今回もアイスランド刑務所事情の続きです。が、今回のトピックがこの刑務所事情をお知らせしようと思ったきっかけです。それは刑務所での「空き不足」ということです。
アイスランドには六ヶ所の刑務所があり約150人の囚人を収容できます。加えて新しい刑務所の建設(56人収容)が現在進行中です。完成すれば全体で200人強の収容力ですね。
この経済難の中にも関わらず新しい刑務所の建設が進んでいるということは、それだけそのニードが大きくかつ現実的であることを示しています。それもそのはずです。本来刑務所内にいるべきなのに「空き」がないために、「シャバ」で「ムショ入り」を待っている人が456人もいるというのです。
パーセントで言えば全受刑者の75%が塀の外にいると言うことになります。456人が背負っている判決の総数は595。ひとりでふたつ以上の罪の判決を受けている人がいますからね。
このニュースにはかなりびっくりさせられました。まず考えたことは「そんなんで大丈夫なのか?」ということでした。つまり殺人犯や性犯罪者がその辺でのんびりしている?っていう心配です。
ニュースの後の方で刑務所を統括する機関の長官が説明を加えていました。彼によると、服役刑と言ってもピンからキリまである。殺人や性犯罪、麻薬の取引の元締め、再々犯などはシリアスな刑と見なされ、そのような刑を受けている者はただちに刑務所へ送られる。だから、非常に危険な予備役?囚人が通りを歩いているということはない、とのことです。
もちろん、それでも456人の刑確定者が塀の外にいることは事実ですので、当局としてもただ新しい刑務所の完成を待っているだけではありません。
対策のひとつは軽度な犯罪での服役が確定している者を、刑務所外での社会奉仕事業へ従事させ、その者の刑期の一部に換算するということだそうです。これは「服役か奉仕か」という選択が許される程度の罪の者に対しては、既に多くの国で実施されているシステムだと思いますが、アイスランドの場合はそれを服役確定者に対しても用いよう、ということのようです。
もちろんどこかへトンズラされては困りますから、足首にGPSのような所在確認用電波を発するバンドが付けられるそうで、これはうまく機能している、と刑務所統括オフィスの長官は述べていました。
さてもうひとつ気になったのは、順番待ちをしている刑確定者の人達は、ムショ入りまでの間、何をしているのか?ということでした。新聞の報道ではあまり明確に記されていませんでした。
そこで受刑者とその家族のために専門に働いている同僚の牧師さんにその点を尋ねてみました。彼によると刑確定者は順番待ちの期間、学校に行ってもいいし働いてもいい。つまり普通にしていて良いのだそうです。もちろん海外旅行とかはできないでしょうし(確認してませんが)、制限はあるのでしょうが。服役が確定しているのに、仕事をクビにならない、と言うのも沈思黙考あるいは議論の課題ですね。ビックリすべきなのか?そうあるべきなのか?
アイスランドはちいちゃな社会なので人々の間に距離がない、ということは何度もお話ししました。庶民と政治家の距離も短いですし、庶民と人気歌手や有名作家との距離も短いです。
これをプラスの方向と考えるなら、マイナスの方向にも距離が短いということは当然かもしれません。服役刑を受けている人達が、日常生活で身近にいるということもまた、アイスランド的現実の一部なのです。
服役刑を科せられる人達だって千差万別でしょう。本当に悪いヤツもいるし、たまたま誘惑に負けて罪を犯してしまったという輩もあると思います。全てを一括にして「受刑者」で済ましてしまったり、彼らの存在に一瞥も払わない態度はここではこの現実の中で行き詰まる、と言うことなのでしょうか?
アイスランドには六ヶ所の刑務所があり約150人の囚人を収容できます。加えて新しい刑務所の建設(56人収容)が現在進行中です。完成すれば全体で200人強の収容力ですね。
この経済難の中にも関わらず新しい刑務所の建設が進んでいるということは、それだけそのニードが大きくかつ現実的であることを示しています。それもそのはずです。本来刑務所内にいるべきなのに「空き」がないために、「シャバ」で「ムショ入り」を待っている人が456人もいるというのです。
パーセントで言えば全受刑者の75%が塀の外にいると言うことになります。456人が背負っている判決の総数は595。ひとりでふたつ以上の罪の判決を受けている人がいますからね。
このニュースにはかなりびっくりさせられました。まず考えたことは「そんなんで大丈夫なのか?」ということでした。つまり殺人犯や性犯罪者がその辺でのんびりしている?っていう心配です。
ニュースの後の方で刑務所を統括する機関の長官が説明を加えていました。彼によると、服役刑と言ってもピンからキリまである。殺人や性犯罪、麻薬の取引の元締め、再々犯などはシリアスな刑と見なされ、そのような刑を受けている者はただちに刑務所へ送られる。だから、非常に危険な予備役?囚人が通りを歩いているということはない、とのことです。
もちろん、それでも456人の刑確定者が塀の外にいることは事実ですので、当局としてもただ新しい刑務所の完成を待っているだけではありません。
対策のひとつは軽度な犯罪での服役が確定している者を、刑務所外での社会奉仕事業へ従事させ、その者の刑期の一部に換算するということだそうです。これは「服役か奉仕か」という選択が許される程度の罪の者に対しては、既に多くの国で実施されているシステムだと思いますが、アイスランドの場合はそれを服役確定者に対しても用いよう、ということのようです。
もちろんどこかへトンズラされては困りますから、足首にGPSのような所在確認用電波を発するバンドが付けられるそうで、これはうまく機能している、と刑務所統括オフィスの長官は述べていました。
さてもうひとつ気になったのは、順番待ちをしている刑確定者の人達は、ムショ入りまでの間、何をしているのか?ということでした。新聞の報道ではあまり明確に記されていませんでした。
そこで受刑者とその家族のために専門に働いている同僚の牧師さんにその点を尋ねてみました。彼によると刑確定者は順番待ちの期間、学校に行ってもいいし働いてもいい。つまり普通にしていて良いのだそうです。もちろん海外旅行とかはできないでしょうし(確認してませんが)、制限はあるのでしょうが。服役が確定しているのに、仕事をクビにならない、と言うのも沈思黙考あるいは議論の課題ですね。ビックリすべきなのか?そうあるべきなのか?
アイスランドはちいちゃな社会なので人々の間に距離がない、ということは何度もお話ししました。庶民と政治家の距離も短いですし、庶民と人気歌手や有名作家との距離も短いです。
これをプラスの方向と考えるなら、マイナスの方向にも距離が短いということは当然かもしれません。服役刑を受けている人達が、日常生活で身近にいるということもまた、アイスランド的現実の一部なのです。
服役刑を科せられる人達だって千差万別でしょう。本当に悪いヤツもいるし、たまたま誘惑に負けて罪を犯してしまったという輩もあると思います。全てを一括にして「受刑者」で済ましてしまったり、彼らの存在に一瞥も払わない態度はここではこの現実の中で行き詰まる、と言うことなのでしょうか?