レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

アイスランド 年越しあれこれニュース

2021-01-10 00:00:00 | 日記
改めまして、今年もよろしくお願いいたします。




西街拙宅からの年越し花火


日本では首都付近を始めとして再び緊急事態宣言が発令され、さらに大阪、京都、愛知等も政府に同宣言の要請を検討しているとか。

ヨーロッパでは、英国、ドイツ、デンマークらでは感染拡大が治らず、相当な厳しいロックダウンに入ったと聞いています。日本時間の七日付のニュースでは、英国の六日の「新規」感染者数は「六万人超」ということで、日本と比べても桁が違いますね。

幸いアイスランドではそこまではいっていないのですが、最近二週間での国内新規感染者数は住民十万人あたりで19,6人。入国時検査での陽性者(感染者)が、これも19,6人。

少ないように見えますが、トータルすると住民十万人に対して39,2人となります。これは、日本のコXX対策の基準に照らすと、ステージ3のボーダーラインが一週間で15人以上、ステージ4が25人から上です。こちらの数字は二週間単位ですので、単純に二で割って19,6。(陽性者数の累計ではなく、一週間平均での新規の陽性確認者数です)

ですから、アイスランドも落ち着いているとはいえ、日本のステージ3に相当することになります。

「コXX打破」が今年の世界共通の最大お願いごとでしょうが、時間がかかるのは目に見えていますので、年頭にその覚悟はしておいた方が良いでしょうね。

さて、昨年十二月を通して「お忙し」だった私は、クリスマス以降はガッツリお休みを取らせていただきました。約十日間。ありがとうございました。

で、その間いくつか目についたニュースをご紹介します。

まずは、ちょっと旧年に戻ってしまいますが、毎年大晦日の晩にはBrennaブレンナという習慣があります。Brennaとは「燃やす」「焚き火」を意味します。午後八時か九時頃に、レイキャビクや周辺、あるいは地方の町や村でも、決められた場所で大きな焚き火のようなものをするのです。




例年ならこんな焚き火なんですが...
Myndin er ur Kopavogur.is


これ、結構古い習慣でアイスランド大学のサイトによると、1791年の文書に最古の記録があるそうです。もともとの意味は、山の頂上や丘の頂で火を起こし、何かの警告や道標、あるいは牧師の緊急呼び出しとかを目的として行われたものが、年末行事化したもののようです。

現代ではその目的は転じて、人々が大きな焚き火を囲んで集まり、年末の挨拶を交わす、という社交目的になっています。まあ、私の理解ではそうです。

これが今年はコXXの故に中止。国営放送RUVは「230年の伝統、断たれる」と嘆きの見出し。これまでも荒天の故などで大晦日にブレンナをできないことはあったようですが、その場合はクリスマスの祭りの最終日である1月6日に延期されて行われていたとのことです。今回はそうはいきませんでした。

そのブレンナに続くのが大晦日の年越し花火。これは、結構海外にも知れ渡るようになり、近年では、この花火をわざわざ見にくる外国人観光客も多くありました。

この花火も「するか?しないか?」の議論があったらしく、かなり直前まではっきりしませんでした。なんでも、花火の煙とコXXウイルスが結びつくとまずい、とか言われていたのですが、よく理屈が分かりませんでした。結局、「『密』を避けるように」というお定まりの注釈付きでゴーサインが出たようです。

日本の花火大会と違うのは、主催者というものがなく、フツーの住民が個々人で勝手に打ち上げるのです。日本の大きな花火大会では、現代では打ち上げはコンピューター制御、と聞きましたが、こちらでは「手とライター」制御です。

一応、大きな打ち上げ花火は、場所が決められていて、そこへ花火を持った住民が参集して行います。好きな人は、ひとりで十万クローネ分も花火を買い込みます。花火の臨時ショップがあちこちに立つのですが、売り上げはレスキュー隊の資金になります。今回の売り上げは締めて八億クローナだそうです。マジか?

ちなみに、今回の人気花火は「コXXウイルス」を形取った新作。Cちゃんを遠くへぶっ飛ばす、というものでダントツ人気だったとか。見ている側では、どれがその「コXXぶっ飛ばせ」花火なのか、いまいちわかりませんでしたが。

例年は、酔っ払いがそこらの通りや裏庭でも花火を始め、迷惑になるものなのですが、今回は整然としていて、年変わりの一時間くらいに集中していた気がします。




「夜霧よ、今夜も〜...」ではなくて花火の煙
Myndin er ur Ruv.is/Bjarni_Runarson


ですが、Cちゃんとは別の問題が浮上。というか、これもここ数年言われていたことなのですが、花火による大気汚染です。

レイキャビク、この大晦日からの年越しは風がなく、しかも割と暖かい夜となりました。そのため花火の煙はその場に止まってしまい、私の西街の古アパートから眺めても、まるで低気圧の雲が垂れこめたかのように見えました。

レイキャビク郊外の別の地域に住む知人は、「家からは、霞がかかったようで何も見えなかった」と言っていましたね。

ニュースで、ランドマークのハットゥルグリムス教会周辺の、ドローンでの空からの映像を流していましたが、まるで火山の噴火の最中のよう。確かに呼吸器がナイーブな方には健康上の問題を生じるかも。

それは短期的な汚染ですが、長期的に見ても汚染が残る可能性があるそうで、将来はこの年越し名物にも制限がかかる可能性は十分にあります。

まだ終わりません。皆が皆ではないでしょうが、花火好きの住民の方々、中には終わった花火の残骸をそのままそこに残して帰る方もあります。どのくらいの割合なのかは見当がつきませんが、そこしていった花火の屍の方は、ちゃんとそこに残っていて確認できます。




ハットゥルグリムス教会前に残された花火の屍
Myndin er ur DV.is


会場となった、学校の校庭などでは学校のスタッフが相当な労力をかけてこれらの残骸整理に当たらざるを得ないとのことでした。この辺は、市の当局とかがもう少し協力して後片付けをオルガナイズすべきでしょうね。

ある花火好きの人によると、「あれは仕方ないんだ。さっさと片付けようとすると、必ず火傷とか思わぬけがをすることになる。しばらくは、そのままそこに残しておく必要があるんだ」とニュースで。

じゃあ、後から片付けに行く?というツッコミ質問がニュースレポーターには足りませんでしたが。

年を超えて、1月6日にはクリスマスの祭期が終わります。これを機会に主だったクリスマスのデコレーションは消えていきます。

アイスランドでは、多くの家庭が本物のもみの木を購入し(もみの木の臨時ショップも立てられます) クリスマスツリーとして飾ります。これらのもみの木も、用済みとなり家の前に出され、これは市の回収業者が持っていってくれるのを待つことになります。

ちょっと哀れになる光景なのですが、同じような状況はアメリカなどでもあるようです。で、ネットのニュースで見ました。ミズーリ州の農夫の人が、周囲に呼びかけて「使い終わったもみの木は捨てないで、持ってきてくれ」とのこと。




もみの木の葉をほおばる山羊ちゃんたち
Myndin er ur Visir.is/Stod2


なぜかというと「農場で飼っている山羊がもみの葉を食べることがわかったんだ」とのこと。確かにニュースの映像では、もみの木の葉をもぐもぐ美味しそうに食べつ山羊ちゃんたちの様子が映っていました。

羊に比べて山羊は圧倒的に少ないでしょうが、ここにも山羊ちゃんはいます。このニュースを見た誰かが、きっとアイスランドの山羊ちゃんはもみの木の葉を食すかどうか試したはずです。結果が知りたい、なあ。


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

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