レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

レイキャビクで まさかの「武器商人」?

2022-10-01 07:21:15 | 日記
こんにちは/こんばんは。




清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Ursula_Drake@unsplash.com


気がついたら十月ですね。レイキャビク界隈でもさすがに秋の気配が深まっています。それでも例年に様に比べたら、なんという慎ましさ!私は先週、ようやくジャケットをユニクロで買った「日本の」軽快サマージャケットから、それよりちょっと生地が厚いそれでも夏用のジャケットに変えたばかりです。

外出時には、もちろん薄手のコートを羽織りますが、これも例年なら、冬物のコートを使い始める頃なのです。

十月も楽でいいや!と思う人も周囲にはありましょう。しかし、滞在三十年を超えたワタシは、そんな手には引っかからないのでした。「楽でいいや!」と思わせておいて、翌朝目を覚ましたら一面の銀世界。そんなのがいつでもあり得るのが、こちらのインチキ天気の本性なのです。

これまでも何回か書いた覚えがありますが、十月というのは本当に「冬」の顔を持っています。一週間通しで気温がマイナスの週があったり、いきなりの大雪でサマータイヤの車が大騒ぎをしたりとかを実際に何度も経験してきました。

まあ、この陽気の背後には地球温暖化というでっかいモンスターがいますので、いきなりの気温マイナス週とかの可能性は少ないかもしれません。ですが、それでもワタシは油断しません。「天気は信用するな」が滞在三十年で得たワタシの「知恵」なのでした。

ちなみにこちらでは、11月から冬用のスパイクタイヤを使用することができます。4月の15日まで。スパイクタイヤも道路を間違いなく削り取ってしまうことや、それによる大気汚染(粉塵)や道路修理の予算の問題などから、「禁止にしよう」という議論がここ十年ほどなされています。

ワタシ自身は「スパイクタイヤ」容認派です。いつだったか仙台からのニュースで「スパイクタイヤによる粉塵で喘息症状が出る人がいる」とかいうのを見た覚えがあります。

だから、もちろんその可否は真剣に検討すべきなのでしょうが、幸いレイキャビクではまだ「粉塵公害」と見なされるまでの状況には至っていませんし、「アイスバーンのスリップで車大破」とかいう新聞の見出しを思い浮かべてしまうので、最後の最後までスパイクタイヤにしがみつくつもりです。

以前から思っているのは、必要な時だけスパイクが出てくるような、007的なタイヤを誰かが開発してくれないかなあ、ということなのでした。(^-^;




これらが押収された銃火器の一部
Myndin er ur Stundin.is/BJARTMAR.O.TH.A


さて、先週はアイスランド史上初となる「テロ計画阻止」のニュースについてお知らせいたしました。

捜査はまだ続いていますので、あまり詳しい進行状況は明らかにされていません。こちらの警察は、捜査の情報公開に関しては結構慎重派の部類でしょう。

それでも、先の木曜日には記者会見が開かれ、一味のアジトから押収された火器類がメディアにも公開されました。短銃ばかりではなく、シングルアクションのものをセミ・オートマチックに改造した銃も何丁か含まれていました。当初、私が想像していたよりも火力は強かったみたいですね。

それと同時にちょっとビックリのニュース登場。前回もちょっと触れました、警察のトップで女性のシーグリズル長官が、この事件の捜査から身を引くとのこと。捜査の中で、シーグリズル長官の身内の誰かの名前が浮かんできたのだそうです。

記者会見では、それ以上の明確な説明はなかったようですが、記者の皆さんのツッコミによると、シーグリズル長官の家族の名前が捜査中に出てきたそうで、なんとその家族の人の家宅捜索まで行われたそうです。




お口直し用ピック
Myndin er eftir Robert_Svebeck@unsplash.com


報道によると、この家族なる男性は「名の知られた銃の蒐集家で、一般の人が所有していけない類の銃火器を所有する許可を持っている」のだそうです。さらに説明によると、「例えば歴史的に価値のある銃火器がこれに当たる」とか。

で、始めは「ああ、美術品の収集みたいなことなのかなあ」と思ったのですが、それでは判然としない部分も出てきました。

国営放送RUVのニュースでは、この人物の描写にByssusmidur という言葉が使われています。Byssuは「銃」の連結形なのですが、smidurというのは「作る人」のことですので、byssusmidurといったら「銃の製造者(機械によるものであっても、手製のものであっても)」ということになります。

でも、銃って、いくらなんでも手でコツコツ作るものなのではないですよね、刀じゃあるまいし...

そして、次にさらなる驚きの言葉。「彼はbyssusmidurであり、またvopnasaliであり...」Vopnasali! Vopnaは「武器」(複数連結形)のことです。そしてsaliは「売り手」のことをいいます。「武器商人」!? って これって、やばくね !?

ニュースでは続いて「彼は武器や武器の補充品を売っており、ネットショップも開いている」なんと、ネットで武器の販売 !?




武器か骨董品か? を売るサイト
Myndin er ur xxxx.net


早速、そのサイトを覗いてみました。なにしろRUVの記事にはご丁寧にサイトのアドレスまで記載されていたのです。ここでは、それは記しません。日本の若者が注文したりしたら困りますからね。

でも、そのサイトにはちゃんとあったのです。コルト45とかスミス&ウェッソン32とか... モダンなヤツではなくて、西部劇に出てくるようなクラシックな代物ですが... 値段は書いてありませんが、多分高額。

確かに実用品というよりは、骨董品・美術品の部類に入るのでしょう。でも弾も付いているみたいだし、使おうと思えば使えることでしょう、おそらく。

なんというか、公に商売しているのだし、許可も持っているそうなので、それはそれで問題はないのでしょうが、その身内が警察長官となると、ちょっとビミョーかも。

前回書きましたように、シーグリズル長官は私の同僚の奥さんでもあり、会ったこともある人ですから、あまり変に囃し立てたくはありません。きちんと捜査が進んで、阻止されたテロの計画の全貌が一般の前に明らかにされることを願います。

最後にもひとつ。こいう流れの中で、今、検討されているのが警察官の「電気銃の携帯」についてです。




数年前にノルウェー警察が導入を検討していたという電気銃
Myndin er ur Mbl.is


ナイフによる暴力事件や、短銃の発砲事件が増えてきているのは事実なので、「警察官も装備を新たにしなくてなりません。ただ、実弾の発射のようなことは、他に何の代替手段がなくなるまでしたくはないのです」と、警察の法律家のスタッフが訴えていました。

電気銃。NYPDもののドラマとかでよくみますよね。まあ、そうかなあ?ワタシは「反警察」ではありませんので、その程度の装備は必要かとも思います。逆に警察官に殉職者とかが出ることも、決して望みませんし。

こういうことを書いてると、なんかアイスランドのイメージをジャカジャカ引き下げている感じがしますが、皆さん、アイスランドも平和の楽園ではありませんから。かといって、フツーの市民が犯罪に巻き込まれることは、いまだに非常にマレなことです。

それなりに、フツーの用心をしていただければ、マズイことになる心配は無用ですので。ご安心を。犯罪よりき気をつけていただきたいのは交通事故です。マジで。あと、天気を舐めないこと。特に山中や氷河にお出かけの方は、地元の人から情報を集め、用心してお出かけくださいますよう。


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Church home page: Breidholtskirkja/ International Congregation
Facebook: Toma Toshiki

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