日々の記憶
建築家 筒井紀博のブログ
KIHAKU's blog



「中国の建築様式、四合院の門を住宅に取り入れたい!」
これが設計当初からの施主夫妻の強い要望。
その門の持つ意味を分析し、ソフト面においても設計に盛り込んでいったのだが、実際に門に使用する扉はどうするか?
この問いに対しての解答は現代風にアレンジされた扉をデザインして取り入れる・・・初期段階ではこのように考えていたのだが、施主夫妻との打ち合わせ回数が増えるにしたがって、その扉に対するイメージが変わっていき、最終的には
ホンモノを探しに中国へ行きますか!
との解に至った。

そして実現したのが今回の中国旅行。
9月16日から19日までの3泊4日の旅。
メンバーは施主夫妻、友伸建設の増田氏、そしてツツイの4人である。

中国事情は全く無知なツツイだが、なんと施主奥様は元中国語通訳!
今回の旅の行程を全て取り仕切っていただき、現地での交渉なども流暢な中国語で完璧にこなしていただいた。
ちなみにツツイと増田氏は

「ニーハオ」
「シエシエ」
「ドゥオ シャオ チェン」(これいくら?)

くらいしか話せない。
ガイドブックなどを見ると英語や日本語も北京では通じる店が多いとあったが、嘘をおっしゃい!
我々の行くようなお店ではほとんど通じない。
たまに片言で英語が話せる(話してくれる)人はいたが、日本語はやはりほとんど通じない。

言葉が通じないとはここまで心細いものなのか・・・?

そんなわけで全ての交渉は奥様にしていただいた。

この旅の目的である四合院の門は北京郊外の骨董市街にあるとの事前の有力情報をもとに現地入り。しかしその街区になかなかその骨董市街が見つからず、あるのは今後オープン予定の巨大な建物ばかり。

メンバーに焦りの色が出始めた。

しかしこれだけの新築建物があるってことは出店予定の店が近くにあるに違いない!
そう話すとメンバーも同意。
その時、奥様が有力な情報を地元の人から入手!

そこ左に曲がってしばらく行くと店があるらしいです!

1軒はすぐにみつかり、さらにその道を進むと突き当たりにも店がありそう。。。

その店に近付くにつれ、期待が膨らむ。
我々が進んだ道はT字路になっており、なんとその直行する通りこそが我々が追い求めていた通り!
突き当たって左右を見ると延々とアンティーク家具を売る店が軒を列ねている!!

そして奥様が偶然入店した最初のお店でさっそく見つけました!お目当ての門扉。
さらにいきなりサイズもジャストサイズ!
ツツイのイメージしていたモノよりもデコレーションが多く、できればもう少しシンプルな物の方が良いと思ったのだが、候補としては十分な一品。
しかしその後、数店見るが、お目当ての門扉はない。

その中のお店で1つ、オーバーサイズな門扉が置いてある店で奥様が店員と何やら交渉している。

ここから離れた工場?にこれより小さなサイズの門扉があるそうです!車で迎えにきてくれるって!

待つこと1時間!!
その間も近くの店を探してみるが、やはり理想の門扉はない。

迎えにきた車はワインレッドのVWサンタナ。

工場へ向かう途中、車後部から異音が・・・なんとバンパーが外れた!
そんなかわいらしいトラブルにも見舞われたが、無事工場へ到着。

そして工場内の倉庫の扉を開くと、、、

理想的な門扉がいきなり出現!!
シンプルでありながら、レプリカではないと一見してわかるその風貌。
サイズを測るとH寸法が予定より8センチほど高いが、想定範囲内。

候補となる門扉が2つあったが、満場一致で色の薄い方の門扉に決定!!

興奮状態のまま売買の契約をし、商品が梱包されていく姿を誇らしく眺めるメンバー達。(写真)

その後、懸念されていた輸送手段も無事解消し、本日、メンバーと共に門扉も成田に到着。
11月竣工前までに若干の加工(鍵の取り付けなど)をすませ、取り付けられる予定。


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今回の旅行の詳細は施主ブログ「華門楽家建築奮闘記録」にて。

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