大企業の問題を巨大タンカーに例えて分かりやすく説明してくれている説得力のある文章に出会った。
あなたの会社、ちゃんと止まれますか (宮田秀明の「経営の設計学」):NBonline(日経ビジネス オンライン)
*2ページ目以降を読むには無料の会員登録が必要になることをご容赦ください。
要点は以下に抜粋します。
◆ 試運転には船を運航する乗組員の主要メンバーが乗っている。船長になる予定の方が私に聞いた。
「この船、ちゃんと止まりますか?」
彼は、それまで20万トン級までしか船長の経験がなかった。48万トンの船を操縦する責任者になることには不安がいっぱいだったのだ。私は答えた。
「ええ、大丈夫です。エンジンを止めると8.5キロ先で止まるはずです」
◆ 例えば、30万トン級のタンカーで、自動車の車線変更のような操船をするとしよう。まずは、自動車のハンドルと同じように操舵輪を少し回し、舵を10度くらい回す。
それからしばらく、タンカーは何の変化も示さない。鈍いのである。約10秒間ほどが経過して、ようやくゆっくりと船首が回りだす。このタイミングを見計らって、船長は素早く舵を反対側に10度取らなければならない。この操作が遅れると、単に車線を変更しようと思っていたのに、船が横を向いたり、ひどい場合にはクルクルと弧を描いて回ってしまう。
◆ 大きな舵つまり哲学とビジョンに裏づけられた経営に直進安定性を与える軸を持つことは、ベンチャー企業にとって一番大切なことだ。これが小さくなってしまうとホリエモンやムラカミのようになってしまう。素晴らしい性能を発揮しているのに、間違った方向に船を向けてしまう。哲学もビジョンもない、利益モデルだけの経営はいずれ迷走する。
【時定数】
ある物理量が、初期値から最終値までの変化量のうち一定の値にまで変化するのに要する時間。
1次線形系において、入力がステップ状に 変化したとき、出力変化が全変化分の63.2%に達するのに要する時間。
*上記リンクは、ウェブページのキャッシュ保存をサポートしてくれる、「ウェブ魚拓」を使用した。
時間が経過して、ページがなくなってもちゃんとキャッシュとして保存してくれる便利なサイトだ。
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◆ 試運転には船を運航する乗組員の主要メンバーが乗っている。船長になる予定の方が私に聞いた。
「この船、ちゃんと止まりますか?」
彼は、それまで20万トン級までしか船長の経験がなかった。48万トンの船を操縦する責任者になることには不安がいっぱいだったのだ。私は答えた。
「ええ、大丈夫です。エンジンを止めると8.5キロ先で止まるはずです」
◆ 例えば、30万トン級のタンカーで、自動車の車線変更のような操船をするとしよう。まずは、自動車のハンドルと同じように操舵輪を少し回し、舵を10度くらい回す。
それからしばらく、タンカーは何の変化も示さない。鈍いのである。約10秒間ほどが経過して、ようやくゆっくりと船首が回りだす。このタイミングを見計らって、船長は素早く舵を反対側に10度取らなければならない。この操作が遅れると、単に車線を変更しようと思っていたのに、船が横を向いたり、ひどい場合にはクルクルと弧を描いて回ってしまう。
◆ 大きな舵つまり哲学とビジョンに裏づけられた経営に直進安定性を与える軸を持つことは、ベンチャー企業にとって一番大切なことだ。これが小さくなってしまうとホリエモンやムラカミのようになってしまう。素晴らしい性能を発揮しているのに、間違った方向に船を向けてしまう。哲学もビジョンもない、利益モデルだけの経営はいずれ迷走する。
【時定数】
ある物理量が、初期値から最終値までの変化量のうち一定の値にまで変化するのに要する時間。
1次線形系において、入力がステップ状に 変化したとき、出力変化が全変化分の63.2%に達するのに要する時間。
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