柏市大島田にある真言宗豊山派の寺泉蔵寺の門前に一基の庚申塔がある。
「この庚申塔は昔からここにあったのですか」と、ある時私が寺の人に聞いたら、(その方は住職ではなく庭を掃除していた人だったが)「昭和になって持ち込まれたものらしいですよ」とのことだった。
とにかく、今はここにある。
高さは、50㎝程で小ぶりの像だが、私が珍しいと思うのは青面金剛の顔が三面に彫られていることだ。
宝永5年(1708)というのも、この辺りで見かける庚申塔としては古い方だ。富士山が噴火し宝永山ができたのは宝永4年。
庚申塔のパターン通り足の下には天邪鬼、その下に、講の人の名前、さらに、三猿が彫られている。
三猿の隣りに鶏らしきものが彫ってあるのは、庚申講の集まりが鳥の鳴く朝まで続いたことを示しているらしい。人間の悪行を天帝に告げる虫(さんし)は朝になれば退散するとの信仰だ。
文化財に指定されていなくとも、このような歴史遺産は大事にしたいものだ。
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