ちなみにノルウェー等に移っていった人達は、生活が苦しくて、と言う人ももちろんありますが、資格や技術を持つ、高収入を得ることが出来る人が多いのです。例えば多くの医師が移ってしまい、アイスランドは日本とは別の理由での医師不足になっています。
報告書では「アイスランド人は北欧国の平均的な生活を維持するために、かなりの長時間の労働をするはめになっている」と注釈しています。
この他目に付いたことは、低・平均所得者層に対する所得税の割合がアイスランドが一番高いこと。逆に高所得者層に対する所得課税はアイスランドが42%で一番低く、スウェーデンが57%で一番高いと言うようなことでしょうか。
ただ、ASIの専門家は収入別の課税による負担の実際は、それほど単純ではなく多角的に見ないといけない、とコメントしています。例えば最低所得層に関しての実際の負担はアイスランドでは他の北欧諸国に較べて「相当軽い」のだそうです。
「アイスランドは経済生活の様々な点で、北欧の列車に乗り遅れている」と言うのが報告書の総括的な見出し。
そうは言ってもですねえ、国家経済が恐慌で破綻してからまだ四年余りですからね。対等な比較なんてできるわけがないじゃん、と思うのですが。すっかり忘れているような風の物言い。
そう言えば「生活の基礎を見直す」「豊かさとは何かを考え直す」とか言っていた恐慌直後の殊勝な態度はどこへやら。「破綻している国には見えない」と旅行者の方々がおっしゃるように、生活ぶりは元へ戻っている気がします。
アイスランド的楽天主義なのか、単にバカなのか。(失礼) 一抹の不安がよぎる今日この頃でありました。
新聞で要約を見ただけなので、詳細が不明な点が多々あるのですが、日本から見ると往々にして「ひとまとめ」に見えてしまう北欧諸国の違いを知るためのひとつの手がかりにはなると思います。
新聞に出ていた要約は主に職業の分野別に見る収入の比較です。アイスランドでの収入の平均を100とした場合の国別の数値がどれほどになるか、というものです。
例えば専門職でない個人の収入の比較を見ますと、アイスランドが100として、スウェーデンは119、デンマーク135、ノルウェーが141ということです。
専門職の個人では、スウェーデン133、デンマーク142、ノルウェー159で、これは一番差が顕著なグループでした。
専門職でない職に就いていて、子供がふたりいる夫婦の場合。スウェーデン129、デンマーク136、ノルウェー148となります。
ざっと平均してみると、アイスランドが100の場合、スウェーデンが125、デンマークが135、ノルウェーが150と言う感じです。
ノルウェーが一番豊かですね。アイスランド人の収入の1,5倍あることになります。
経済破綻後、実際にノルウェーに移って行ったアイスランド人は多いのですが、個人的に、またメディアを通して聞く言葉は「ノルウェーの方が生活が楽だ」というポジティブな感想がほとんどです。
ちなみにノルウェー等に移っていった人達は、生活が苦しくて、と言う人ももちろんありますが、資格や技術を持つ、高収入を得ることが出来る人が多いのです。例えば多くの医師が移ってしまい、アイスランドは日本とは別の理由での医師不足になっています。
報告書では「アイスランド人は北欧国の平均的な生活を維持するために、かなりの長時間の労働をするはめになっている」と注釈しています。
この他目に付いたことは、低・平均所得者層に対する所得税の割合がアイスランドが一番高いこと。逆に高所得者層に対する所得課税はアイスランドが42%で一番低く、スウェーデンが57%で一番高いと言うようなことでしょうか。
ただ、ASIの専門家は収入別の課税による負担の実際は、それほど単純ではなく多角的に見ないといけない、とコメントしています。例えば最低所得層に関しての実際の負担はアイスランドでは他の北欧諸国に較べて「相当軽い」のだそうです。
「アイスランドは経済生活の様々な点で、北欧の列車に乗り遅れている」と言うのが報告書の総括的な見出し。
そうは言ってもですねえ、国家経済が恐慌で破綻してからまだ四年余りですからね。対等な比較なんてできるわけがないじゃん、と思うのですが。すっかり忘れているような風の物言い。
そう言えば「生活の基礎を見直す」「豊かさとは何かを考え直す」とか言っていた恐慌直後の殊勝な態度はどこへやら。「破綻している国には見えない」と旅行者の方々がおっしゃるように、生活ぶりは元へ戻っている気がします。
アイスランド的楽天主義なのか、単にバカなのか。(失礼) 一抹の不安がよぎる今日この頃でありました。