レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

アイスランド住宅様式の色々

2014-01-27 05:00:00 | 日記
今回はアイスランドの住宅についてちょっとだけ書いてみます。実はこのところアイスランドでの一番HOTな話題は住宅問題です。

2008年の経済恐慌により多くの人が銀行預金をなくしましたし、その一方でアイスランドの通貨が下落しました。通貨の下落は輸入品の多いアイスランドの生活物資の価格を軒並み押し上げましたし、外貨建てでローンを組んでいた人たちにはまさに悪夢でした。ローンが何倍にも膨れ上がってしまったからです。

結果、家のローンの支払いが滞ってしまう家庭が続出しました。となると家の抵当を取られてしまい家の明け渡し、という事態がそこここで起きてしまったわけです。

その反面、長い間の持ち家政策の結果、アイスランドでは賃貸住宅というものが全く発展しないままになっていました。家を明け渡したら最後、借りる家がない、ということが今まさに起っているのです。

住宅がないわけではないのに、工場を安ーく改築したような殺伐としたアパート(というよりは収納庫)に多くの人が住まわされています。

この住宅問題、きちんしたことを書くにはそれなりに勉強しないといけません。かなり複雑で政府の施策や市場がどうなっているのかなど、良く分からない点が多々あります。

というわけで、住宅「問題」を扱うのはまたいずれ、ということでご勘弁ください。今日は住宅問題ではなく、どんな住宅の様式がここではあるか、といういたって日常的なことをお伝えします。

実は先日テレビの「世界行ってみたらほんとはこんなトコだった!?」のマレーシア編を見ていると、あちらの建て家住宅が紹介されたのですが、それが二軒続きのものでした。つまりひとつの建物が右と左でそれぞれ独立した住居になっているわけです。

レポーターの江種ディレクターがそれを見て「長屋ダー!」と驚いているのを見ましたので「ああ、そういう点もそういえば違うんだなあ」と気づいたわけです。というのは、この長屋式の住宅、アイスランドでも非常に一般的だからです。

余談ですが同番組のコロンビアの回でしたか?レポーターがタクシーの助手席に乗り込むのをスタジオのゲストが不思議がっていましたが、これもアイスランド(と多分北欧全般)ではタクシーは助手席から乗り始めます。実際、助手席が最高席と見なされているようです。

さて住宅です。最高峰はもちろん一軒家です。レイキャビクの中心部よりは郊外へ出て行ったほうが大きな一軒家というのは多いと思います。

そしてその次が今言った長屋式の住宅です。これは横に細長く多分四軒連続くらいまではそんなにめずらしくないと思います。アイスランド語では「ラーズフース」Radhusといい「列家」を意味します。住宅がつながっている分大きいですから、裏庭などが共同で大きいものだったりすることもあります。「列屋」での問題は特に聞いたことがありません。

この住居の配分?を左右ではなく上下にしたものが「ハイズ」Haedと言います。「階屋」のような意味になります。つまりひとつの住宅の一階がひとつの住居。二階が別の住居のようになっています。これに半地下に一世帯(キャトゥラリKjallari)、屋根裏に一世帯(リースRis)がついていることもよくあります。もちろんそれぞれの住居に独立の出入り口があります。

ハイズは大体二階建てかあっても屋根裏までですね。多分住居の高さ制限があるからだろうと思います。半地下と屋根裏はやはり値段が安くなり、学生とかあまり生活に経済的ゆとりのない人が買ったり賃貸したりすることが多いようです。

ただ「階屋」には問題がひとつあります。一家族がパーティー好きでどんちゃん騒ぎなどをする時には、その他の世帯はたまったものではありません。これは「列屋」ではあまりトラブルにはならないと思いますが、「階屋」では相当数のトラブルがあります。私も悩まされたことがあります。悩ませたことはありません。まあ、一二回はあるかも...

最後のタイプはアパートというかマンションというか、集合住宅です。「フョルビーリフース」Fjolbylishusといい、意味は「多世帯屋」です。日本と違うのはほとんどのアパートでは二重ドア式になっていることです。つまり誰かを訪ねる場合、玄関ホールに入ると入居者の名前と呼び出し用のブザーおよびインターコムがあります。そこで相手を呼び出して内ドアの鍵を開けてもらうわけです。鍵はそれぞれの住居から遠隔で開けることができます。

ちなみに私の住んでいるのは小さい古アパートで四階建て。各階に二世帯ずつ入っています。私は四階で、さらに室内の小さな螺旋階段を上がると屋根裏部屋がついています。

「住めば都」ならぬ「住めば御殿」ですかねー。気に入っています。(^_-)☆


応援します、若い力。Meet Iceland


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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8 コメント

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Unknown (はやし)
2014-01-27 15:37:36
Tomaさん、おひさしぶりです!
昨年はメールでいろいろと情報を教えていただき、お世話になりました~!
この冬はアイスランドとっても寒いみたいですが、体調は崩されていませんか?

それはそうと、アイスランドでも日本のテレビ番組がみれるんですね!
アイスランドのお家は色とりどりでこじんまりしててかわいい、というのが勝手な印象です。
屋根裏部屋と螺旋階段と古アパートってなんだか夢のよう。
返信する
ブログ当事者 (Toshiki Toma)
2014-01-27 20:42:39
はやしさん、

お久しぶりです。お元気ですか?
コメント、ありがとうございます。

日本の番組はネットにアップされたものを見ています。だから全てが見れるわけではないです。それでも番組によっては放映後すぐにアップしてくれる奇特な?人がいるのでありがたいことです。
m(_ _)m

屋根裏部屋への螺旋階段って、多少日本の洋館のようなものを連想されているでしょ?(*^^*)そんなたいそうなものではありません。鉄製でどちらかというと潜水艦にくっついているようなヤツですよー。
返信する
アイスランドについて (ばーちゃわーるど)
2014-01-28 15:00:50
はじめまして

私、旅行と模型を趣味にしている「ばーちゃわーるど」と申します。

実はこの度、アイスランドの方を想定した模型を製作したいと考えているのですが、
情報が少なくて困っております。

もしご存知でしたら次の点につきまして
ご教授いただけないでしょうか。

アイスランド語でようこそ(WELCOME)は何と言うのが一番適切か?
(※出来れば現地の表記が知りたいです)

アイスランドの方が見て、アイスランドを代表する模型だと
感じられる模型は何がふさわしいと思われるか?
※日本なら「富士山」「お城(姫路城?)」「スカイツリー?」等々

突然のお願いで大変恐縮ですが、
もしご存知でしたらお教え願えれば幸甚でございます。

何卒、よろしくお願い致します。
返信する
ブログ当事者 (Toshiki Toma)
2014-01-28 23:39:23
ばーちゃわーるど様、

Welcome はアイスランド語では Velkominn といいます。ただしこれは相手が男性ひとりの場合です。女性がひとりなら Velkomin です。

相手が男女混合の複数なら Velkomin です。特に相手を特定していない場合にはこの最後のものを使うのが適当でしょう。

アイスランドのシンボル的なものですか?
私が選ぶとしたらシンクヴェトル( Thingvellir)
https://www.google.is/search?q=%C3%BEingvellir&safe=off&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=yL_nUrKyEsmrhAfHnoCADA&sqi=2&ved=0CAcQ_AUoAQ&biw=1371&bih=627#q=thingvellir&safe=off&tbm=isch

あるいはハトルグリムス教会(Hallgrimskirkja)
https://www.google.is/search?q=%C3%BEingvellir&safe=off&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=yL_nUrKyEsmrhAfHnoCADA&sqi=2&ved=0CAcQ_AUoAQ&biw=1371&bih=627#q=hallgrimskirkja&safe=off&tbm=isch

グルフォスの滝
https://www.google.is/search?q=%C3%BEingvellir&safe=off&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=yL_nUrKyEsmrhAfHnoCADA&sqi=2&ved=0CAcQ_AUoAQ&biw=1371&bih=627#q=gullfoss&safe=off&tbm=isch

あるいは、スナイフェトルス氷河でしょうか?
https://www.google.is/search?q=%C3%BEingvellir&safe=off&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=yL_nUrKyEsmrhAfHnoCADA&sqi=2&ved=0CAcQ_AUoAQ&biw=1371&bih=627#q=snaefellsjokull&safe=off&tbm=isch

返信する
ブログ当事者 (Toshiki Toma)
2014-01-28 23:42:21
ばーちゃるわーるど様、

もっと詳しい情報をお望みの場合は、お手数ですが
nishimachihitori アットgmail.com
までメイルを入れてください。

コメント欄では書ききれないこともありますので。
m(_ _)m
返信する
ご教授ありがとうございます。 (ばーちゃわーるど)
2014-01-29 11:24:10
Toshiki Toma様

ご回答ありがとうございます。
頂きました情報で十分でございます。大変参考になしました。

なかなか日本では手に入らない情報、誠にありがとうございます。
是非参考にさせて頂きます♪

貴重な情報ありがとうございました。

m(_ _)m
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Unknown (長楽)
2014-01-29 12:59:07
アイスランドの経済危機の時ですか?経済恐慌のときと言うのは。
とんでもないことになってしまったとか・・・信じられない事でしたが・・・

タクシーと言うか車は助手席が末席だと思っていますが、国によって違うのですね。
二階建て以上の家屋の問題、分ります。以前住んでいたアパートが二階建てで、
二階に住んでいたのですが、一回の住人が全戸中国人とフィリピン人と言う事に気がついたのが入居してから。
凄かったです。一階の音が凄くて二階に響いて寝られないとか、それが連日続きました。夜中に外国語で大げんかして物は壊すわ警察沙汰になった事も一回ならず。
おかげで仕事にも支障が出始めて、遠かったんですが実家に帰って通勤しました(片道車で1時間半)

後で知ったんですが、一戸六畳二間、台所、バストイレという所に大体8~15人くらい住んでいたそうです。

今となっては何ですが・・・



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ブログ当事者 (Toshiki Toma)
2014-01-29 20:17:48
ばーちゃわーるど様、

どういたしまして。お役に立てたならなによりです。

長楽様、

それは大変な体験でしたね。
こちらの住居は日本に比べるとつくりがしっかりしており、隣りの音はそうは聞こえてこないものなのですが、にもかかわらずうるさい人はいます。
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