25日は、全国自治体病院経営都市議会協議会主催の地域医療政策セミナーに出席しました。今年は、町田市が協議会の会長市となっています。
2つの講演は、「信念」があり、いい医療(地域)をどうやってつくっていくかという視点からとても参考になるものでした。
◆「心にひびく○○の実践」
最初に、「岐阜地域における当院の役割と今後の方向性~メガトラス工法と地域連携パスを中心に~」と題して、岐阜市民病院病院長の冨田栄一先生が講演。
キーワードは「心にひびく医療の実践」。
その中には、地域医療連携や高度医療、信頼されるチーム医療、心温まる医療などとともに、「職員が生き生きと働くことができる環境づくりに努めます」という項目があります。岐阜市民病院は、働きやすい病院評価を全国の公立病院で初めて受けたというのですから、客観的にも働きやすいということがいえると思います。
「心にひびく医療」という言葉、すべての病院内の職種に当てはめ、言い換えて実践していこうとされています。「心にひびく看護」「心にひびく清掃」「心にひびく医療事務」──むずかしい言葉をならべるのではなく、他の人にわかりやすいということも大事にしているとお話がありました。
それでは、「だれの心にひびく医療」なのか。それは「自分の心」にひびくということだと冨田先生。一生懸命、最善を尽くせたのかは一番自分がよくわかるのだから、自分が納得して仕事をしていくことが重要だと。病院長になった当時に、冨田先生自身が「自己との対話」をおこない、どういう病院にしたいのかを突き詰めていった中で、たどり着いたといいます。
地域医療連携でも、とにかく信頼関係を積み重ねていくこと、病院完結型医療から地域完結型医療へ発展させていくことを課題として共有していく努力があらゆる角度からおこなわれています。同時に、どこかのモデルケースから輸入してくるのではなく、地域の課題を解決するために知恵と力を発揮しなければと思いました。
「最愛の人が亡くなって感謝されるのが病院」──この言葉は大変重たく聞きました。
◆住民と医療従事者が話し合う
二つめは、「住民と話し合う医療」と題して、一関市病院事業管理者の佐藤元美先生が講演。岩手県一関市(旧藤沢町)で、医療を実践してきたお話をうかがいました。
「慢性疾患では無診察投薬を認めてほしい」「待ち時間が長い」──病院が開院して一年後から苦情と意見が増大したといいます。そこで、患者さん(=住民)と医療従事者が話し合う対話の場をつくっていったことが、大きな改善につながっていきました。
私も以前から重要だと感じてきた問題に、住民と医療従事者は対立する関係ではなく、いっしょにいい医療をつくっていく(支えていく)パートナーであるということがあります。佐藤先生は、「医療を支える住民といっしょに、医療の知識ではなく医療のあり方」を直接話し合うことを大事にしてきたといいます。
「医師や看護師は、資格を持っているからどこに行っても仕事ができる。でも、医者や看護師がいなくなれば、病院が成り立たない。病院がなくなって困るのは、住民のみなさん」──以前に県立病院が撤退したことがある地域だけに、どうしたら風通しの良い関係をつくっていけるのかが重要だったといいます。
研修医の報告会を地域の人にも来てもらって開催したり、ナイトスクールという誰でも参加できる対話の場を設けたりしてくるなかで、苦情が減り、寄付が増えるなど大きな効果があったといいます。
「住民は病院を知り、育て、支える」──これを実践していく中で、地域が変わり、医療が変わっていったというのです。理想の医療をやることが、地域で医療を再生させていく最大のカギであり、そのための対話がもっとも重要なものであることを学ばせていただきました。
┏┓池川友一|日本共産党町田市議会議員
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