レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

2020年 カメハメハーン初(ぞ)め

2020-01-12 00:00:00 | 日記
2020年、十日ほど過ぎましたが新年の出だしはいかがでしょうか?レイキャビクは、というよりアイスランドは、まあこれまであまり例がないのではないか?と思われるくらいの「嵐」三昧です。(^-^;

これまでの十日間で、気象局からイエロー警報なり、その上のオレンジ警報なり、出ていなかった日があるだろうか?と考え込んでしまうほどです。レイキャビク界隈では大雨でも大雪でもないんです。主体は風です。

丸一日のストーム、いやカメハメハーン。やっと通過して一晩の休み。すると次の昼からまた風が吹き出す、というような感じで静かな日がありません。

先週の火曜日には全国に警報が出されていました。カメハメハーンの到来は午後三時くらいに予想されていましたので、私も早めにオフィスを出て帰宅しました。融通のつく人は大方そのようにしていたと思います。




新年の出動初め? レスキュー隊
Myndin er ur Ruv.is/Bjorgvin Kolbeinsson


ところがです。その天気の中を何を考えているのか、のこのことスノーモービル・ツアーに出かけて行ったバスがあったのです。しかもロングヨクトゥルという氷河へ。しかもこれ、事情に疎い個人のグループではなく、Mountaineers of Iceland というツアー会社の企画バスだったのです。39人が参加していたとか。

アイスランドでは、レイキャビクとか、セルフォスとか、人が居住する土地は海岸沿いの平地に集中しています。平野ではそれでも風や気温は、内部の高原地帯よりはずっとマイルドなのです。

スノーモービルを楽しむような氷河地帯は、ずっと高地になりますし、それだけ気温も低く(二十度位は低いのではないかと思います)、また風も強いわけです。

レイキャビクですら「不要な外出は控えて」と警告が出されているのも関わらず、氷河へ向かったこのご一行。案の定、火曜日の夕方七時過ぎに氷河地帯で身動きが取れなくなり、レスキューを申請。




この天気でスノーモービルはないだろう?と
Myndin er ur Visir.is


その晩の十時過ぎに参加者は全員保護されてシェルターへ入れたそうです。子供も参加していたようで、母親の恐怖と不安の談話がニュースで流れていました。

別のロブさんというい英国人の男性は「山の上の天気の予報がそんなに悪いということはまったく知らなかったし、誰も教えてくれませんでした」

大事には至らなかったとはいえ、あの天候の中を呼び出されたレスキュー隊にしてもたまったものではなかっただろうと思います。さすがに警察も簡単には済ませてくれないようで、経緯を調査をするというコメントが出されていました。

その翌日のニュースには、生出演で観光及び産業大臣のソルディス・コルブルン・ギルヴァドティール氏は(若くてなかなかかわいい女性なのですが)、「一体何を考えているのか!?」とマジギレしていまいた。ごもっとも。

本当のホント。助かったからいいですけど、全滅していても不思議ではなかったと思いますよ。レスキューが現地に到達できただけでもかなり奇跡的なことのように報じられていましたから。

Mountaineers of Icelandの責任者もインタビューされていましたが、何も言い訳なしで、頭が下がりっぱなしでした。アイスランでは珍しい光景。

ですけど皆さん、こういうツアー会社もありますからね。今回は社名をそのまま書きましたが、おそらくこの先、この会社を避けるツアー客の人も出てくるでしょう。ですが「行いにはコンセクエンスがある」ですからね。身から出た錆です。




結構かわいいソルディス大臣も怒り心頭
Myndin er ur Ruv.is


そして、おとといの金曜日の夕方。今度はアイスランドの大学生40人ほどを乗せたバスが、北部のブランドウスという町に向かう途上、Oxl オクスルという町で国道を外れて土手下に転落する事故がおきました。事故の原因はまだ明らかにされていませんが、視界不良か強風に煽られたことが推測されています。

幸い生命にかかわるようなことはなかったようですが、バスはスキーツアーに向かい途上だったとかで、これも?印が付くのではないかと思います。その当時、ストーム警報はまだ出ていましたから。

その他、空の便も狂いっぱなし。相当数の外国からの観光客の皆さんがケフラビクの空港で足止めされたようです。

もちろん、その逆も然り。クリスマスの休暇をスペインとか太陽の下で過ごそうというアイスランド人も多いのです。ニュースで報じられていたのは、スペイン西海岸のアリカンテという都市から、アイスランドへ飛ぶはずだった便のこと。

ノルウェーの航空会社で、乗客の大半はアイスランド人だったようです。夕方6時くらいにテイクオフして、五時間くらい飛んでケフラビク上空まで来たようです。ところがカメハメハーン・ストームのせいで着陸できない。

上空を四回旋回したところで「ダメだ、こりゃ」とスコットランドへ行ってしまいました。着陸して二時間。乗客はずっと機内待機だったそうです。そしてようやく再離陸。みな、「あー、帰れる(*^^*)」と思ったのが残念賞。

飛行機はなぜかアリカンテへ戻ってしまいました。乗客の一人ウンヌルさんという女性は、「結局まるまる半日飛行機に座っていて、その結果まだ同じ場所にいるというのは、何というか、心が折れたわ」

この方、スペイン在住で、アイスランドへは帰省だったそうですが「もういや。春になったら帰省することに決めたわ」とのこと。カメハメハーンの一勝。

実はこのフライトには私のホーム教会の同僚の女性も旦那さんと乗っていたそうです。スペイン滞在中は、Facebookに太陽だのプールだの、カクテルだの水着だの、と写真をアップしていたのですが、最後でザンネンなことに。

と、なぜかワタシは嬉しそう?イヤイヤイヤ、同情しています。




転落した大学生のスキーツアーバス
Myndin er ur Visir.is


とはいえ、私も影響を受けました。クリスマスの前後に、アマゾンでいくつか注文しておいたものがありました。アメリカとイギリスからだったのですが、やはり飛行機の遅延が影響してデリバリーが遅れました。

まあ、飛行機が飛ばなくて荷物が遅れるのは仕方ないですし、腹も立ちません。ところが荷物はケフラビクまで来ているのに、そこからの配達ができないのですよ。これは結構イライラ、とは違いますが、気にかかるのです。

ワタシ、一人暮らしですので、宅配がある場合にはピンポーンに応えられる状況にいないといけないのです。で、ネットで荷物の状況をチェックしながら、来るのか?来ないのか?というのはあまりリラックスできません。

でも、窓から外を見るとひどい天気だし。この中を配達させるのも罪な気がします。でも、今週中に受け取りたかった荷物計七点は、結局しっかりと我が家へやって来てくれました。めでたし、めでたし。それにUPS ならびにDHLの配達の皆さん、ご苦労さまでした。m(_ _)m

さて、年の始めから、またまた悪天候の話題になってしまいました。でも、こういうわけですから、なんでワタシが昨夏の好天気にワイワイはしゃいでいたか、おわかりいただけることと思います。冬はそれなりに厳しいのでした、ここでは。

そうそう「今年は良い年でありますように」とか挨拶しますが、実際は毎年、同じように良いことも悪いこともあります。一年の初めにがっくりするようなことがあったとしても、それが365日続くわけではないですし、その逆もしかり。

確かなことは過ぎてしまった一日はもう帰ってこないということです。その時の良し悪しにあまりに左右されず、今のこの一日を大切にしていきたいものです。


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Home Page: www.toma.is
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アイスランド- 日本 正月の... | トップ | 自然の中で生きる人々 - 西... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事