四季おりおり

自然散策そして音楽のことなど・・・ 
2010年秋より里山・谷戸歩きで見た風景や蝶・花の紹介が増えてきました。

平地性ゼフィルス

2012-06-13 16:00:00 | 
6月4日、腰痛のリハビリを兼ねて、家からそう遠くない雑木林に平地性ゼフィルス(※文末参照)を探しに行きました。昨年アカシジミを見付けたクリは、1本が開花していましたが、ゼフィルス類は見られませんでした。


ウラゴマダラシジミ(6月4日 13:01、相模原市南部にて)

昨年ミズイロオナガシジミを見付けた辺りを歩くと、ウラゴマダラシジミが2頭、明るい雑木林の中の低木を縫うように舞っては止まるのを繰り返していました。この雑木林では初見の蝶です。ウラゴマダラシジミは、湿地に生えるイボタノキなどを食草としていますが、この辺には湿地が見当たりません。どこで発生しているのでしょうか。
ウラゴマダラシジミが翅を広げるととても美しいので撮影したかったのですが、その日は上手くいかず、次回に持越しとなりました。


ミズイロオナガシジミ

その直ぐ近くの下草を見ると、ミズイロオナガシジミが休止していました。

☆ ☆ ☆

日を改め、6月10日に再び同じ雑木林を訪れました。


ウラゴマダラシジミの開翅シーン(6月10日、10:23)

今度はウラゴマダラシジミが1頭しか飛んでいませんでしたが、直ぐ近くの葉の上に止まって翅を広げてくれました。露出を絞り、何とか翅表の色合いが分かる写真になりました。


ウラナミアカシジミ(6月10日)

クリの花がほぼ咲きそろい、ウラナミアカシジミも見られました。これもこの雑木林では初見です。


アカシジミ

アカシジミも来ていました。
これで、平地性ゼフィルス6種のうち4種が確認できました。ミドリシジミ、オオミドリシジミがここにいるのかどうかは分かりません。

※アカシジミ、ウラナミアカシジミ、ウラゴマダラシジミ、ミズイロオナガシジミ、ミドリシジミ、オオミドリシジミの6種を総称して平地性ゼフィルスといい、6月頃に多摩丘陵でも見ることができます。

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大仏坂切通しと極楽寺切通し

2012-06-12 17:04:00 | 湘南
鎌倉古道を歩く企画で、鎌倉の七切通しのうち、未踏の二つを歩きました。大仏坂切通しと極楽坂切通しです。

前回の鎌倉古道の記事はこちら→「鎌倉の3切通しを歩く」



鎌倉駅西口から、市役所通りを西に歩く途中で、横山隆一の元居宅がありました。


北条氏常盤亭跡の平場

長谷隧道を潜って直ぐ左のタチンダイと呼ぶ所に、北条氏常盤亭跡の平場が広がっています。この平場は、V字型の谷を東西北が切り立った崖で囲まれる形に造成したもので、北条氏一族の有力者の別邸がありました。

今は一面の草原になっていますが、ほとんど全面を、アカタテハの食草であるカラムシの大群落が覆っており、アカタテハ、キタテハ、ルリシジミなどが飛んでいました。


やぐら

平場の西北端には、やぐらと呼ばれる岩窟が残されています。鎌倉時代頃の墳墓です。



途中立ち寄った八雲神社の参道に咲く紫陽花。


大仏坂切通し

住宅街の路地を入り、大仏坂切通しを越えていきました。1241~1250年頃に開削されたと推定されています。元は長谷付近から藤沢へ通じる生活道路だったものが、後には鎌倉防護のための軍事道路の色彩が増したようです。
この切通しの森の中を、モンキアゲハが2頭、悠然と飛んでいました。



御霊神社に咲く紫陽花。


成就院の参道に咲く紫陽花と由比ガ浜海岸

極楽寺坂切通しを歩き、成就院の参道を上ると、左右に紫陽花が咲き、大勢の人が訪れ、報道関係者が撮影をしていました。振り返ると由比ガ浜海岸が目に飛び込んできました。この光景は人気があるようで、神奈川版の新聞記事にも出ていました。
紫陽花の咲く人通りの上を、1頭のモンキアゲハが通り過ぎました。とても印象的な場面でした。



成就院に咲くイワタバコの花。イワタバコは、湿った崖などに生えます。今まで鎌倉の日影の崖に生えているのを何度か目にしましたが、花が咲くのを見たのは初めてでした。

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6月の蝶たち

2012-06-10 17:10:00 | 
6月になって、新しい蝶が続々と出てきました。


メスグロヒョウモン♂(6月7日、町田市にて)

メスグロヒョウモン♂がヒョウモンチョウの仲間で真っ先に姿を見せ、イボタノキの花で長時間吸蜜をしていました。逆光でしたが、何とか翅裏を撮影。



表がうまく撮れないので、湿地のノバラやイボタノキの蔓を踏み分けながら反対側に回り、ようやく撮影しました。
メスグロヒョウモンの雄が現れたので、雌も間もなく出てくると思います。多摩丘陵にはその他にミドリヒョウモン、クモガタヒョウモンが現れるようですが、クモガタには出会ったことがなく、ミドリには産卵する雌に9月に会ったことがあるだけです。


ヒカゲチョウ

近縁種のクロヒカゲは大分前から現れていますが、ヒカゲチョウも目立つようになってきました。


ベニシジミ2化

ベニシジミの2化です。とても新鮮で赤色が美しく、春型と同じように見えます。夏型では黒化型が現れることが知られているので、その辺をKAZさんに質問したところ、
「2化になると発生時期に幅が出て来て、6月末頃でも新鮮か個体がいますね。色彩も春型同様の個体からほぼ夏型に近いものまで様々のようです。6月下旬頃になるとさすがに黒っぽい個体が多い気がしますね。幼虫時代の気温によるのでしょうかね?」
と教えていただきました。KAZさん、有難うございました。


スジグロシロチョウ2化

スジグロシロチョウの2化の新鮮個体も多く見られるようになりました。

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クリの花に集まる蝶たち

2012-06-03 15:17:00 | 

今年初見のアカシジミ(5月30日 14:02、町田市にて)

写真のアカシジミは、道路沿いの広葉樹の下のヒメジョオンに止まる個体で、5月30日に会いました。

その翌日、横浜の里山に出掛けたところ、クリの花が大分咲いており、平地性のゼフのうちアカシジミがたくさん集まっていました。


クリの花で吸蜜するアカシジミ(5月31日 12:07、横浜市にて)



クリの花から離れた個体もいましたが、ほとんどが緩やかに動いていました。この日は、10本程度のクリの木に合計8頭おり、中には、隣の木に飛んだり、下の方に下りたりするのも見られました。


イチモンジチョウ♂

クリの花は、色々な蝶に好まれるようです。このイチモンジチョウは、目の前にふわりとやってきて、かなり接近しても逃げずに付き合ってくれました。



横からの姿です。くりの花に囲まれて至福の時を過ごしているようですね。


テングチョウ

テングチョウもクリの木に3頭位見られました。
テングチョウは、6月頃に羽化し、夏には一旦姿を消しますが、9月より活動を再開し、晩秋になると越冬態勢に入ります。翌春に産卵し、世代交代します。6月と9月の年2回羽化するという説もありますが、この点はまだはっきりとしていないようです。


道路上でテリ張りするテングチョウ

鋪装された道路に止まってテリ張りすることも多く、車が通るのも構わず、2,3頭が牽制し合って互いに距離をおき、飛んだり止まったりしていました。このテングチョウは目が醒めるように新鮮に見えました。

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寄り添うキタテハ

2012-06-03 11:10:00 | 
昨年の秋にたくさんキタテハを見た町田の谷戸に行きました。


カナムグラの葉上で休止するキタテハ夏型 (5月30日 9:05)

キタテハの食草であるカナムグラは大きく葉を伸ばし、昨年同様、斜面いっぱいに広がる大群落になっており、キタテハが1頭飛んできて葉上に休止していました。


地面に下りる2頭のキタテハ(9:31)

25分後に同じ場所に戻ると、地面に1頭が下り、約2分後にはもう1頭がすぐ近くに舞い降りて寄り添うような感じになりました。


9:35

やがて、2頭が真向いに対面する形になり、片方だけが翅を広げ、次にはもう片方だけ広げていました。とても仲睦まじい感じです。両方が一遍に広げる場面は見られませんでした。


9:35

その後、2頭が向きあったまま翅を閉じて、見つめ合うような時を過ごしていました。
求愛シーンにしてはとても穏やかでした。一体どういう意味を持った行動なんでしょう?



そこで拡大して見ると、2頭は触覚を突き合わせて向かい合い、口吻を交差させるように地面に伸ばしていました。吸水あるいは必要なミネラル分を補給しているのだと思います。


焚き火跡のモンシロチョウ(10:58)

里山の焚き火跡では、3頭のモンシロチョウが集まっていました。飛んだり地面に休止したりしていましたが、写真の左の個体を拡大すると、やはり口吻を地面に伸ばしていました。灰からのミネラル補給なのでしょうね。


ジャコウアゲハ♀

ジャコウアゲハの♀が食草探しなのか、繰り返し谷戸の湿地の草に下りていました。

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