気がついたら二月になっていました。この間クリスマスだったような気がするのですが、今週の水曜日から教会の暦では「受難節」というキリストの十字架への道程に思いを馳せる期間に入ります。今年はイースター(復活祭)が早いため(三月二十七日)、受難節も前倒しで早く来ているのです。
キリスト教文化圏であるアイスランドでは、教会の暦というものが祭日やイベントに影響しています。で、この受難節入り直前の今週は月、火、水と三連続イベントになります。
これらのイベントについてはこちらで。
さて、今回書いてみたいことは「名刺」です。私はもう三十年も前のことですが新橋でサラリーマンをしていましたので、名刺のやり取りは日常生活の一部になっていた時期があります。
今でも日本の社会で名刺の持つ機能は変わっていないものと理解しています。
私がアイスランドへ来た頃の印象では -それももう二十ほど年前のことですが- アイスランド人はそれほど名刺を使う習慣がないように思われました。
銀行のスタッフがジーンズでオープシャツだったり、一日の仕事がコーヒーと雑談で始まったりとか、他に驚くことがたくさんあったので、それほど気にはかけませんでした。まあ、「インフォーマルがフォーマル」の中なんだろうと。
今から考えてみると、小さな社会の中での密な人間関係が土台になっているアイスランドでは、初対面の人でもなんらかの共通点を発見するのが常なので(子供同士が同級生とか、共通の友人がいるとか)、名刺というようなものはあまり意味がない代物だったのだろう、と思われます。
私はニホンジンなので名刺は持つようにしていました。ですが、悲しいかな、私のポジションは非常に「個人営業」的雰囲気が強いために、「組織」のロゴの入った名刺ではなくて、自分でパソコンで印刷する寂しい感じの名刺でした。
実はつい最近までそのような名刺を使っていました。何が寂しいかというと、どんなに丁寧に印刷しても、必ず左右のバランスが崩れたりして、手作り感が隠せないのです。昨年の秋にオフィスを引っ越した機会に印刷屋さんに頼むことにし、ようやくまともな名刺が手に入りましたが。(でも自腹)
さて、アイスランド人は名刺には無頓着、が基本だったのですが、最近は変わってきています。早い話がビジネスで外国からのビジネスマンたちが以前よりも頻繁に訪れるようになったことが理由だろう思われます。さすがに外国からの客人では共通の知人を見つけるのは、至難のわざでしょうから。
ですがアイスランド人の名前や住所にはアイスランド特有の文字が頻繁に紛れ込んできます。外国からの客人が困惑しないためには、英語化して表記しないといけません。ちなみに、アイスランド語の人名や地名の英語表記にはちゃんとトランスクライブのルールがあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/3f/7567ba1eb2e3e605289d266867cbd0d0.jpg)
やっと手に入れた「手製」でない名刺
そのため、アイスランドの人の名刺は十中八九、表はアイスランド語、裏は英語バージョンです。私自身、アイスランド語ができない人と会うのが普通なのですが、表裏には区別せず、アイスランド語と英語を必要なところだけ並記しています。
ついでに裏は英語でお気に入りのキャッチ。“Some things take a little longer to explain... like the problem you are facing”
これの前半は昔のシメーンスの携帯のコマーシャルのキャッチだったのですが、勝手に頂戴してもう十年も使っています。後半はオリジナル。
あと裏の下には漢字で氏名を入れています。日本の人用。Tomaでは正解の漢字を連想してもらえません。
ニホンジンとして名刺を持って回るのはとても普通のことなのですが、使い方は変わってきました。日本にいた時のように会った人皆に配ることは今はしません。
難民の人たちには八割方渡します。ある意味「お助けマン」になる可能性はありますし、緊急の時にも知っておいてもらったほうがいいからです。
アイスランドの人に会った場合は、初めから名刺を交換することはなく「この人とはこれからも関係があるだろう」と思える時だけ渡すようになりました。あと、相手がきれいな女性の場合もですが。(^-^;
「後出し名刺」で、初対面から人の重要度を測っているような嫌らしいところが確かにあるのですが、逆に「この人は」と思える人にはこちらの「思い」を伝えることにもなります。
アメリカとかのビジネスマナーでもそうだ、と聞いたことがありますが真偽は知りません。
というわけで、アイスランドの人はそんなに名刺には思い入れがないと思います。アイスランド人との付き合いで「日本でなら当然名刺が返ってくるのに...」と思ってしまうようなことがあるかもしれませんが、それもこちらの文化の一部です。ご容赦!
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
キリスト教文化圏であるアイスランドでは、教会の暦というものが祭日やイベントに影響しています。で、この受難節入り直前の今週は月、火、水と三連続イベントになります。
これらのイベントについてはこちらで。
さて、今回書いてみたいことは「名刺」です。私はもう三十年も前のことですが新橋でサラリーマンをしていましたので、名刺のやり取りは日常生活の一部になっていた時期があります。
今でも日本の社会で名刺の持つ機能は変わっていないものと理解しています。
私がアイスランドへ来た頃の印象では -それももう二十ほど年前のことですが- アイスランド人はそれほど名刺を使う習慣がないように思われました。
銀行のスタッフがジーンズでオープシャツだったり、一日の仕事がコーヒーと雑談で始まったりとか、他に驚くことがたくさんあったので、それほど気にはかけませんでした。まあ、「インフォーマルがフォーマル」の中なんだろうと。
今から考えてみると、小さな社会の中での密な人間関係が土台になっているアイスランドでは、初対面の人でもなんらかの共通点を発見するのが常なので(子供同士が同級生とか、共通の友人がいるとか)、名刺というようなものはあまり意味がない代物だったのだろう、と思われます。
私はニホンジンなので名刺は持つようにしていました。ですが、悲しいかな、私のポジションは非常に「個人営業」的雰囲気が強いために、「組織」のロゴの入った名刺ではなくて、自分でパソコンで印刷する寂しい感じの名刺でした。
実はつい最近までそのような名刺を使っていました。何が寂しいかというと、どんなに丁寧に印刷しても、必ず左右のバランスが崩れたりして、手作り感が隠せないのです。昨年の秋にオフィスを引っ越した機会に印刷屋さんに頼むことにし、ようやくまともな名刺が手に入りましたが。(でも自腹)
さて、アイスランド人は名刺には無頓着、が基本だったのですが、最近は変わってきています。早い話がビジネスで外国からのビジネスマンたちが以前よりも頻繁に訪れるようになったことが理由だろう思われます。さすがに外国からの客人では共通の知人を見つけるのは、至難のわざでしょうから。
ですがアイスランド人の名前や住所にはアイスランド特有の文字が頻繁に紛れ込んできます。外国からの客人が困惑しないためには、英語化して表記しないといけません。ちなみに、アイスランド語の人名や地名の英語表記にはちゃんとトランスクライブのルールがあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/3f/7567ba1eb2e3e605289d266867cbd0d0.jpg)
やっと手に入れた「手製」でない名刺
そのため、アイスランドの人の名刺は十中八九、表はアイスランド語、裏は英語バージョンです。私自身、アイスランド語ができない人と会うのが普通なのですが、表裏には区別せず、アイスランド語と英語を必要なところだけ並記しています。
ついでに裏は英語でお気に入りのキャッチ。“Some things take a little longer to explain... like the problem you are facing”
これの前半は昔のシメーンスの携帯のコマーシャルのキャッチだったのですが、勝手に頂戴してもう十年も使っています。後半はオリジナル。
あと裏の下には漢字で氏名を入れています。日本の人用。Tomaでは正解の漢字を連想してもらえません。
ニホンジンとして名刺を持って回るのはとても普通のことなのですが、使い方は変わってきました。日本にいた時のように会った人皆に配ることは今はしません。
難民の人たちには八割方渡します。ある意味「お助けマン」になる可能性はありますし、緊急の時にも知っておいてもらったほうがいいからです。
アイスランドの人に会った場合は、初めから名刺を交換することはなく「この人とはこれからも関係があるだろう」と思える時だけ渡すようになりました。あと、相手がきれいな女性の場合もですが。(^-^;
「後出し名刺」で、初対面から人の重要度を測っているような嫌らしいところが確かにあるのですが、逆に「この人は」と思える人にはこちらの「思い」を伝えることにもなります。
アメリカとかのビジネスマナーでもそうだ、と聞いたことがありますが真偽は知りません。
というわけで、アイスランドの人はそんなに名刺には思い入れがないと思います。アイスランド人との付き合いで「日本でなら当然名刺が返ってくるのに...」と思ってしまうようなことがあるかもしれませんが、それもこちらの文化の一部です。ご容赦!
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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