レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

大使公邸ランチレポート 料理の写真はないけど!

2019-03-10 00:00:00 | 日記
気がつけば三月、という感じに日々が流れていきます。レイキャビクではもう午後七時はまだ明るいくらいまで日は長くなっています。こうなってくると、それだけでウキウキしてくるのは人間共通の性質なのでしょうか?それとも単純なワタシだけ?

ウキウキを加速してくれたのは、新車が先の月曜日に来たことです。前車と同じマツダのCX3 AWD GT。色は多少変えてブルー。

2019モデルでは、ブルーはこれまでのEternal Blueという「真っ青」ではなく、Reflected Blueという少し薄めの落ち着いたブルーに変わっています。セールスのお兄さんはオーダーした時「Reflected BlueはCX3にはないよ」と言っていたのですけどね... 勝った!




新しいCX3 Boschと命名


ロードノイズ、インテリア、電気式ハンドブレーキ等々、乗り心地は相当アップしています。ただエンジンがちょっと眠そう?

CX3はもともとエンジンが小さく(2LガスiActive)、ターボではないので超パワー級ではないのですが、前型はもう少し元気だったような気がします。多少ボディが重くなっているはずなので、それが影響しているかも。

ですが、レイキャビク界隈がドライブのメインという私のドライブ生活では、実際にはそんなにパワーは重要事項ではないのでした。乗るのも独りだし...

さて、おとといの金曜日は、日本大使館の大使公邸にランチに招かれ、ご馳走になりに行ってきました。招かれたのは私の他に、Mさんという邦人のご婦人。Mさんは私より十歳ほど年上で、もう引退されていますが、やはり牧師さんです。

(「邦人」という言葉は、その国での現地人を指す言葉なので、アイスランドにいて日本人を「邦人」と呼ぶのは根本的に間違った用法かもしれません。ただ、このブログは日本向けに書いていますので、「邦人」とは日本人のことと考えてくださいね)

大使の方は北川さんとおっしゃり着任されてから三年弱になります。外務省キャリアではなく、民間の商事会社におられた方なので、どこかやっぱり感じが違うような気がします。固すぎないというか、物腰が柔らかいというか。

いや、別にキャリアの方々が固いと決めつけているわけではないですけど、商事関係の方は「接客のプロ」ですからね。しかもそうと感じさせない。学ぶべきことは常にあります。m(_ _)m

北川大使 -ついでに景子さんのお父さんではありません- の他に、大使館からは佐藤参事官も迎えてくださいました。計四人の小規模ランチです。

公邸のシェフの方が最近交代されて、新しいシェフの方が赴任された機会に、私たちをランチに招いてくださったとのこと。実際は大使は政治家や財界の要人を順次会食に招待する間に、私たち下々の邦人の者も招いてくださっているようです。

日本大使公邸について一言だけ言っておきますと(他人の家のことを勝手に何か言うのはよくないことでしょうが)、ここはかつてあのアシュケナージが住んでいたお家です。

四人だけでの会食でも、きちんとそれぞれの席にその日のお品書きというか、メニューが配られます。ちゃんと金色の桐の紋が入って印刷されてあります。日付けも入っていましたから、作り置きではないですよね。

コートの預かりや、給仕もしてくれる方も付きます。アイスランド人の男性でした。なんと呼べばいいのでしょうか?メイドではないし、執事でもないし。給仕長ということにしておきましょうか。

で、料理は美味しかったです。さすがにメニューや出された料理を写メに撮るようなことはしませんでしたので、「美味しかった」ということでご了承ください。

何を食べたか?えーっと、それは和食です。コースで6-7品出てくるのですが、「ひとつひとつ何か」ということを説明するのはメニューなしでは無理です。悪しからず。

うろ覚えで書きますと、初めは「鮭のなにか」。それから「あんきも」「鴨のステーキ」もういくつかありました。締めは「炊き込みご飯とあかだし」でデザートはとても美味しいフルーツあんみつでした。そのくらいは書けます。(^-^;




カトリーン現首相もガリレオ先生を読んでいたとは!
Myndin er ur Visir.is


で、食事をいただきながら、いろいろと面白い話しを聞かせていただいたのですが、その中からひとつ紹介したいものがあります。

現首相のカトリーンさんも食事に来たことがあるそうです。最近読んで面白い本は何か、というような話になった際、カトリーンさんは日本の推理小説を挙げたのだそうです。

タイトルや作者名までは覚えていなかったようですが「数学者が出てくるドラマ」だったようです。知っている方はすぐにピンとくるでしょう。

北川大使は興味があったようで、後でこのキーワードでグーグルし、東野圭吾の「容疑者Xの献身」ではなかろうかとカトリーンさんにお伺いを立てたそうです。するとBINGO!の返事があったとか。

私も読みましたし、映画も観ました。あのガリレオ先生のシリーズのひとつです。ガリレオ探偵、湯川博士の旧知の数学者が犯人なのです。ですがこれはドラマで、あまりに悲しい話しなので、ワタシ的にはそれほど好きにはなれませんでしたが。

とにかく、カトリーンさんはこの話しが気に入ったようです。ちなみに彼女はもともと文学士です。アイスランドの首相も「あり得ないよ」の本を読んでいるというのはびっくりするような、嬉しいような。あ、でも「あり得ないよ」はテレビのシリーズの方での「売り」でしょうか?

この話しを聞いて、私は「英語で読んだんだろうな」と思いましたし、北川大使もそう思われたようです。ところが北川大使はそれがアイスランド語版であったことも突き止めたそうです。アイスランド語になってるんだ、ガリレオ先生!

大使の説明によりますと、デンマークに住むアイスランド人がこの小説を、英語訳かもしくはデンマーク語訳で読み、「是非」ということでアイスランド語に訳したのだそうです。

ランチ会話からもうひとつ。日本でもうすぐアイスランド映画「たちあがる女」が上映されるとか。原題はKona fer i strid (女は戦いへ行く)というもので、英語題はWoman at warでした。

カンヌの映画祭にも参加し、非常に高い評価を得ています。

たちあがる女


この映画、実は私もエキストラとして撮影に参加したんです。「日本大使役で是非出てくれ」とADさんに頼まれたからです。2017年の七月後半ではなかったかと思います。

でも映画の撮影とかって、だいたい直前になってスケジュールが変わったり、待ち時間がやたりに長かったり、にもかかわらず最終的にカットされちゃったり、と結構「労多くして...」の見本なのです。




撮影中のワンシーン
Myndin er ur Facebook


で、乗り気ではなかったのですが「ベネディクト・エルリングソン監督がトシキの仕事をすごく評価してるんだ」とかお世辞攻撃。「ホントかよー?」結局うまく丸め込まれて受けてしまったのです。

撮影はシンクヴェットリ国定公園の中。現場へ行くと、構成が変わっており、私は日本大使ではなく、中国の国家主席ということに。さすがに、それは私ではオーラが違うだろう、と思いましたが、まあ、しょうがない。

夕方から真夜中(暗くはなりません)までかかりましたが、一日で終了。「私の仕事を高く評価してくれている」エルリングソン監督もきちんとお礼を言ってくれたし、多少のお金はもらえるし、まあ、いいか。

それから一年ほどしてこちらで上映されました。観た人から「カットされてた」と聞き、観に行くのをやめました。「私の仕事を高く評価してくれている」監督の情けか、最後の最後まで観ていると、名前はクレジットにでているそうです。

とはいえ、良い映画であることは確かなようですから、上映されましたら、是非観に行ってください。そして、最後の最後まで席を立たずに観続けてくださいますよう。私の名前を見つけてくれた方には、粗品を提供します、なんて。

とにかく、美味しく楽しいランチでした。北川大使、佐藤参事官、シェフのTさん、給仕長の方、それにMさん、ありがとうございました。


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Home Page: www.toma.is
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2 コメント

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Unknown (kuwasan)
2019-03-10 08:24:44
戦う女、見ようと思っていました!新聞の映画欄で紹介されていました!
クレジット出演ですか…観にいったらじっくり探してみます。
返信する
ブログ当事者 (Toshiki Toma)
2019-03-10 08:44:36
Kuwasan,

コメントありがとうございます。映画を観たら、また是非感想を聞かせてください。m(_ _)m
返信する

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